目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「レビー小体型認知症」を発症しやすい人の3つの特徴はご存知ですか?医師が解説!

「レビー小体型認知症」を発症しやすい人の3つの特徴はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2025/12/08

レビー小体型認知症を発症しやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「レビー小体型認知症で突然死する前兆症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

神宮 隆臣

監修医師
神宮 隆臣(医師)

プロフィールをもっと見る
熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院脳神経内科医員、熊本大学病院脳神経内科特任助教などを歴任後、2023年より済生会熊本病院脳神経内科医長。脳卒中診療を中心とした神経救急疾患をメインに診療。脳神経内科疾患の正しい理解を広げるべく活動中。診療科目は脳神経内科、整形外科、一般内科。日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療学会専門医、臨床研修指導医の資格を有す

「レビー小体型認知症」とは?

レビー小体型認知症は、その名の通り認知症を引き起こす病気のひとつです。レビー小体が脳や神経に蓄積することで発症するといわれています。明確な治療法はなく、症状を和らげる治療を行います。
認知症の代表例でありアルツハイマー型認知症に比較して、物忘れが目立たないこともあります。そのかわり、認知機能が変動することがあります。加えて、幻視や睡眠中の異常行動、手足の筋緊張が高まって、動かしにくくなるなどの症状が併発します。
幻視は、まるでそこに居るような、鮮明な幻視であることが主です。
睡眠中の異常行動は、レム睡眠行動異常症といいます。正常のレム睡眠では、脳は活発に働いていますが、体には指令伝わらず、休んでいる状態を維持しています。この時に我々は夢を見ます。レム睡眠行動異常症では、体への指令が伝わってしまい、叫んだり、体が動いたりしてしまいます。レビー小体型認知症の発症よりも前から出現していることがあります。
手足の筋緊張が高まって、動かしにくくなる症状は、パーキンソン病に代表されるパーキンソニズムという症状群です。レビー小体型認知症もパーキンソン病に関連する病気とされています。

レビー小体型認知症を発症しやすい人の特徴

レビー小体型認知症を発症しやすい人の特徴を述べていきます。

高齢

レビー小体型認知症はその名の通り、認知症を引き起こす疾患です。そのため、ほかの認知症関連の疾患と同様に、年齢が上がれば発症しやすくなります。特に60歳を超えると発症しやすいとされています。さらに78歳を超えて発症したレビー小体型認知症は、より進行が早いとされます。そのため、発症から死亡までの期間も短いです。
誰しも年齢には抗うことはできませんので、レビー小体型認知症において起こりえる症状に気を付ける必要があります。気になる症状が出たときは早期に脳神経内科や精神科などの認知症外来を受診してください。

男性

レビー小体型認知症においては性別による違いも報告されています。レビー小体型認知症は男性が1.5倍多く発症します。さらに、レビー小体型認知症の男性が女性よりも進行がはやいです。なぜ性差があるのかに関しては様々な議論があります。男性のほうが頭部の外傷を受けやすかったり、労働環境などにより神経にかかわる毒素に暴露されやすかったりすることが一因とされます。さらに、ホルモンの性差も関わっているといわれます。
中年以降の男性は、レム睡眠行動障害やパーキンソニズムといった症状に注意して生活する必要があります。

不安症やうつ病

不安症やうつ病といった精神症状も関連があることが分かっていました。
不安症は、レビー小体型認知症を患っていない方に比べて、レビー小体型認知症の患者さんが7.4倍多いといわれます。男性のレビー小体型認知症では、実に60%もの人が不安症を患っています。また、レビー小体型認知症の前駆症状としてパニック発作を含めた不安症が生じることもあります。
うつ病もレビー小体型認知症の患者さんで増えています。レビー小体型認知症を患っていない方に比べて、6倍多いといわれます。認知症の症状をきたす代表であるアルツハイマー型認知症と比較しても、レビー小体型認知症におけるうつ病は特徴的です。年を取ってから発症するうつ病は、不安症と同様に、レビー小体型認知症の危険因子です。さらに、うつ病が、レビー小体型認知症の初期症状として出現する可能性もあります。
不安症やうつ病と診断されている方は、レビー小体型認知症の症状に注意する必要があります。困っていることがあれば、精神科や脳神経内科で認知症診療を行っている医療機関を受診ください。

「レビー小体型認知症で突然死」についてよくある質問

ここまでレビー小体型認知症で突然死などを紹介しました。ここでは「レビー小体型認知症で突然死」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

レビー小体型認知症の末期症状について教えてください。

神宮 隆臣神宮 隆臣 医師

レビー小体型認知症における末期とは定義が難しいです。進行してしまった場合の症状は、本文中にもありますが、認知機能が極端に低下します。さらにパーキンソニズムにより体の自由も奪われ、介助が必要になることがあります。起立性低血圧などの自律神経障害により、複数の障害が出現し、命に関わることもあります。

レビー小体型認知症を発症し、寝たきり状態になった場合の余命はどれくらいでしょうか?

神宮 隆臣神宮 隆臣 医師

残念ながら、レビー小体型認知症を発症し、寝たきり状態になってからの余命は分かっていません。レビー小体型認知症の症状が出現してからの平均寿命は5年前後とする報告もあります。また、認知症全体でいえば、寝たきり状態になると6か月以内の死亡を予測する因子とされます。発症からの時間経過と寝たきり状態になってからの経過時間を参考にしてください。

編集部まとめ

レビー小体型認知症において突然死は稀ですが、時折生じます。症状の進行に合わせて起こるものと推測されています。認知症症状、パーキンソニズム、自律神経などの周辺症状などそれぞれの進行に注意して療養するようにしましょう。

「レビー小体型認知症」と関連する病気

「レビー小体型認知症」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

精神科の病気

脳神経内科の病気

中高年以降の新規の不安症やうつ病に要注意!

「レビー小体型認知症」と関連する症状

「レビー小体型認知症」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

レビー小体型認知症の症状が出現する前に寝ている間に叫んだり、体が動いたりする症状が出る場合があります。症状があるときは一度脳神経内科へご相談ください。

この記事の監修医師

注目記事