「アルツハイマー型認知症」を予防する可能性の高い「食べ物」はご存知ですか?
アルツハイマー型認知症の原因とは?Medical DOC監修医がアルツハイマー型認知症の原因・症状・なりやすい人の特徴・原因となる可能性の高い食べ物や予防法などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「アルツハイマー型認知症の原因」となる可能性の高い食べものはご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。
目次 -INDEX-
「アルツハイマー型認知症」とは?
アルツハイマー型認知症は、脳内に異常なタンパク質が蓄積することで脳細胞が徐々に死んでいく進行性の病気です。主な症状は記憶障害、判断力の低下、言語能力の衰えなどで、日常生活に大きな支障をきたします。この病気は現在のところ完治する方法はなく、症状の進行を遅らせる治療が中心です。
アルツハイマー型認知症と認知症の違い
認知症は、さまざまな脳の病気によって、脳の神経細胞の働きが次第に低下し、認知機能(記憶力や判断力)が落ちてしまい、社会生活が難しくなってしまう状態のことを言います。
生まれつきではなく、生まれた後に認知機能が低下したものを認知症と呼びます。
この認知症のなかで最も多いタイプとして、アルツハイマー型認知症があります。
アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβ、リン酸化タウという異常なタンパク質が溜まり、認知症をきたしてしまうというものです。
つまり、認知症の中の一つとして、アルツハイマー型認知症があるということになります。
アルツハイマー型認知症を予防する可能性の高い食べ物
地中海式ダイエットに含まれる食品
地中海式ダイエットというものがあります。このダイエットでは、具体的にはオリーブオイル、新鮮な果物と野菜、魚介類、全粒穀物、ナッツ類をとることが推奨されています。
地中海式ダイエットは、地中海式ダイエットで勧められている食品は、総じて抗酸化物質と抗炎症成分が豊富です。このことが心血管疾患のリスク低下と関連しており、脳血管を健康に保ち、認知症のリスクを減少させるとされています。
ポリフェノールが豊富な食品
ポリフェノールを摂取することで、アルツハイマー病、ひいてはアルツハイマー型認知症が予防される可能性があるという研究があります。ポリフェノールは活性酸素を取り除き、酸化を抑える働きがあります。ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンや、大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、ゴマの成分のセサミノール、そばに含まれるルチン、緑茶のカテキンなどがあります。
オメガ3脂肪酸を多く含む食品
オメガ3脂肪酸は脳の健康を維持するために重要であり、特にDHAとEPAは脳の機能をサポートし、認知症リスクの低減に役立つとされています。
具体的な食品名としては、サーモン、くるみ、亜麻仁などがあります。
アルツハイマー型認知症の予防法
アルツハイマー型認知症のリスクとしては、加齢がやはり最も大きいものです。これについては対策することが難しいですが、以下のような方法はアルツハイマー型認知症のリスクを下げることに役立つでしょう。
禁煙・節酒
心血管疾患は、アルツハイマー病や血管性認知症のリスクを上げると考えられています。
心血管疾患への対策を取ることで、脳卒中などの他の疾患の発生を予防することにもつながります。
そのための方法として、禁煙や節酒などが効果的といえるでしょう。また、バランスの良い食事をとることも大切です。
運動をする
心血管疾患のリスクを下げるために、定期的な運動も効果的です。
中程度の強度の有酸素運動(サイクリングや早歩きなど)を、毎週少なくとも150分くらい行うようにしましょう。
社会的に活動的であり続ける
生涯を通じて、精神的・社会的に活動的な人は認知症になりにくいと示唆する研究がいくつかあります。そのためには、例えば地域社会でのボランティア活動に参加したり、ボーリングなどの団体スポーツに参加したりといったことなどがあげられます。
社会的に孤独にならないことも、認知症の発症リスクを低下させるために役立つでしょう。
「アルツハイマー型認知症の原因」についてよくある質問
ここまでアルツハイマー型認知症の原因などを紹介しました。ここでは「アルツハイマー型認知症の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
アルツハイマー型認知症になりやすい人の性格について教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
アルツハイマー型認知症と関連が指摘される性格特性には、高い神経症傾向、内向的な性格、適応力の低さがあります。これらはストレスの多い反応や社会的交流の欠如、新しい状況への対応力の低さから、認知機能の低下につながる可能性があるため、生活習慣を改善していくことがすすめられます。
コーヒーを含めたカフェイン摂取はアルツハイマー型認知症の予防に効果はあるのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
カフェイン摂取、特にコーヒーはアルツハイマー型認知症の予防に一定の効果があると考えられています。カフェインは脳内の神経保護作用を持ち、認知機能の低下を遅らせる可能性があります。ただし、摂取量や個人の健康状態によって影響は異なるため、適量を心がけることが重要です。
なお、アルミニウムがアルツハイマー型認知症のリスクを高めると言われていた時期があったのですが、現在ではその因果関係を証明する根拠はない、と言われています。
編集部まとめ
今回の記事では、アルツハイマー型認知症の原因となりうる要因や、予防のために摂りたい食品、そして予防のために役立つ生活習慣などについて解説しました。
アルツハイマー型認知症の原因についてはまだ研究の段階であるものの、今回ご紹介した食品や生活習慣は、予防のために有用である可能性があります。
認知症のみならず、心疾患や脳血管障害などの予防にも役立つので、健康的な食生活や運動習慣を心がけていきましょう。また、少しでもおかしいと感じる場合や、身内にアルツハイマー型認知症の方が多くいらっしゃる場合には、脳神経内科など専門医を受診しましょう。
「アルツハイマー型認知症」と関連する病気
「アルツハイマー型認知症」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
脳神経内科の病気
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭葉型認知症(FTD)
- パーキンソン病認知症
- ハンチントン病
これらの病気は、アルツハイマー型認知症の症状と同じようなものを示すことが多いのですが、それぞれに独自の原因や特徴があるため、正確な診断が重要です。物忘れなどによって日常生活に支障が出るような場合には、脳神経内科や精神科などの専門医を受診するようにしましょう。
「アルツハイマー型認知症」と関連する症状
「アルツハイマー型認知症」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 記憶障害
- 見当識障害
- 失語
- 失行
- 失認
- 遂行機能障害
- 不安
- 不眠
- うつ状態
- 妄想
アルツハイマー型認知症の症状としては、認知機能障害による症状と、それがもととなり行動や心理的にも異常をきたす症状に分けられます。