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他人事じゃないパニック障害の症状や原因について徹底解説!

 更新日:2023/03/27

ストレス社会と言われて久しい現代の日本において、「パニック障害」と呼ばれる病名についてご存知の方も多いかと思います。

このパニック障害は、なんと一説では100人にひとりの割合でかかるといわれており、もはや他人事とは言えないほどに身近な病気です。

しかし、このパニック障害という名前を耳にしたことはあっても、その症状や原因・治療方法についてはまだまだ一般にはあまり知られていない部分も多いかと思います。

そこで今回は、パニック障害の原因やその治療方法などについてMedical DOC編集部がお届けいたします。

この記事の監修医師
今野 裕之 (ブレインケアクリニック 名誉院長)

パニック障害とは?

なにかとストレスの多い現代社会において耳にする機会も増えてきているこの「パニック障害」と呼ばれる病気。一言でパニック障害と呼び表されていますが、一体どのような病気なのでしょうか?

ここではまず、その概要や主な症状などについて確認しておきましょう。

パニック障害の概要

パニック障害とは、日常生活において思いがけないとき時に激しい動悸や発汗・ふるえなどをともなう「パニック発作」が起こってしまい、このパニック発作が度々繰り返されてしまううちに発作そのものに対する不安や恐怖から日常生活に困難が生じてしまう神経症性障害に分類される疾患の一つです。火事や自然災害など突発的な危機が訪れた際には、人間は正常な防衛反応として「死んでしまうのではないか」という恐怖を感じ、鼓動が早くなる・息苦しくなる・じっとしていられなくなるなどのパニック症状を起こすことがありますが、このパニック障害ではなんでもない平時にも突然パニック症状が起きてしまいます。そしてこのパニック発作が頻繁に起きてしまう事によって、発作が起きてしまう事に対する予期不安や発作が起きかねない状況に対する恐怖を感じてしまい、日々の生活そのものに不安が生じてしまいます。また、この日々の生活そのものに対する不安が、ひいてはうつ病やうつ状態などの精神障害を招いてしまうというケースも見られます。

パニック障害の3つの主な症状

パニック障害の症状では、「パニック発作」「予期不安」「不安を起こすような特定の状況に対する恐怖」の3つの特徴的な症状がみられます。

パニック発作

パニック障害では初期症状として、「動悸・めまい」「発汗」「息苦しさ」「吐き気」「手足の震え」などの身体症状をともない激しい不安や恐怖感を感じる「パニック発作」が引き起こされます。
このパニック発作は、おおむね数分から長くても1時間ほどでおさまりますが、このことによって救急車で病院に運び込まれても診察を受ける頃には症状もなく身体的異常も見られなくなっており、つらい気持ちを理解してもらえずさらに不安をつのらせてしまうという悪循環に陥ってしまうケースも見られます。

予期不安

このパニック発作が頻繁に起きてしまうようになると、「また発作が起きてしまうのでは?」「今発作が起きてしまったらどうしよう」といった、パニック発作が起きてしまう事に対する強い不安や恐怖心が生じるようになってしまいます。このような未然のパニック発作に対する不安や恐怖は「予期不安」と呼ばれています。

不安を起こすような特定の状況に対する恐怖

混雑した場所や満員電車の中などの逃げ場のない環境でパニック発作を起こしてしまう事に対する「予期不安」は、「発作を起こして死ぬかもしれない」という強い恐怖感や発作を他人に見られる事に対する不安感や羞恥心によってやがて過去に発作を起こした場所や環境・大勢の人が集まる場所などを避ける行動へとつながります。

パニック障害の原因とは?

これらの3つの特徴的な症状が悪循環となってしまい、ひいては日常生活への大きな悪影響を及ぼしてしまう「パニック障害」。
このパニック障害という病気についてより深く理解するためには、その原因についても学んでおく必要がありますが、このパニック障害の原因については実のところ未だはっきりしていないところもあるのです。
ところが昨今の研究によって、パニック障害は気持ちのもち方によるものだけではなく、不安や恐怖に関わる脳の機能異常と関係があることがわかってきました。
パニック障害をもつ患者さんの脳の特徴として、「大脳辺緑系」「青斑核・視床下部」の主に2つの箇所に通常とは異なる状態が起こっていることが明らかになってきました。
ここからは、脳の各部位がもたらすと見られているパニック障害の原因について見てゆきましょう。

大脳辺緑系

興奮や不安・恐怖といった本能的な反応をつかさどる部位である「大脳辺緑系」。中でも、扁桃体の機能が重要で、視覚や聴覚などの感覚刺激によるストレス反応を制御しています。 パニック障害では扁桃体の過活動が病的に過活動になっているため、少しの刺激でも反応しやすくなっています。

青斑核・視床下部

危機や危険に対するアラームのような役割を担っている部位である「青斑核」。 この部位が発した危険信号を「視床下部」が受信し、危機に対する防衛反応として汗腺や血管・心臓に強く働きかけます。

パニック障害では、これらの部位の誤作動によって平時であるにもかかわらずパニック発作が起きてしまうのではないかと見られています。

パニック障害の原因と見られる脳内物質

ここまでは、パニック発作の原因とみられる脳の各部位のメカニズムについて触れてまいりました。パニック障害の症状を起こす脳の機能的な観点からは、脳内物質である「セロトニン」の分泌低下がパニック障害の原因として大きなカギを握っています。ここではこの「セロトニン」という物質について解説するとともに、この「セロトニン」の問題がもたらすパニック障害のメカニズムについて学んでゆきたいと思います。

セロトニンとは?

脳内物質の1つであり、「幸福感」との大きな関連があるこの「セロトニン」。
この「セロトニン」には、心のバランスを整える・体内時計の調節・活発な活動などをつかさどる役割があります。この「セロトニン」の働きが低下したり、分泌量が減少すると脳内の不安や恐怖を抑制する事に困難が生じてしまいパニック障害の原因へとつながってしまいます。

「ノルアドレナリン」を抑える「セロトニン」

「ノルアドレナリン」という脳内物質が多く分泌されている時、脳は不安や恐怖を感じている状態となります。
「セロトニン」には、この「ノルアドレナリン」の分泌をコントロールする役割があります。
したがってパニック障害は、脳内のノルアドレナリンの働きをセロトニンによって十分コントロールされていない状態とも言えます。

パニック障害の要因とは?

ここまでは、パニック発作の原因とみられる脳内における脳内物質のメカニズムについて解説いたしました。
では、脳内物質の分泌異常が原因と考えられているパニック発作は、一体どのような要因によって引き起こされてしまうのでしょうか?
ここからは、パニック発作の要因として考えられている要因について学んでゆきたいと思います。

気質要因

もともと不安や恐怖に対して敏感な方は、やはりパニック障害になりやすい傾向があると考えられています。几帳面で完璧主義的なタイプ、何事もガマンしてしまいがちなタイプなどはパニック障害になりやすいようです。

生活習慣

生活リズムの乱れや栄養素の不足、血糖値の低下、カフェインの取りすぎ、喫煙習慣なども影響する可能性があります。

環境要因

職場の異動や引っ越し、進学など、大きなライフイベントなどもストレスとなり発症の要因となりえます。

遺伝的要因

現在でも研究段階であるため断定は出来ませんが、両親や兄弟などパニック障害をもつ血縁の家族がいる方にパニック障害の患者が多いことから、遺伝的要因も疑われています。

パニック障害の治療について

パニック障害の治療では、まず初期段階で脳内物質のノルアドレナリンとセロトニンのバランスを整えるために、一般的には抗うつ薬や抗不安薬による薬物療法がおこなわれます。 薬の服用によって症状が十分に安定したことを確認出来たら、服用量を減らすことを検討します。薬物療法によって症状が軽減したら、並行して不安を軽減し、パニック発作を起こさないようにする為の「認知療法」「行動療法」などの心理療法がおこなわれます。また、生活習慣の見直しや環境調整、ストレスの解消法を見つけておくことなども症状の再発予防に大変重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、パニック障害につながる脳内メカニズムによる原因や、パニック障害の原因へとつながる様々な要因について学んでまいりました。
脳内物質の分泌異常が原因となってパニック障害が引き起こされている事や、ストレスなどの要因が引き金となってパニック障害が引き起こされる可能性がある事がおわかりいただけたかと思います。
また、薬物療法や心理療法による適切な治療によってパニック障害は克服できることもおわかりいただけたかと思います。
その症状の特徴から、つらい気持ちをなかなか理解してもらえずひとりで孤独に苦しんでしまいがちな「パニック障害」。パニック障害の原因などについて正しい知識を学ぶことは、不安や恐怖に怯えることのない明るい暮らしへと導くことでしょう!

 

監修ドクターコメント

今野先生

パニック障害は予備知識がないと発症した時に大変な恐怖を感じる疾患です。この記事で発症のメカニズムや対策を学んでおくといざという時に安心です。

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