「ロキソニンを飲むとき注意した方がいい人」がいるのをご存じですか?【薬剤師解説】
医師から腎機能の著しい低下を指摘されている方、ロキソニンを服用しない方が良いそうです。また、「軽度の腎機能障害の方でも注意が必要」であると薬剤師の福田さんは言います。詳しく話を聞きました。
監修薬剤師:
福田 治樹(薬剤師)
編集部
どのような人はロキソニンを服用しないほうが良いのでしょうか?
福田さん
腎臓に関して疾病の診断を受けている方や、医師から腎機能の著しい低下を指摘されている方は服用しないようにしてください。ロキソニンの添付文書には、「重篤な腎機能障害のある患者は投与しないこと」と明記されています。具体的には急性腎障害、ネフローゼ症候群などと診断されている方が当てはまります。こういった診断を受けている方はロキソニンの服用はしないようにしましょう。また、具体的な疾病の診断をされていない方でも、医師から腎臓の状態が重篤であるとの指摘をされている場合も同様です。
編集部
腎臓が悪い状況で、無理にロキソニンを飲むとどうなりますか?
福田さん
腎機能がさらに悪化する可能性が高いですね。腎臓は血液などの体液をろ過することで、不要な水分や物質を体外に排泄すると同時に、必要な水分や物質は体内に留める役割を持っています。この機能が低下することで、余分な水分が体内に溜まるむくみや、身体に必要なたんぱく質まで排泄してしまうタンパク尿が現れます。また、ロキソニンがうまく排泄されずに体内にたまってしまう結果、体温低下や胃腸障害などの重大な副作用が発現する原因にもなってしまいます。
編集部
腎臓の機能が下がっている場合でも、軽度であれば飲めることがあるということでしょうか?
福田さん
添付文書には「重篤な腎機能障害がある場合」と記載されていますが、軽度の腎機能障害の方でも注意が必要です。自己判断をしてしまった結果、腎機能が今よりも悪化してしまう危険性があるからです。ロキソニンと似た作用を持ち、腎臓に負担をかけない薬剤も存在します。腎機能低下の程度にもよりますが、少しでも腎機能に低下がみられる場合は、一度医師に相談してから判断してください。