白内障の治療方法

公開日:2020/09/03  更新日:2020/09/09

白内障は40代を過ぎるとかかる人が出てくる身近な病気のひとつです。家族や親類、知人が白内障になったという人の話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。「もし、見えなくなってしまったら」と恐怖を感じる白内障ですが、白内障になった場合、治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。白内障の治療方法についてMedical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
後藤 聡 (講師)

白内障の症状と原因

白内障とは

白内障は水晶体が濁る病気です。水晶体はカメラのレンズのように、見えるもの(外から入る光)のピントを合わせる働きをしています。ところが水晶体が濁ってしまうと光がしっかり届かなくなります。そのため、視界がかすんだり、光を眩しいと感じたりします。また、視力の低下や、暗い場所と明るい場所での見え方が変わるなどの症状が出ます。ものが二重三重に見えたり、めがねをかけていてもかすんで見にくい、と感じたりするようになったら白内障にかかっている可能性があります。

なぜ白内障になるのか

私達の目は凸形の透明なレンズが前部を覆っています。これが水晶体です。水晶体は膨らんだり平たくなったりと動くことで、網膜に画像を写し、ピントを合わせています。水晶体は水とたんぱく質で出来ていて無色透明です。ところが加齢がすすむと水晶体が次第に白く濁っていきます。水晶体を構成するたんぱく質が変化するために白く濁ると言われていますが、なぜ濁るのかははっきりと解明されていません。

どのくらいの人が白内障にかかっているのか

白内障は早い人で40歳から発症します。そして80歳を超えると非常に高い割合の人が白内障になっています。白内障になる人の比率は、軽いものも含めると、40代で20%、50代で45%、65代で65%、70代で80%です。年齢を重ねるとほとんどの人が程度に差がありつつも白内障を患います。軽い症状だと自覚がない場合もありますが、症状がなくても中高年になると白内障になっている可能性が高いのです。

白内障の治療方法

白内障の治療方法は、手術が一般的

白内障の治療方法は、白内障の症状がどのくらい進んでいるのかによって変わります。軽度の白内障であれば経過観察となり、医師によっては点眼薬を処方される場合があります。白内障が進み、生活に支障が出てくると手術を行います。白内障の手術は安全性が高くなっているため、ある程度の症状になったら医師から手術を進められるのが一般的です。

目の手術と聞くと恐ろしいと感じるかもしれません。しかし白内障の手術はとてもポピュラーです。また現代では手術方法が進歩し機器の性能が上がったことにより、安全に手術できるようになっています。白内障の手術は入院することもありますが、日帰りでも受けられます。

白内障手術の流れ

白内障の手術を行う前に、詳しく目の状態を検査します。その上で手術をしても問題がない場合、手術の日程を決めます。手術当日は、指定された時間に病院に来院し手術の手続きを行います。目に薬を入れて瞳孔を開き、血圧や眼圧などの検査を行った後、手術着に着替えて手術室へ入ります。

手術の時間は通常15~30分ほどです。点眼薬の麻酔を使い、局所麻酔で手術が行われます。黒目と白目の間に創をつくり、水晶体の皮をくりぬきます。その後、水晶体を取り出して代わりに人工のレンズを入れます。これで手術が終了です。準備や消毒も含め、手術時間は約30分前後で完了します。

手術が終ったら病院でしばらく休み目に薬を入れて目を保護します。その後医師から術後の説明や注意事項を聞いたうえで帰宅します。病院によって多少の流れや時間の差はありますが、白内障の手術は短時間で完了その日のうちに帰宅できるのが一般的です。(日帰り手術か入院手術かはその人の目の状態、担当医の考え方によっても異なるので、病院へ問い合わせてください)

手術後はどうなるのか

手術後の視力回復には個人差があります。しかし多くの場合、翌日には視力が戻りますので、単純な家事なら翌日から行えます。ただし手術後約1週間は傷口が完全にふさがっていないため、感染症にかからないように、目に水が入るような行為は避けます。

白内障は進行が進むと水晶体が黄色っぽく変化します。そのため視界全体が、黄色がかって見えています。この変化は徐々に起こるため、本人が自覚することは稀です。しかし白内障の手術をすると黄色がかった視界が一気にクリアになるため、今までと色合いが違って見えると感じる人がたくさんいます。さらに白内障の手術では目の中に人工レンズを入れますが、このレンズの度数を調整することで遠視や近視の矯正が可能です。そのため、手術後は視界がクリアになり、はっきりとモノが見えるようになります。

しかし手術は完璧ではありません。近視や遠視が残る場合もあります。しかし近視や遠視が残っても、手術前と比べるとはっきりときれいな視界を得られる可能性が高くなります。

眼内レンズについて

白内障の手術で目に入れる眼内レンズにはいろいろな種類があります。主流は柔らかいアクリル製で、丸い形のレンズ部分の両側に、支持部という目の中でレンズを固定する部分が付いています。この眼内レンズは、数十年は使えるとされています。また、眼内レンズそのものも滅菌されているので、レンズが原因で感染症を引き起こすことは基本的にはありません。人体との適合性も良いとされています。

昔は透明の眼内レンズが使われていましたが、淡い黄色のレンズが増えています。透明のレンズだと日中まぶしく感じるため、黄色いレンズを使ったほうが光の量を調整して快適に過ごせるためです。ほかにもいろいろな特徴を持つ眼内レンズがあります。気になる人は、手術の前に医師に聞いてみましょう。

手術以外の白内障治療方法

点眼薬を使う治療方法

白内障になっているけれど、手術は怖いから避けたいという人も多いのではないでしょうか。白内障は進行すると手術を進められますが、初期の段階では点眼薬を処方されます。眼科で処方される点眼薬は、白内障の進行を抑え、予防する効果があり、主にグルタチオン点眼液や、ピノレキシン点眼液が使われています。これらは厚生省により認可された薬です。しかしすべての人に効果があるわけではなく、白内障の度合いによっては効果が出ないこともあります。

白内障の飲み薬

白内障を劇的に良くするというわけではなく、進行を予防する薬として、チオラや八味地黄丸、牛車腎気丸が用いられています。これらの飲み薬には副作用がある点に注意しましょう。チオラには黄疸や肺炎、八味地黄丸、牛車腎気丸には肝臓への影響や発疹の副作用があります。

白内障治療薬という海外の薬

インターネットで情報を調べると、白内障の治療に使えるという海外の薬が出てきます。しかしこれは日本では厚生省の認可が下りていない薬で、日本での効果も確認されていないものです。もしこの薬を使いたい場合、個人で輸入するしかありません。しかし個人輸入した薬を使い薬害が起きた場合は、法律に守られてない範囲の出来事になるので救済策がありません。薬が偽造ではないのか、きちんとした環境で管理されていたのかということも分かりません。薬の個人輸入には非常に高いリスクがあることを覚えておきましょう。

白内障の治療方法は手術が一般的

進行したら手術、軽度なら薬

白内障の治療方法は進行の度合いによって異なります。軽度の白内障なら点眼薬を用いて、進行を遅らせたり予防したりすることで対処します。しかし残念なことに、現在はまだ白内障を薬だけで治すことはできません。きれいに見えるようにするためには手術が必要です。白内障の進行が進むと、医師から手術を勧められるのが一般的です。

目を手術すると聞くと恐怖を感じるかもしれません。しかし白内障の手術はとてもポピュラーで、15~30分程度で完了します。手術後は日帰りでき、翌日には視力も戻り、家事を開始できます。また、白内障の手術をすることで、遠視や近視を矯正することも可能です。技術の進化により白内障手術の精度や安全さも上がっています。白内障の手術をすることに対して、それほど怖がらなくても大丈夫です。

監修ドクターコメント

後藤先生

白内障は眼科手術で一番多い手術です。それは年を取れば誰でもなる病気だからです。手術となると皆さんとても怖いですよね。しかし40年前に比べてかなり安全に行えるようになってきました。それでも手術は手術なので100%何もない、ということではありません。2-3000人に一人は白内障術後にバイ菌感染を起こして見えなくなる人もいますし、他の術後合併症もあります。糖尿病などがあるとバイ菌に対する抵抗力が下がるので特に注意しないといけません。手術は飲み薬や目薬と同じように治療の一環ですので手術が終わったから治療が終了すると考えず術後点眼をしっかり点けて、定期的な眼科診察を受けましょう。