無月経の症状や原因、治療方法とは?

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無月経とは
定義:月経がない状態をいう. 分類:生理的無月経 初経以前,閉経以後ならびに妊娠,産褥,授乳期における無月経をいう. 病的無月経 性成熟期における月経の異常な停止をいう. 原発(性)無月経 満18歳になっても初経が起こらないものをいう. 続発(性)無月経 これまであった月経が3カ月以上停止したものをいう.ただし, 生理的無月経の場合はこの期間にとらわれない.
引用:日本産科婦人科学会 日産婦誌54巻12号「研修医のための必修知識」 hhttp://www.jsog.or.jp/PDF/54/5412-552.pdf
ドクターの解説無月経の症状
無月経は、原因によっては他の症状を伴ったり伴わなかったりします。例えば、過剰な体毛(男性型多毛症)、声の低音化、筋肉の増加など、男性的な特徴がみられるようになる(男性化)ことがあります。頭痛、視覚障害、性欲の低下などがみられることもあります。妊娠が難しくなる場合があります。無月経の女性のほとんどは、卵巣からの排卵がありません。このような女性は妊娠することができません。 無月経が長期間続くと、閉経に関連して生じる問題と同様の問題が起こることがあります。例えばホットフラッシュ(ほてり)、腟の乾燥、骨密度が低下(骨粗しょう症)、心臓と血管の病気のリスク上昇などです。これらの問題は、無月経の女性ではエストロゲンの濃度が低いために生じます。
引用:MSDマニュアル家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/22-女性の健康上の問題/月経異常と異常な性器出血(不正出血)/無月経
ドクターの解説無月経の原因
無月経の原因としては、 ・卵巣の働きが悪く排卵ができない状態になっている ・卵巣を支配している脳下垂体からの性腺刺激ホルモン、特に黄体形成ホルモン(LH)の律動的分泌の乱れ ・脳下垂体を支配する視床下部の働きの低下(視床下部性) などがあります。 思春期での続発性無月経の原因としては、ストレスやダイエット、激しい運動などによる視床下部性無月経が多いとされています
引用:愛和レディースクリニック http://www.aiwa-ladies.com/menstrual-disorder.html#mensus-amenorrhea2
無月経の検査法
妊娠可能年齢の女児または女性には、まず妊娠検査を行います。妊娠の可能性が否定されたら、診察の結果と疑われる原因に基づいて他の検査を行います。 検査は通常、一定の順序で行い、その過程で原因を特定したり除外したりしていきます。さらなる検査が必要かどうか、またどの検査を行うかは、前の検査の結果により異なります。一般的な検査には以下のものがあります。 ・血液検査により、プロラクチン(上昇を引き起こす病気の確認)、甲状腺ホルモン(甲状腺の病気の確認)、卵胞刺激ホルモン(下垂体や視床下部の機能不全の確認)、および男性ホルモン(男性的特徴の発達を引き起こす病気の確認)を測定する ・CT検査、MRI検査、または超音波検査を用いた腹部および骨盤部の画像検査により、卵巣や副腎に腫瘍がないか確認する ・組織のサンプル(血液検査など)の染色体検査により、遺伝性疾患がないか確認する ・子宮および通常は卵管の画像検査(子宮鏡検査または子宮卵管造影検査— 診断に必要な検査 : 子宮卵管造影検査)により、これらの臓器に閉塞がないか確認する ・ホルモン剤(エストロゲンとプロゲスチン)の使用により、月経の誘発を試みる ホルモン剤で月経が誘発されれば、原因は子宮の病気や経血の排出を妨げる解剖学的異常ではありません。 症状から特定の病気が示唆されていれば、その病気の検査をまず行うこともあります。例えば女性に頭痛や視覚障害がみられれば、脳のMRI検査を行い、下垂体腫瘍がないか確認します。
引用:MSDマニュアル家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/22-女性の健康上の問題/月経異常と異常な性器出血(不正出血)/無月経
ドクターの解説無月経の治療方法
無月経は不妊の原因になるだけでなく、女性ホルモン不足による様々な不調を引き起こしますから治療が必要です。 検査で足りないホルモンを見極め、エストロゲンやプロゲステロン(の働きをするホルモン剤)を性周期のホルモン分泌グラフの状態をまねて服用していきます。(ただし、妊娠を目的とする場合は直接的なホルモン投与はできません。)ホルモン剤に手伝ってもらって身体に性周期を思い出させるという感じでしょうか。 脳が血中のホルモン濃度を監視してコントロールしていることを逆手に取り、外からホルモンを補充することでこのフィードバックシステムを刺激し揺り起こすのです。 この時、もし卵巣でエストロゲンが分泌されていれば子宮粘膜は既に増殖しているので、プロゲステロンの働きをするお薬を服用するだけで生理のような出血が来ます(第1度無月経)。しかし、卵巣機能が停止していてエストロゲンも不足している場合は、エストロゲンとプロゲステロン両方のホルモン剤を服用することになります(第2度無月経)。 視床下部性の無月経の場合、まずは身体とココロを元気にすることが第一です。またホルモン剤のほかに、漢方薬を併用する場合もあります。 無月経の期間が長引けば長引くほど第二度無月経になる可能性は高くなり、治療はより困難になりますから、すみやかに対応しなければなりません。
引用:鶴川台ウィメンズクリニック https://www.tsurukawadai.jp/column/20180507
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