網脈絡膜炎の症状・原因・治療方法とは?
網脈絡膜炎(読み方:もうみゃくらくまくえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
川原 由宏 医師(川原眼科医院 院長)
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網脈絡膜炎とは
眼球の奥、すなわち網膜や脈絡膜(眼底、後眼部)に起こる炎症を「網膜ぶどう膜炎(網脈絡膜炎)」といいます。眼底発作といって、出血や白斑を伴った網膜血管炎がみられます。
引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/budo_behcet.jsp
網脈絡膜炎の症状
視力の低下、眼のかすみ、まぶしさなどを自覚します。黒い小さなものが飛んでいるように見えること(飛蚊症:ひぶんしょう)もあります。一方で、眼の痛みや充血などの強い眼刺激症状はまれです。
引用:読売新聞社 医療大全
https://yomidr.yomiuri.co.jp/iryo-taizen/archive-taizen/OYTED728/
網脈絡膜炎の原因
網脈絡膜炎は炎症の起こった部位に基づいた病名であり、原因は多岐にわたります。大きく感染症と免疫反応とに分けられます。
感染症には、結核、梅毒、ハンセン病などの細菌、ヘルペスやサイトメガロウイルスなどのウイルス、真菌(カビ)、トキソプラズマなどの原虫、イヌ回虫などの寄生虫による感染などがあげられます。
免疫反応による代表的な疾患としては、サルコイドーシス、ベーチェット病、原田病などがあげられます。このほかにも、各種の自己免疫疾患やその類縁疾患に併発することが知られています。引用:読売新聞社 医療大全
https://yomidr.yomiuri.co.jp/iryo-taizen/archive-taizen/OYTED728/
網脈絡膜炎の治療方法
眼の奥の炎症が強い場合はステロイド薬や免疫抑制薬の全身投与が行われます。一般にステロイド薬の全身投与の場合、副作用ばかりが強調される傾向がありますが、症状にあわせて必要量を適切に使えば大変効果の高い薬です。ステロイド療法は症状の改善にともない徐々に量を減らしていくので、ある程度長期戦となります。ステロイド薬はこのさじ加減がポイントです。