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二重歯列の治し方とは?原因や放置するリスクも併せて解説します

 公開日:2026/01/30
二重歯列の治し方とは?原因や放置するリスクも併せて解説します

「歯がガタガタしてきた」「子どもの歯並びが重なって見える」など、二重歯列に気付くと不安に感じる方も多いのではないでしょうか?まずはその原因や状態を知ることが大切です。

本記事では二重歯列の治し方について以下の点を中心にご紹介します。

  • 二重歯列とは
  • 二重歯列の治し方
  • 二重歯列を放置するリスク

二重歯列の治し方について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

中山 雄司

監修歯科医師
中山 雄司(おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺)

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所属先:おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺
出身大学:大阪歯科大学歯科矯正学講座
経歴: 2012年3月 大阪歯科大学卒業
    2018年3月 大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了
    2019年4月 大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教
    2021年4月 大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任
    2024年6月 おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 開院
    2025年1月 大阪歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学)講師(非常勤)
取得資格:日本矯正歯科学会 認定医
所属学会:日本矯正歯科学会/ 近畿東海矯正歯科学会 / 日本舌側矯正歯科学会 / 日本顎変形症学会 / 近畿矯正歯科研究会

二重歯列とは

二重歯列とは
二重歯列とは、本来の歯並びの弧(歯列弓)から外れた位置に歯が生えてしまい、前後に重なって並ぶ状態を指します。歯が生えるスペースが不足すると、前歯が二列のように見えることがあり、これが“叢生(そうせい)”と呼ばれる不正咬合のひとつです。

特に前歯まわりに起こりやすく、犬歯が外側へ突出して見える八重歯も、二重歯列と同じく歯が並ぶスペースが足りないことで生じます。

見た目の問題だけでなく、清掃しにくいことでむし歯や歯周病のリスクが高まるほか、噛む力が十分に発揮できず、食事や発音に影響が出る場合もあります。

二重歯列の原因

二重歯列の原因

二重歯列が起こる背景には、歯の生え方や顎の成長バランスなど、いくつかの要因が関係しています。以下で主な原因を解説します。

顎が小さい

顎の大きさが十分に発達していない場合、歯が並ぶためのスペースが不足しやすくなります。本来の位置に歯が収まりきらないことで、前後にずれて生えたり、重なって生えたりすることで、二重歯列を引き起こす可能性があります。

日本人はもともと顎が小さめの方が多い傾向にあります。顎の大きさに対して歯の本数は変わらないため、スペースが足りなくなると歯列の乱れが生じやすくなります。

乳歯の影響

乳歯の状態は、後から生えてくる永久歯の並びに関わります。特に乳歯にむし歯や根尖病巣があると、永久歯が本来の位置に生えてこられず、横や内側、外側など、本来とは異なる位置から生えてきてしまうことがあります。その結果、歯が前後に重なり、二重歯列の原因となることがあります。

また、むし歯や外傷によって乳歯が早く抜けてしまう場合にも注意が必要です。乳歯が早期に失われると、その空いたスペースに隣の歯が倒れ込んだり移動したりし、永久歯のための場所が不足します。スペースが足りなくなった永久歯は歯列から外れて生えやすくなり、歯が重なってしまう状態につながることがあります。

遺伝的な要因

二重歯列は、生まれつき受け継いだ骨格や歯のサイズが影響して起こる場合があります。家族のなかに歯並びが乱れやすい方がいると、顎が小さい、歯が大きいなどの特徴が子どもにも現れやすく、歯が並ぶスペースが不足しやすくなります。その結果、永久歯が本来の位置に収まりきらず、重なって生えてしまうことがあります。

また、見た目ではわかりにくい発育傾向も遺伝することがあり、気付かないうちに歯列が乱れやすい状態になっている場合もあります。家族に同じような歯並びの問題がある場合は、早期に歯科医院でチェックを受けることで、必要な対策や治療を検討しやすくなるでしょう。

二重歯列の治し方

二重歯列の治し方

二重歯列を改善するためには、状態に合わせて正しい治療方法を選ぶことが大切です。
以下では、二重歯列の治し方について詳しく解説します。

二重歯列の治し方①歯列矯正治療

ワイヤー矯正(ブラケット矯正)

ワイヤー矯正は、歯の表面に小さなブラケットという装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を少しずつ動かしていく歯列矯正方法です。適応範囲が広いため、二重歯列のように歯が重なっているケースでも対応しやすいのが特徴です。

表側に装置をつける方法ですが、見た目が気になる方には透明のブラケットを使うことで目立ちにくくする選択肢もあります。また、装置を裏側につける“舌側矯正”や、上は歯の裏側に、下は歯の表側に付ける“ハーフリンガル矯正”など、生活スタイルや希望に合わせた方法を選ぶことも可能とされています。

一方で、ワイヤーや装置の存在感が気になる場合は注意が必要です。それでも、歯を細かくコントロールできるため、二重歯列の改善には有効な治療法のひとつといえるでしょう。

マウスピース型矯正

マウスピース型矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を少しずつ動かしていく方法で、装置が目立ちにくいのが特徴です。見た目を気にせず歯列矯正を進めたい方に向いており、軽度の二重歯列であればマウスピース型矯正だけで改善が期待できる場合があります。

取り外しができるため清掃しやすく、普段の生活への負担も少ない治療法です。ただし、1日20時間以上の装着が必要となるため、自己管理が重要になります。また、抜歯が必要なケースや歯の移動量が大きいケースでは、マウスピースだけでは十分な効果が期待できないこともあり、その場合は追加の処置や別の歯列矯正方法が検討されます。

部分矯正

二重歯列であっても、乱れが特定の箇所に限られている場合は部分矯正で対応できることがあります。例えば、前歯の重なりだけを整えたい場合や、奥歯の噛み合わせに問題がない場合など、全体矯正を行わなくても改善が見込めるケースが挙げられます。

部分矯正では、気になる範囲に必要な装置だけを装着するため、治療期間の短縮が期待でき、費用面の負担も抑えられるというメリットがあります。目安としては半年〜1年ほどで治療が完了することが多いとされています。

ただし、部分矯正は万能ではなく、噛み合わせのズレや歯列全体のバランスが関係する場合には適用できません。見た目だけの改善を優先すると、かえって噛みにくさや後戻りの原因になることもあるため注意が必要です。

歯列弓の拡大

歯列弓の拡大は、専用の装置を使って顎の幅を広げ、歯が並ぶためのスペースを確保する治療法です。基本的に成長期のお子さんに行われることが多いです。

顎の幅が広がることで歯列が整いやすくなるため、二重歯列の原因がスペース不足である場合におすすめです。ただし、拡大量には限界があること、拡大し過ぎた場合、安定しないことなどから、歯列弓の拡大が向いているかどうかは歯科医師の慎重な判断が必要です。

二重歯列の治し方②抜歯

前述のとおり、歯が重なって生えてしまう理由のひとつに、顎のスペース不足が挙げられます。このスペースの問題が深刻な場合、歯をきれいに並べるための空間をつくる目的で抜歯が必要になることがあります。抜歯を行う場合は、前から4番目、5番目に位置する小臼歯を抜いてスペースをつくり、歯列矯正治療で全体の位置関係を整える流れになります。

乳歯が残った状態で永久歯が生えてきた場合は、乳歯を抜くことで自然に歯が並びやすくなることもあるとされています。
しかし、永久歯を抜くかどうかは慎重な判断が必要で、レントゲンや歯列の状態を詳しく分析したうえで決定されます。

抜歯を伴う治療は、歯を大きく動かす必要があるため治療期間が長くなることがありますが、重度の二重歯列は根本的な改善につながる方法とされています。見た目の改善だけでなく、噛み合わせ全体の調和を取るためにも重要な選択肢の一つといえるでしょう。

二重歯列を放置するリスク

二重歯列を放置するリスク

ここまで、二重歯列の原因や治療法についてご紹介してきました。
以下では、二重歯列を放置するリスクを解説します。

むし歯や歯周病になりやすい

二重歯列は歯が重なり合っているため、歯ブラシが届きにくい部分が生じやすく、汚れが残りやすいとされています。清掃が不十分な状態が続くと、プラークがたまってむし歯や歯周病の発症リスクが高まります。

特に歯と歯のすき間や段差には食べかすが停滞しやすいため、通常の歯ブラシだけでは汚れを落としきれないこともあります。そのため、フロスや歯間ブラシ、先端が小さいブラシを併用して、細かい部分まで丁寧に清掃することが重要です。

さらに、セルフケアだけでは取りきれない汚れもあるため、歯科医院で定期的にクリーニングを受けることでお口のトラブルを予防しやすくなります。歯を守るためにも、正しいケアと定期的なチェックを心がけましょう。

噛み合わせが悪くなりやすい

二重歯列は、歯が前後にずれて生えているため、上下の歯が正しく噛み合いにくくなります。噛み合わせが乱れると、食べ物を細かく噛みにくい、発音がしにくいなど、日常生活のさまざまな場面で不便を感じやすくなります。

また、咀嚼が十分に行えない状態が続くと、胃腸に負担がかかりやすくなることもあります。二重歯列を放置していると、見た目の問題だけでなく、機能面のトラブルにもつながりやすいため、気になる場合は早めに歯科医院での相談が大切です。

顎関節症になりやすい

二重歯列の状態が続くと、噛み合わせが安定せず、顎の関節に余計な力がかかりやすくなります。顎関節症は、歯列の乱れだけでなく、顎の構造や歯ぎしり、食いしばりなどさまざまな要因が重なって発症すると考えられています。お口が開きにくい、開閉時に音がするなどの症状は、顎関節に負担が蓄積している可能性があります。

特に前歯の位置が前後に重なっている場合、噛む際の動きがスムーズに行えず、顎の可動域が狭くなることがあります。その結果、左右の関節にかかる力のバランスが崩れ、顎関節症のリスクが高まることがあります。症状が進むと、肩こりや頭痛など全身への影響につながるケースもあります。

見た目の問題

二重歯列は前歯部に起こりやすく、口元の印象に影響を与えやすい症状です。歯が重なって見えることで、笑ったときや会話中に歯並びが気になり、口元を隠す癖がついてしまう方もいます。人前で大きくお口を開けにくくなり、表情が硬くなることにつながる場合もあります。

特に成長期の子どもや思春期の年代では、外見への意識が高まる時期のため、歯並びの悩みが自信の低下や対人関係の不安に結びつくことがあるとされています。

放置してもいい二重歯列の症例

放置してもいい二重歯列の症例

お子さんの前歯が二重になって見える場合でも、状況によっては経過観察で問題ないことがあります。例えば、乳歯が揺れ始めており、自然に抜ける時期が近い場合は、永久歯が正しい位置へ移動する余地が残されているため、急いで治療する必要はない可能性があります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで二重歯列の治し方についてお伝えしてきました。二重歯列の治し方についての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 二重歯列とは、本来の歯並びの弧(歯列弓)から外れた位置に歯が生えてしまい、前後に重なって並ぶ状態を指す
  • 二重歯列の治し方には、抜歯矯正などがある
  • 二重歯列を放置するリスクには、むし歯や歯周病になりやすいこと、噛み合わせが悪くなりやすいこと、顎関節症になりやすいこと、見た目への問題が生じること、発音への影響があることが挙げられる

二重歯列は見た目だけでなく、むし歯や歯周病、噛み合わせの乱れなど、将来的なトラブルにつながることもあります。原因やリスクを正しく理解し、必要なタイミングでの対応が大切です。気になる症状がある場合は、一度歯科医院で状態を確認してもらい、自身に合った治療方法を相談してみてください。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師

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