舌がんの症状や原因、治療方法とは?
舌がんとはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントを交えつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)
舌がんとは
舌がんは、舌にできるがんで、口腔がんの一つです。
舌の奥3分の1は舌根といい、がんの分類上、舌がんではなく中咽頭がんといいます。
口腔内に発生するがんの約90%が舌がんです。男性に多く、50代後半に発症しやすいといわれますが、20−30代の若年者にも時々見られます。
鏡を用いて自分で見ることができる場所に舌がんは発生するためか、早期に発見されることも多いのですが、早い時期から頸部リンパ節に転移して急速に進行するという悪性度の高いタイプもあります。
舌がんの症状
舌がんは、舌の両脇の部分できることが多く、中央部分ではあまりみられません。
舌の裏側など、見えにくい場所にできることもあります。
自覚症状としては、舌の硬いしこりやただれがありますが、痛みや出血があるとは限りません。
舌の動きに違和感がある、舌に痺れがある、舌の粘膜に赤い斑点や白い斑点ができている、口内炎が治りにくいなどの症状がみられることがあります。
進行すると、痛みや出血が続く、口臭が強くなるなどの症状が見られます。
口内炎のような症状ができてから、2週間以上治らない場合は要注意です。口内炎の症状の色は、灰白色で赤い縁取りで境界線は明瞭なことが多いです。
一方で、舌がんの症状は、赤色や白色など混在することがあり、境界は不明瞭であることが多いといわれます。
舌がんの原因
舌がんを含む口腔がんを発生する主な原因は、喫煙と飲酒である、といわれています。
口腔がん全体の80%は、タバコが原因と考えられています。
主な原因は、喫煙と飲酒です。
そのほかには、歯や義歯による慢性的な刺激、食事などの刺激、歯肉炎、ウイルス感染なども、舌がんの原因の可能性があるといわれています。
舌がんの検査法
視診や触診から推測することはできますが、類似疾患も多いため、最終的には組織診断が必要です。
舌がんと診断がつけば、病変の根の深さや広がりの程度を正確に調べるために、CT検査やMRI検査、PET検査、骨シンチグラフィなどの画像検査を行い、治療方針を検討します。
舌がんの治療方法
舌がんの治療方法は、がんの進行の程度(病期(ステージ))や体の状態から検討します。
舌がんの治療は、手術が中心ですが、がんの広がりが小さい場合は放射線治療の一つである組織内照射を行う場合もあります。
照射のあとにがんが残っている場合は、手術を行います。
手術後は、薬物療法と放射線治療を組み合わせる治療を行うことがあります。
舌がんの治療は、主に手術療法と放射線治療です。
抗がん剤による化学療法も、これらの治療と組み合わせて行われることがあります。
舌がんの予防法
禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、適正な体型、感染予防が、舌がんの発症予防に効果的です。
舌がんを含む口腔がんの発生率は、喫煙者は非喫煙者に比べ2−18倍高くなっています。また、適正な歯科治療を受けることが大切です。
虫歯によってはが尖っていたり、合わない詰め物や被せ物や入れ歯などで刺激を受けると、その部位の口腔粘膜にがんが発生する、ということが知られています。