高血圧の症状、原因・治療方法とは?
高血圧(読み方:こうけつあつ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
高橋 宏樹 医師(高橋医院 副院長)
高血圧とは
心臓から送り出された血液が、血管内で示す圧力、つまり、血管の壁を押す力が「血圧」で、これが一定の力以上に高い状態が「高血圧」です。
血圧は水銀柱を何ミリ・メートル(mm)押し上げる力があるか、つまり水銀柱の高さ(mmHg)であらわします(Hgは水銀のこと)。
健康な若い人では120/80mmHg(収縮期血圧/拡張期血圧)くらいです。正常血圧と高血圧の間には明らかな境界はありませんが、
「収縮期血圧が140mmHg以上」か
「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合を
高血圧としています。どちらか一方が上回っていても高血圧です。
高血圧の症状
高血圧そのものでは、自覚症状はないことが多いです。しかし、合併症の危険性が高まっている時には症状があらわれてくることがあります。
例えば、早朝の頭痛や夜の頻尿、呼吸困難、めまい、ふらつき、下肢冷感(足の冷えを感じる)、動悸や、息切れ、手足のむくみなどです。
高血圧の原因
高血圧症のおよそ90%は原因不明 (=本態性高血圧症) です。
本態性高血圧症の場合は明らかな原因がないので、減塩、(肥満があれば)減量、適度な運動、などの一般療法に加えて降圧薬が必要になります。残りの約10%は何らかの原因 (例えば血圧を上昇させるホルモンを作る腫瘍の存在など) によっておこる二次性高血圧症です。
この場合は原疾患の治療 (例えば手術によって前記の腫瘍を取り除く) によって血圧は下がり、降圧薬が必要なくなる場合があります。
高血圧の検査法
高血圧の検査としては、まずは血圧を測定します。血圧の測定は別の日にも行い、数回の測定結果をもとに高血圧であるかどうかを判定します。
血圧測定には診察室で測るものと家庭で測るものとがあります。高血圧の判定では、診察室血圧よりも家庭血圧にもとづくほうが優先されます。家庭血圧は、朝(起床後1時間以内、排尿後、食前)と夜(就寝前)の1日2回測定します。朝・晩とも血圧は 2回測って、その平均の血圧値をとることになっています。
測った血圧値はすべて血圧手帳などに記録しておきましょう。家庭血圧の評価で大切なことは、診断でも治療時においても5~7日間の平均値で判断することです。
高血圧の治療方法
基礎疾患のない方の高血圧では、減塩、運動、肥満是正などの生活習慣を修正する治療法が基本になります。とくに、食塩は血液量を増加させて血圧を上げたり、心臓に負担をあたえたりするので、減塩することが重要です。肥満者における減量は血圧を明らかに下げますし、毎食野菜を多く摂取することも大切です。はじめに薬を使わない治療で血圧のコントロールを試み、改善しなかった場合には薬による治療を開始します。
一方で、基礎疾患のある方(心血管病の危険性が高い、糖尿病、脳卒中、心臓病や腎臓病がある)は、すぐに薬による治療を開始する場合もあります。この場合、高血圧の原因となる病気の治療が基本となります