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八重歯の部分矯正ができない例とは?部分矯正のメリットやデメリットも解説

 公開日:2026/02/02
八重歯の部分矯正ができない例とは?部分矯正のメリットやデメリットも解説

八重歯の治療で、部分矯正を検討される方も多いのではないでしょうか?限られた範囲の歯を動かす部分矯正は、費用や期間を抑えられる反面、適用できる症例には限りがあります。

本記事では、以下の点を中心にご紹介します。

  • 部分矯正のメリットとデメリット
  • 八重歯に部分矯正が適用できるかどうか
  • 部分矯正ができないケースとその理由

八重歯の治療を検討している方にとって、適切な治療方法を見極めるためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

宮島 悠旗

監修歯科医師
宮島 悠旗(歯科医師)

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・出身大学
愛知学院大学歯学部
・経歴
2005年 愛知学院大学卒業 歯科医師免許取得
2006年 東京歯科大学千葉病院 臨床研修医修了
2006年 東北大学大学院歯学研究科 口腔発育学講座 顎口腔矯正学分野 入局
2010年 東北大学大学院歯学研究科 口腔発育学講座 顎口腔矯正学分野 卒業 歯学博士取得
2011年 東北大学大学院歯学研究科 口腔発育学講座 顎口腔矯正学分野 助教就任 
日本矯正歯科学会認定医取得
2014年 宮島悠旗ブライトオーソドンティクス開業
2017年 著書『国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”-世界で活躍する人の「デンタルケア」-』出版(幻冬舎)
2021年 著書『歯並び美人で充実人生:幸せを呼ぶゴールデンスマイル』出版(合同フォレスト)
2022年 (株)オーティカインターナショナル/オーティカプロモーション myobrace® 認定講師就任
・資格
歯科医師免許、歯学博士(東北大学)、日本矯正歯科学会認定医
・所属学会 ほか
日本矯正歯科学会所属、invisalign® DIAMOND Status、 myobrace® 認定講師

部分矯正について

部分矯正について

部分矯正のメリットは何ですか?

部分矯正の主なメリットは、治療範囲が限定されていることによる負担の軽減です。歯列全体ではなく、前歯など気になる一部の歯だけを動かすため、治療にかかる期間が短く済む傾向があります。症例によっては、数ヶ月から1年前後で終了するケースもあるとされています。

また、動かす歯の本数が少ない分、費用を抑えられる点も特徴です。さらに、全体矯正と比べて使用する装置が目立ちにくく、治療中の見た目への配慮も可能とされています。

このように、短期間・低コスト・審美性などの要素が、部分矯正のメリットといえるでしょう。ただし、あくまで適応範囲が限られているため、まずは歯科医院での専門的な診断が必要です。

部分矯正のデメリットは何ですか?

部分矯正のデメリットとして挙げられるのは、歯並びや噛み合わせ全体に影響を及ぼすような調整ができないことです。

例えば見た目だけを整えても、奥歯の噛み合わせが不安定なままだと、顎関節への負担が増したり、再度歯がずれてくる可能性があります。また、動かす歯の本数が少ないために、歯の移動方向に制限がかかり、理想的な位置に調整できない場合もあります。
さらに、部分矯正で無理に歯を動かすことで、歯根に過度な負担がかかり、歯の寿命を縮めるリスクも考えられます。

見た目だけでなく、長期的な噛み合わせや健康も含めた総合的な判断が求められるのが、部分矯正の難しさともいえるでしょう。

八重歯は部分矯正で治療できる?

八重歯は部分矯正で治療できる?

八重歯について教えてください

八重歯とは、歯が生えるスペースが足りずに犬歯(糸切り歯)が本来の位置から外れて生えてしまう状態を指します。
歯列の外側に飛び出したような見た目になることが多い傾向にあり、見た目の印象に影響するほか、歯磨きが行き届きにくいため、むし歯や歯周病のリスクも高くなるとされています。

また、咀嚼や発音に支障をきたす場合もあり、単なる見た目の問題にとどまらないケースも存在します。
八重歯は顎の大きさや歯のサイズ、歯の生える順序などさまざまな要因が関係して生じるため、根本的な改善には歯列全体のバランスを見て判断する必要があります。

見た目を整えるだけでなく、機能面でもトラブルが起きている場合は、治療の方法も慎重に選ぶことが重要です。

八重歯の部分矯正ができる例を教えてください

八重歯でも、軽度の症例であれば部分矯正で対応できることがあります。

例えば、犬歯の位置のずれがわずかで、周囲の歯並びや噛み合わせに大きな問題がない場合には、前歯の一部だけを動かす治療が可能とされています。なかでも、歯の移動スペースがすでに確保されており、抜歯などの処置を必要としないケースでは、スムーズに治療が進む可能性があります。

また、過去に歯列矯正治療を行ったものの、後戻りして軽度の八重歯が再発したような場合にも、部分矯正が選択されることがあります。

ただし、見た目の改善だけを目的とする場合でも、周囲の歯や顎とのバランスを無視してしまうと、将来的に別の歯列トラブルを招く恐れがあります。そのため、事前の精密な診断は欠かせません。

部分矯正ができない例

部分矯正ができない例

八重歯の部分矯正ができない例を教えてください

八重歯のなかでも、歯のズレが大きくスペース不足が深刻な場合は、部分矯正では対応できないことがあります。
特に犬歯が大きく外側に飛び出しているケースでは、周囲の歯を大きく動かさなければならず、限られた歯だけを動かす部分矯正では治療が困難とされています。

また、歯の移動に必要なスペースを確保するために抜歯が必要な場合もありますが、部分矯正では基本的に非抜歯が前提となるため、抜歯を伴う治療が必要な八重歯は対象外となることが多いとされています。
さらに、上下の噛み合わせにズレがある場合には、見た目を整えるだけでは機能的な問題が解決されません。

このように、見た目だけで判断するのではなく、歯列全体と噛み合わせのバランスを含めて総合的に判断する必要があります。

出っ歯の部分矯正が難しい理由を教えてください

出っ歯(上顎前突)は、上の前歯が前方に突出している状態で、原因は歯の傾きによるものだけでなく、上顎自体の骨格的な前突が関係していることもあります。部分矯正では前歯のみを動かしますが、骨格的な要因がある場合には、全体的なバランスを見て歯列や顎の位置を調整する必要があるため、限られた範囲だけで改善するのは困難とされています。

また、前歯を大きく後方に動かすには、歯を支える骨の厚みや移動スペースの問題が伴います。部分矯正ではそうした骨格的制約や周囲の歯の位置関係を十分に考慮できないため、理想的な仕上がりに到達しにくく、治療後に後戻りや噛み合わせの乱れを生じることもあります。見た目だけの改善ではなく、機能面も視野に入れた治療が必要です。

開咬や過蓋咬合の部分矯正が難しい理由を教えてください

開咬とは、奥歯で噛んでも前歯が噛み合わない状態で、過蓋咬合は逆に、上の前歯が深くかぶさって下の前歯を覆い隠してしまう噛み合わせのことです。
いずれも噛み合わせ全体に関わる問題であるため、部分的な歯の移動だけでは根本的な改善にはつながりにくいのが実情です。

部分矯正は主に前歯の軽微なズレの調整に用いられるため、上下の顎の位置関係や歯列全体の高さのコントロールが求められる開咬・過蓋咬合のような症例には対応ができないとされています。
無理に部分矯正で対応しようとすると、逆に噛み合わせが悪化したり、ほかの歯に負担がかかったりするリスクもあります。これらの咬合異常には、全体矯正を含めた包括的な治療方針が必要とされています。

受け口の部分矯正が難しい理由を教えてください

受け口(反対咬合)は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態で、骨格的な原因が関与することも多いとされる噛み合わせの問題です。

歯並びだけでなく上下の顎の成長バランスに問題があることが多いとされており、単純に前歯を部分的に動かすだけでは十分な改善が見込めません。 なかでも、成長期の子どもで骨格の発育途中にある場合は、将来的な顎の成長も見越した治療計画が求められます。

一方、成人であっても、顎の骨格のずれが大きいと外科手術を併用する”外科矯正”が必要になる場合もあります。

部分矯正は基本的に軽度の歯列不正に限定されるため、受け口のように噛み合わせ全体に影響を及ぼす症例には適していません。

むし歯や歯周病があると部分矯正できないのはなぜですか?

むし歯や歯周病などの口腔トラブルがある状態では、そもそも歯列矯正治療を開始できません。
特に部分矯正は歯の移動により力が加わるため、歯周組織が不安定だと、歯が動かないどころか悪化する恐れがあります。歯周病により歯を支える骨がすでに吸収されている場合には、歯の動揺が強くなるなどのリスクがあるため、治療が困難です。

また、むし歯があると装置の装着が難しく、治療中にさらなるむし歯進行のリスクも生じます。歯列矯正治療は健康な口腔環境が前提となるため、事前にすべての治療を済ませてから歯列矯正に移行する必要があります。

部分矯正であっても、安易にスタートせず、まずは口腔内の健康状態を整えることが重要です。

部分矯正ができない場合の治療法を教えてください

部分矯正が適用できない場合でも、全体矯正やマウスピース型矯正など、ほかの治療法を検討できるとされています。
歯列全体のバランスを整える全体矯正であれば、顎の骨格や噛み合わせの問題にも対応できるため、幅広い症例に対応できるとされています。固定式のワイヤー矯正や透明なマウスピース型矯正装置など、装置の種類も選べる点が利点です。

また、むし歯(カリエス)や歯の形態異常が認められる場合に限り、歯の色や形態を整える目的で、ラミネートベニアやクラウンなどの補綴処置が検討されることもあります。
これらの治療は歯を削る処置を伴うため、健全な歯に対して行うものではなく、適応の有無を慎重に判断する必要があります。

ただし、これらは歯を削る処置を伴うため、長期的な視点でのメリット・デメリットを理解したうえで選択することが大切です。歯科医師によるカウンセリングを受けることで、自身の症例に適した治療法が明確になるでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで八重歯の治療における部分矯正の適用可否や注意点についてお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 部分矯正には治療期間や費用を抑えやすいというメリットがある一方で、噛み合わせ全体を調整することは難しいというデメリットもある
  • 軽度な八重歯で歯列や噛み合わせに問題がない場合には部分矯正が可能だが、歯のズレが大きいケースやスペースが不足している場合は対象外となることがある
  • 出っ歯、開咬、過蓋咬合、受け口などの骨格的な要因を含む症例や、むし歯・歯周病がある口腔環境では部分矯正は適さず、全体矯正などの別の方法が必要になることがある

見た目だけでなく、機能性や健康面も含めた治療選びが重要です。気になる症状がある場合は、まず専門の歯科医師に相談し、適切な治療計画を立てることから始めてみましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師

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