機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)の原因・症状・治療方法
機能性胃腸症(読み方:きのうせいいちょうしょう/機能性ディスペプシア)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
河島祥彦先生 (医療法人河島医院 理事長)
機能性胃腸症とは
機能性胃腸症(non-ulcer dyspepsia:NUD)とは、一般的検査では胃の粘膜にただれなどの器質的(組織)的変化が認められないのに、胃の痛みをはじめとした症状(腹部膨満感、吐き気・おう吐、食欲不振、胃のもたれ、胸やけなど)を示す症候群で、最近の一年間で合計12週以上続くものをいいます。
引用:みやけ内科、循環器科
http://www.miyake-naika.or.jp/03_katei/otona_kinouseiichouen.html
機能性胃腸症の症状
主な症状は「食後のもたれ感」「少し食べるだけでお腹一杯になる」「みぞおちのあたりの痛み」「胸焼け」や「吐き気、げっぷ」など非常に多彩です。ご本人にとって多くの症状はとてもつらく、生活の質を大きく低下させてしまいます。
引用:厚木胃腸科医院
http://www.atsugi-ichouka-dc.com/dyspepsia/
機能性胃腸症の原因
胃の運動機能障害、知覚過敏や心理的・社会的要因などが原因で症状が起こると考えられています。
引用:アステラス製薬 なるほど病気ガイド
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/fd/basicinformation00.html
機能性胃腸症の検査法
FDは「腹部症状が慢性的に続いているにもかかわらず、症状の原因となる異常が見つからない病気」です。
すなわち、胃の痛みや胃もたれなどの自覚症状があることと、胃がんや胃潰瘍などの病気が内視鏡検査などで見つからない場合に診断されます。「腹部症状」とは、胃の痛みや胃もたれに代表される症状で、患者さんによってさまざまな言葉で表現されます。専門的には食後のもたれ感、早期飽満感(食事開始後すぐにお腹がいっぱいに感じられ、それ以上は食べられなくなること)、心窩部痛、心窩部灼熱感(みぞおちの焼けるような感じ)などに分類されます。このような症状が慢性的に生じている場合にFDと診断します。引用:日本消化器学会
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/fd_2.html#q4
機能性胃腸症の治療方法
機能性ディスペプシアが考えられる場合、治療の第1歩となるのが、自分でできる対策です。
特に重要なのは、胃に負担をかけない食べ方。食事はゆっくりよくかむように心がけ、お腹いっぱい食べずに腹八分目にします。食べてからすぐ活発に動くのは消化に悪いので、休憩を30分間とるなどしてすぐ動き回らないようにします。食事の内容を気にしすぎるとかえってストレスになるため、常識的な内容であれば、あまり気にしないほうがよいでしょう。
また、自律神経の働きを高めて、自律神経を元に戻すことも大切です。そのためには、十分な睡眠をとり、ウォーキングなど適度な運動を行い、禁煙することが大事です。こうした対策を1週間続けても改善がみられなければ、消化器内科など、早めに医療機関を受診してください。引用:NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_287.html