慢性胃炎の症状や原因、治療方法とは?
慢性胃炎(読み方:まんせいいえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長
慢性胃炎とは
本来の意味は、胃内視鏡などで胃の組織を採取して、その組織で炎症が見られる場合を指します。
日常臨床では、わざわざ組織をとらなくても胃内視鏡検査やX線検査(バリウム検査)で胃炎の所見が見られる場合や、上腹部症状を訴える例が慢性胃炎と診断されます。このように慢性胃炎は内視鏡や組織など「目で見て診断する」胃炎例だけでなく、「症状そのもの」の診断名としても使われています。
しかし、内視鏡で見る慢性胃炎と慢性胃炎症状は必ずしも一致しません。内視鏡で見られる慢性胃炎の多くは症状がありませんし、逆に強い胃炎症状を訴える例でも内視鏡で胃がきれいなことが多くあります。
慢性胃炎の症状
慢性胃炎特有のものはなく、胃潰瘍や胃がんでも同じ症状がみられます。萎縮の程度と症状は必ずしも一致しません。
主な症状には、空腹時や夜間のむねやけ、食後にむかむかしたり、もたれた感じがあります。
また、強い胃の不調を訴える方のなかには、神経症的傾向が強いケースもあります。引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
hhttps://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/stomach/stomach_04.html
慢性胃炎の原因
内視鏡で見られる慢性胃炎は、これまで加齢変化と信じられていましたが、ほとんどの慢性胃炎はヘリコバクターピロリ菌の感染によって起こることが明らかになりました。慢性胃炎症状の出現原因は様々な因子が関与するとされています。
慢性胃炎の検査法
内視鏡検査:
内視鏡による観察と生検(せいけん)による組織学的診断を行います。
萎縮の進行度や広がりを観察します。萎縮の軽微な胃粘膜には発赤という特徴的な病変がみられ、萎縮が進んだ粘膜には粘膜下層の血管が透けて見えます。引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
hhttps://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/stomach/stomach_04.html
慢性胃炎の治療方法
先ず、ヘリコバクター・ピロリ菌が陽性であれば除菌治療を行っております。早期の段階で除菌治療が成功すれば、萎縮性胃炎の進行を抑制することが可能でしいては胃がんのリスクを低下させることが知られています。除菌後にも自覚症状が残存している患者さんには制酸薬、胃粘膜保護薬、消化管機能改善薬を症状に合わせて処方しております。
引用:なかたクリニックhttp://nakata-cl.jp/chronicgastritis.html
症状があれば治療を行います。ただ、自覚症状だけでは本当に慢性胃炎だけなのか、胃がんや膵がんなどの治療を要する疾患なのかの診断はできないため、胃内視鏡検査や腹部超音波検査を受けておくことは必要と考えます。
慢性胃炎の場合、極端な制限は必要ありませんが、症状を有する方の場合(ただし症状の原因は慢性胃炎ではなく、逆流性食道炎だったり、機能性ディスペプシアであったりする場合がほとんどですが)、胃粘膜を刺激する食品(アルコール、コーヒー、紅茶等)や、不規則な食事、喫煙、暴飲暴食等は避けたほうがいいかもしれません。