細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)の症状や原因、治療方法について
細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)(読み方:さいきんせいちょうえん(さいきんせいきゅうせいいちょうえん))とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
もりのぶ小児科 森 伸生 医師
目次 -INDEX-
細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)とは
細菌性胃腸炎は食中毒として起こることが多く、夏期は特に注意が必要です。腹痛、下痢が主症状で、嘔吐は原因菌により異なりますが、伴ってもウイルス性胃腸炎よりは軽度なことが多いです。発熱もしばしばみられ、血便をよく伴います
引用:加古川医師会
http://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/no-195-「細菌性胃腸炎」
細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)の症状
頻度が高いのは、鶏卵や食肉につくサルモネラ菌による腸炎で、8~48時間の潜伏期のあと、悪心、腹痛、下痢が出現します。カンピロバクター腸炎もよくみられ、おもに鶏肉が感染源で、かぜのような症状が先行します。腸炎ビブリオは魚介類が原因となることが多く、10~18時間の潜伏期のあと、発症します。細菌がつくり出す毒素によって発症するもの代表がブドウ球菌で、感染経路となる食物はさまざまで、潜伏期間は短時間(1~5時間)です。
O-157はベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌の一種で、汚染された食品や水による経口感染、人から人への感染によります。下痢だけでなく血便もみられるのが特徴で、ベロ毒素により急性腎障害、溶血性貧血をおもな症状とする溶血性尿毒症症候群をおこすこともあります。
細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)の原因
大きく分けて、細菌やウイルスが腸管の粘膜に感染することで発症するものと、細菌がつくり出す毒素によって発症するものがあります。
細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)の検査法
細菌性腸炎の診断は便や腸液を培養して検出する。結果がわかるまで2-3日必要である。 培養の陽性率はあまり高くないため、培養が陰性でも感染性腸炎は否定できない。
引用:日本大腸肛門病学会
http://www.coloproctology.gr.jp/aboutsickness/archives/10
細菌性腸炎(細菌性急性胃腸炎)の治療方法
感染性腸炎は一般的には自然治癒傾向が強いため、治療の原則は対症療法であり、抗菌薬は必要ないことが多い。下痢に伴う脱水には点滴による輸液を行う。
下痢止めや鎮痙薬は腸管内容物の停滞時間を延長し、毒素の吸収を助長する可能性があり原則的には使用しない。整腸剤や乳酸菌製剤は腸内細菌叢を回復させるために投与する。引用:日本大腸肛門病学会
http://www.coloproctology.gr.jp/aboutsickness/archives/10
なお、腸が炎症を起こしているので、腸の動きを止めるタイプの止痢剤は原則不要です。脱水症状が出た場合は、経口補水液の補給も有効です。水分や栄養補給ができます。ただし、症状が重い場合や合併症がある時は入院する必要があります。