汗疱の症状や原因、治療方法とは?

汗疱(読み方:かんぽう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
中﨑 恵美 医師(emiスキンクリニック松濤 院長)
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汗疱とは
汗疱とは汗の出口のところで起こった炎症によって生じる病気です。汗の出口が多い手のひらや手の指、足の裏や足の指でよく見られます。
水虫とは全く別の病気で、誰かにうつることもありません。
ドクターの解説汗疱の症状
汗疱の症状は、手のひらや、特に指の縁(指の横)の部分に、まずプツプツとした盛り上がりができたり、さらにすすむと水疱(水ぶくれ)ができたりすることです。
プツプツや水疱(水ぶくれ)のできはじめは、かゆみがでることもあります。場合によっては少し赤くなることもあります。その後落ち着いてくると、日焼けのあとのように薄皮がむけていきます。汗がきっかけになることも多い病気なので、春から夏にかけて多くみられます。季節の変わり目などに多く、手のひらや足のうらに汗をかきやすい方に多くみられます。小さなお子さんや小中学生、高校生は活発に活動するので、汗を多くかき、症状がでやすくなります。
かゆみが強く赤みがある場合は汗疱性湿疹(かんぽうせいしっしん)や異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と呼ぶこともあります。足にできた汗疱は、水虫の症状によく似ています。
ドクターの解説汗疱の原因
汗が皮膚の中で詰まってしまうことが原因です。汗は汗腺という皮膚の深いところで作られ、長く細い汗管という管を通って皮膚の表面に出てきます。
汗管が何らかの影響で詰まったり、小児などのように汗管が細かったり、一気に大量に汗をかいたり、温度差で急に汗が引いたりすると、皮膚表面に出るべき汗がうまく出られずに、皮膚の中に貯まってしまうのです。これが水ぶくれのできる汗疱の病態です。
他にも、金属アレルギーや感染症などの関与が考えられていますが、主な病態は汗の詰まりにあります。
汗疱の検査法
汗疱の特別な検査はありませんが、実際の症状を診るため、靴を脱いでもらう、あるいは、手の状態を確認させてもらいます。
足の状態については見ただけでは水虫と見分けがつかないこともあるので、むけている皮膚や水疱の一部をつまんで取って、顕微鏡で水虫の菌がいないかを確認することがあります。
ドクターの解説汗疱の治療方法
症状が軽い場合は、治療せずに2~3週間で、自然治癒することもあります。紅斑や腫脹等の炎症、痒み等の自覚症状がある場合、あるいは水疱が大型の場合などは、治療が必要になります。炎症を抑制するステロイド外用剤、表面の角質を軟化させ汗排出を促す尿素軟膏やヘパリン類似物質を外用することもあります。日常生活では手洗いを徹底したり、入浴後によく乾燥させたりする必要があります。
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