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尋常性乾癬の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

尋常性乾癬(読み方:じんじょうせいかんせん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長

尋常性乾癬とは

乾癬の中で最も多い種類であり、全体の約9割を占めます1)。主な症状は、皮膚が赤く盛り上がる「紅斑(こうはん)」、細かいかさぶたのような「鱗屑(りんせつ)」、フケのようにボロボロとはがれ落ちる「落屑(らくせつ)」です。一般に乾癬といえば、この尋常性乾癬を指します

引用:ヤンセンファーマ 乾癬ネット
https://www.kansennet.jp/about_disease/syurui/

尋常性乾癬の症状

乾癬にかかると、皮膚が赤くなって(紅斑)、もり上がり(浸潤)、その表面に銀白色のかさぶた(鱗屑)が厚く付着して、それがフケのようにぼろぼろとはがれ落ちる(落屑)という症状が起こります。鱗屑を無理にはがすと、出血することがあります。かゆみには個人差があり、全くみられない人もいれば、強いかゆみが起こる人もいます。
症状が進むと病変部(皮膚症状があらわれている部分)の数が増え、互いにくっついて大きくなります。
また、皮膚の一部である爪が変形することもあります。
このような皮膚症状のほか、関節の痛みや変形、発熱や倦怠感などの全身症状が起きることもあります。

引用:田辺三菱製薬
hhttps://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=/general/sick/psoriasis.html

監修ドクター:高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長ドクターの解説
尋常性乾癬は、鱗屑(りんせつ)を伴った大小さまざまな赤い斑点が全身にできる疾患です。ひざやひじ、頭髪の生え際、腰などこすれる場所に出やすいという特徴があり、また爪が侵されることもあります。かゆみを伴うこともありますが、伝染するようなことはありません。

尋常性乾癬の原因

皮膚の最外層の表皮の代謝サイクルが短くなり、角化細胞が鱗屑となって剥がれ落ちます。これに炎症が加わり皮膚は赤く盛り上がってきます。正常な表皮細胞は28日サイクルですが、乾癬の場合は4~5日と極めて短く新陳代謝が病的に亢進した状態になっています。乾癬を起こす原因は今のところ完全には解明されておりませんが、遺伝的な要因の有する患者さんに外部からの何らかの要因(感染や精神的ストレス、薬剤など)が加わり、免疫異常が生じ炎症が起きることが判ってきました。
最近、このような炎症を起こす物質がいくつか判明しましたが、そのかなでTNF-αと呼ばれる生体内物質があります。TNF-αは乾癬の病変部に多量に存在し、それ自身が炎症を起こしたり、乾癬炎症を引き起こす樹状細胞を活性化したりします。さらに、IL-23という樹状細胞からヘルパーT細胞活性に作用する炎症性サイトカインやIL-17が乾癬の発症に関与することが判ってきております。

引用:東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/ohashi/dermatology/patient/plaque_psoriasis.html

監修ドクター:高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長ドクターの解説
はっきりとした原因は不明ですが、遺伝的な要因や、脂肪の代謝障害、ほかに精神的なストレス、外傷などが関係していると思われます。欧米型の食事(肉食やアルコール等)も原因になっていると思われます。ちなみに日本の戦前の食事では、稀な症状でした。

尋常性乾癬の検査法

乾癬の診断では、はじめに問診、視診(患部を見る)、触診(患部を触る)により皮膚の状態を調べます。
皮膚科専門医であれば、これだけでほぼ正確な診断ができますが、まれに乾癬と区別しにくい症状がみられる場合があり、その際は皮膚生検を行います。皮膚生検では、局所麻酔をして米粒大の皮膚を切り取り、皮膚の表皮や真皮の状態を顕微鏡で調べます。

引用:ヤンセンファーマ 乾癬ネット
hhttps://www.kansennet.jp/about_disease/jinjyousei/

尋常性乾癬の治療方法

治療方法は大きく分けて4種類あります。
4つの治療方法
外用療法(塗り薬)
光線療法(紫外線照射)
内服療法(飲み薬)
生物学的製剤(注射または点滴)
患者さんの症状やライフスタイルに合わせて、これらの治療方法を単独で用いたり、組み合わせたりします。一般的には外用療法から始め、効果が十分でない場合に光線療法、内服療法、生物学的製剤へと進めていきます。
個々の治療方法にはそれぞれ長所と短所があります。ある患者さんによく効く治療方法が、他の患者さんにはあまり効かない場合もありますので、皮膚科医とよく相談してください。

引用:マルホ株式会社https://www.maruho.co.jp/kanja/kansen/basic/therapy.php

監修ドクター:高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長ドクターの解説
主な治療方法は以下の通りです。

・ステロイド剤(外用療法)

・ビタミンD3製剤(外用療法)

・抗ヒスタミン剤(アレロック、アレジオン等)

・生物学的製剤
重症型に効果を示しています。従来の治療方法で十分な効果が得られなかった患者さんに効果を発揮する治療方法として大いに期待されています。但し、すべての方にに効果があるとは言いきれなく、また副作用が現れることもあり、長期的に投与した場合の影響については不明な点が多いです。

・紫外線治療
ナローバンドUVBやエキシマライトでの光線療法が一般的となっております。保険が適用されるのでリーズナブルに治療が受けられますが、効果を実感できるまでに長期間にわたる通院が必要となることがネックです。

なお、これまでは「PUVA(プーヴァ)」=紫外線照射療法が一般的でした。しかしこれは病変部のみを選択して照射することができないため、大量の紫外線を浴びることで、発がん性の心配がありました。

●当院での治療法・・・最も有効性の高いエキシマレーザー

「XTRAC(エクストラック)」という患部にレーザーを照射する装置を使用することで、病変部以外の健康的な皮膚に影響を与えずに進行を抑えます。週1~2回のレーザー治療を行います(72時間以上あけます)。4回目辺りの照射からかゆみが取れます。治療回数が少なくて済むというのが大きな特徴です。

ちなみにNarrow-BandUVB(ナローバンドUVB)・50~60回の治療は、XTRACの12回の治療と同等です。トータルの照射量は同じでも、XTRACはより集中的に治療を行うことができます。またXTRACによる治療はNarrow-BandUVBとは違い、病変部のみに照射できるため、健康な部位に対する副作用がないのも安心です。

なお当院は、日本で初めてエキシマレーザーを白斑や乾癬の治療に取り入れたクリニックです。エキシマレーザーの導入にあたり、アメリカを中心に海外からさまざまな文献を取り寄せ、症例や副作用のリスクについて日夜研究を重ねました。

私は日本皮膚科学会認定の専門医であり、副作用のきわめて少ないエキシマレーザー治療の第一人者として、乾癬の症状でお悩みの方にエキシマレーザーをおすすめしています。

平成16年の春にエキシマレーザーの導入に踏み切って以来、2,000人以上の方にレーザー治療を施術し、多くの方に効果を実感していただいております。

「何をやってもムダ」
そう考える前に、ぜひ一度当院のエキシマレーザー治療を体験してみてください。

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