市販薬と処方薬の違いを薬剤師が解説 効き目や安全性も異なるって本当?
病院でもらう薬と同じ名前の薬がドラッグストアや薬局で購入できることもありますが、処方箋でもらえる医薬品と市販薬に違いはあるのでしょうか。今回は、市販薬と処方薬の違いについて「薬剤師」の廣瀬さんに解説していただきました。
監修薬剤師:
廣瀬 安國(りら薬局)
編集部
処方箋が必要な薬と市販薬は、どう違うのでしょうか?
廣瀬さん
市販薬の大きな特徴として、診察の必要がなく薬局で購入できる点です。お客さんが自己判断で購入できるため、ほとんどの場合、市販薬は安全性を重視して製造されています。そのため、症状が軽い状態、病気の初期症状に使うことを目的としています。一方、処方箋の必要な医薬品の入手には医師の診断が必要であるため、市販薬より効果も強いことが多いのです。それに伴い、副作用を起こす可能性も上がるので、医師や薬剤師の説明を受けてから使用する必要があります。そのため、慢性的な疾患の継続的な治療や高い薬効を必要としている治療には、処方箋の必要な医薬品が向いているといえます。
編集部
市販薬やビタミン剤はずっと飲んでもいいですか?
廣瀬さん
市販薬は長期的な服用を想定されていません。基本的には、症状を一時的に改善する目的で開発されています。風邪薬やビタミン剤を使用しても症状が改善しない場合は、重大な疾患である可能性もあるので、病院を受診した方がいいでしょう。
編集部
処方箋が必要な薬と同名の薬が出ているのはなぜですか?
廣瀬さん
医療の現場で長年使用され、安全性について十分に確認された医薬品は、市販薬でも販売されることがあります。そのような医薬品は「スイッチOTC」と呼ばれ、成分も商品名も処方箋医薬品と同じものになっています。しかし、説明書でも長期間使用しないように記載されていることが多いため、注意を要します。
編集部まとめ
市販薬は手軽に入手できるため安全性を重視している一方、処方箋の必要な医薬品の入手には医師の診断が必要であるため、市販薬より効果も強いことが多いとのことでした。また、市販薬は長期的な服用を想定していないので、症状が長引く場合は医療機関に相談しましょう。