今さら聞けない「MRI検査」 CT検査との違いや見つかる病気を専門家が解説!
磁気を用いて体を隅々まで調べる「MRI検査」ですが、一体どのような疾患が見つかるのかご存じでしょうか? MRI検査とCT検査の違いについても「診療放射線技師」の隅田さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【タトゥーがはいっているとMRI検査を受けられないってウソ? 本当?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修放射線技師:
隅田 吉政(放射線技師)
編集部
まず、MRI検査について教えてください。
隅田さん
MRIとは「Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)」の略で、磁気の力を利用して臓器などを撮影する検査です。人体の組織の70%は水(H2O)からできているため、MRIでは水(H2O)の中の水素原子(H)を「共鳴」させ、この現象を電気信号として捉えてコンピュータで処理することにより、画像を作り出しています。
編集部
MRI検査では、どのような疾患が分かりますか?
隅田さん
MRI検査で発見される疾患は脳梗塞や腫瘍、血管疾患、脊椎のヘルニア、関節の靭帯損傷や半月板損傷、子宮・卵巣や前立腺の異常、乳がん、肝臓・胆嚢・膵臓の腫瘍、心臓の冠動脈の狭窄など様々です。MRIは検査時間が長いため、頭部、脊髄、脊椎、関節、骨盤など動きの少ない部位の撮影に適しています。しかし、最近では装置や撮影方法が改良されてきたため、腹部や心臓など動きのある部位の検査にも有用となってきています。
編集部
CT検査と何が違うのでしょうか?
隅田さん
どちらも体の断面画像を得るための検査装置ですが、画像を得る手段が異なります。CTはX線、いわゆる放射線を使うのに対し、MRIは磁場と電波を使って画像を得ます。つまり、MRIは被ばくの心配がないため、子どもでも安心して検査を受けることが可能です。ただし、強い磁場と電波を用いるため、CTにはない注意事項や制限があります。事前に医師や検査技師に、注意事項を確認するようにしましょう。