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親知らずの手術費用はどのくらい?親知らずの手術を受けるメリットや手術の流れまで詳しく解説

 公開日:2023/06/08
お金

親知らずの手術はどのくらいかかるかご存じですか。

手術と聞くと高額なイメージがあり、中々親知らずの手術を決断できない方もいるのではないでしょうか。しかし、親知らずの手術は一般的に保険適用となるため3割の自己負担で受けられます。

親知らずは放っておくと虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、歯科医による適切な治療が必要です。

そこで、本記事では親知らずの手術費用・手術を受けるメリット・手術の流れまで詳しく解説します。

酒向 誠

監修歯科医師
酒向 誠(酒向歯科口腔外科クリニック)

親知らずの手術費用はどのくらい?

費用

親知らずの手術は抜歯といって歯を抜く手術を行います。親知らずの手術費用は、手術を受ける歯の数病気の程度・歯科医の選択などによって異なります。また、親知らずの手術が保険適用になるかどうかも影響するので、歯科医に確認しましょう。
親知らずが他の歯と同じように真っすぐ生えている場合、費用が抑えられる場合が多いです。ですが、親知らずが横向きに生えていたり、顎の骨に埋まったりしている場合には追加で処置が必要になるため費用が高額になることがあります。
親知らずの手術を受ける時には、歯科医による歯の検査・手術計画の立案・手術・治療後のケアなどが必要であり、それらに伴う費用もかかります。
病院によっては、治療費用の見積もりや支払いプランを提供してくれるため、詳細は歯科医に相談して確認しましょう。

保険適用の場合

一般的に、親知らずの手術は保険適用の歯科手術とされています。
保険適用の手術のため診療報酬の点数が定められており、保険診療を行っている歯科医であればどこで治療を行っても、親知らずの手術費用は同じくらいです。
診療報酬の点数は手術方法によって定められており、歯の位置・生え方・神経に近いかどうかが影響します。
親知らずの手術は保険適用の手術ですが、民間の保険会社の手術給付金は支払い対象外となることが多いです。場合によっては、手術給付金が支払われることもあるようなので、詳細は自身が加入している保険会社に確認しましょう。
また、手術給付金請求が可能な場合は必要な書類を用意し、保険会社に申請しなければなりません。申請に必要な書類や手順については、保険会社に確認をすることが必要です。歯科医によっては、保険申請の手順などもサポートしてくれることもあります。
保険適用については歯科医に相談することで、保険適用に関するアドバイスをもらうこともできます。

保険適用外の場合

親知らずの手術が保険適用外となるのは、矯正治療のために抜歯を行う場合です。
親知らずを原因として歯肉が腫れていたり、虫歯があったりする場合には一般的には保険適用となるため3割の自己負担です。
しかし、矯正が目的だけの場合には保険適用外となるため治療費は全額自己負担となり、費用は高額になる可能性があります。
保険適用外の場合には治療費が高額となりやすいため、病院や歯科医によっては治療費用の支払いプランを提供してくれることもあります。歯科医と相談して、無理のない支払い方法を選択しましょう。

親知らずの手術を受けるメリット

メリット
親知らずの手術を受けるメリットとして、主に次の2つがあります。

  • 虫歯や歯周病の予防
  • 親知らずがあると歯磨きがしにくくなり、歯に汚れが溜まりやすくなります。親知らずの手術を受けしっかりと歯磨きが行えるようになることで、虫歯や歯周病を予防できます。

  • 小顔になる
  • 親知らずの手術を行うと、小顔になることがあります。親知らずを抜くことで、骨が痩せるからです。もちろん全ての方に効果があるわけではなく、個人差があります。

虫歯・歯周病予防になる

虫歯や歯周病は日常的な歯の健康維持が予防に繋がります。日常的な歯の健康維持として、歯磨き定期的な歯科検診を心掛けましょう。
歯磨きは、歯垢や食物の残留物を取り除くことで虫歯を防ぐ効果があります。定期的に歯科医を受診することで歯や歯肉の状態を確認し、早期治療に繋がります。
歯周病の予防には、歯と歯肉の健康維持が重要です。歯周病は、歯肉の炎症や歯周組織の炎症が原因で発症するため、歯肉の健康維持に力を入れることで歯周病を予防できます。
虫歯や歯周病の予防には、歯科医や歯科衛生士などの専門家と協力し、日常的な歯の健康維持に力を入れることが大切です。

小顔になる場合もある

頬を抑える女性
親知らずの手術を受けることで、小顔効果を得られる場合があります。これは親知らずを抜くことで、顔の骨構造が変化するからです。
小顔効果は全ての方に表れるわけではなく、次に当てはまる方は小顔効果を実感しやすいといわれています。

  • 上顎の歯が多く欠けている
  • 顎の骨が萎縮している
  • 頬骨が張っている
  • エラが張っている

親知らずの周りの骨が硬くなる前に抜歯すると骨が痩せやすく、すぐに小顔効果を感じやすいです。すぐに小顔効果を得るためには20歳前後に親知らずの手術を行うと良いでしょう。
小顔効果は個人差があり、歯を取ることで得られる小顔効果は限られています。手術前には歯科医に相談し、手術が必要かどうか検討することが大切です。

親知らずを放置するリスク

デメリット
親知らずを放置するリスクのうち、最も重要なものは次の2つです。

  • 炎症の悪化
  • 親知らずを放置すると、口腔内の炎症が悪化する可能性が高くなります。口腔内の炎症は、心疾患・糖尿病・高血圧など全身の病気を引き起こすことがあります。そのため、早期に治療することが重要です。

  • 口腔環境の悪化
  • 親知らずがあると十分に歯磨きが行えないため、口腔環境が悪化します。口腔環境の悪化は虫歯や歯周病のリスクを高めるため、虫歯や歯周病になる前に適切な治療が必要です。

炎症が悪化する

炎症とは、免疫細胞によって引き起こされる反応のことです。炎症は、細菌やウイルスなどの感染細菌に対して、攻撃を仕掛けることで自分の身体を守ります。
しかし、炎症は悪化すると免疫細胞が過剰に反応し、自分の細胞を攻撃してしまうことがあるのです。
例えば親知らずの炎症が悪化すると口腔内の炎症が全身に広がり、心臓病糖尿病など全身の病気を引き起こすことがあります。
口腔内の炎症の悪化は全身にも影響するため、早期に治療を受けることが重要です。

口腔環境の悪化につながる

口腔環境の悪化とは、口腔内の感染細菌が増え環境が乱れることです。
親知らずがあると十分に歯磨きを行えないため歯垢や食物の残留物が溜まり、細菌が繁殖します。その結果、口腔内の炎症が広がり、歯周病虫歯のリスクが高くなるのです。
また、口腔環境の悪化は口腔の病気だけでなく、全身の健康にも影響を与えることが知られています。
正常な口腔の環境を保つためには、歯磨きや定期的な歯科受診など日常的な歯の健康維持が重要です。

実際の親知らずの手術の流れ

患者目線
親知らずの手術の流れは、次のようになります。
歯科医による診断・カウンセリング
レントゲン撮影や口腔内の状態を確認し、手術が必要かどうかを決定します。手術が必要な場合にはカウンセリングを行い、手術方法や手術後の予後についての説明が行われます。
麻酔
手術前に麻酔を挿入し、痛み出血を軽減します。
抜歯
歯医者が親知らずを取り除きます。
治療後のケア
手術後は抜歯部に異常はないか、状態確認を行います。

カウンセリング

カウンセリングとは、手術方法や手術後の予後についての説明を行うことです。カウンセリングを行うことで、患者さんがより詳細に手術への理解を深められ、安心して手術に臨めます。
手術前には手術に必要な検査や準備についての説明を行い、手術後には口腔ケアや歯科医への診察の回数などについての説明を行います。
親知らずの手術にあたり、不安や疑問がある場合にはカウンセリングの時に歯科医へ相談するとよいでしょう。

抜歯

抜歯とは、歯を抜くための手術です。親知らずの状態や抜歯後の治療方法によって抜歯方法が異なります。抜歯手術は麻酔を使って行われます。
手術後は痛みや出血を抑えるために薬が処方されるので、きちんと服薬しましょう。

状態確認・メンテナンス

歯医者さんの風景
抜歯後は次のような症状が表れることがあります。

  • 腫れる
  • 出血
  • 麻痺やしびれ

このような症状は数日から数週間で治まることがほとんどです。ですが、中々症状が治まらないこともあるため、手術後は術部の状態確認を行うことが重要です。時に、ドライソケットといって抜歯した箇所の骨が露呈した状態となり、常に痛みを感じることがあります。この場合、抜歯した箇所の消毒が必要です。それでも症状が改善しない場合には、再度手術が必要になります。

抜糸

抜糸とは手術に使用した糸を、術後一定期間が経ってから取り除くことです。
親知らずの手術の場合、手術後に歯茎を閉じるために糸を使用します。この糸を取り除くことで、歯茎の癒合が促されます。
抜糸は通常、手術後1週間から2週間後に行われます。抜糸は簡単な作業で、口腔内に痛みや痛みは感じないことが多いです。

親知らずの手術が必要ない場合も

歯磨き女性
親知らずが綺麗に生えていて歯磨きに支障がなかったり特に問題がなかったりする場合には親知らずの手術が必要でないこともあります。
しかし、今は問題がなくても徐々に支障が出てくる場合もあるため、定期的に歯科検診へ行くようにしましょう。
また手術が必要かどうか自己判断はせず、歯科医を受診し正確な診断を受けるようにしましょう。

親知らずの手術費用が高額になるケース

一万円
親知らずの手術費用が高額になるかどうかは、歯の位置親知らずの向きが影響します。
例えば、親知らずが真横になって深く埋まっている場合は手術費用が高額になります。これは、手術時間や手術の難易度が高くなるためです。
親知らずの手術に使用する材料や機器も手術費用に影響します。例えば、従来のシングルコーン方式と比較して、最新の技術を使用したマルチコーン方式は手術費用が高くなることがあります。
また、親知らずの手術が保険適用外の場合も、手術費用は高額になることがあるため歯科医に確認しましょう。

親知らずが横向きになっている

親知らずが横向きになっている場合、同じ抜歯でも診療報酬の点数が高く定められているため、手術費用が高額になります。
横向きになっている親知らずを抜歯するためには、歯茎を切開して歯と骨の一部分を削り取り、分割しながら抜歯を行います。
横向きに生えている親知らずはまっすぐ生えている歯に比べ必要な処置が多いため、抜歯が難しいといわれています。

親知らずの大部分が埋まっている

親知らずが大部分が埋まっている場合も横向きに生えている場合と同様に、他の抜歯の手術に比べ診療報酬の点数が高く定められています。そのため、手術費用が高額となります。
親知らずの大部分が埋まっている場合、親知らずの上に被っている歯肉を切開しなければなりません。また、親知らずが大部分が埋まっている場合にも骨や歯を削ったりする必要があります。
手術費用に不安がある場合、事前に手術費用について歯科医へ確認しておくとよいでしょう。

親知らずの手術を検討している方は歯科医に相談を

入れ歯
親知らずの手術を検討している方は、まずは歯科医に相談しましょう。歯科医に相談することで、自分に合った手術方法や費用などについてアドバイスを受けられます。
親知らずは場合によっては手術が不要なこともあります。しかし、自己判断することは危険であるため、歯科医に親知らずの状態を確認してもらうとよいでしょう。
また、手術費用や保険の適用についても歯科医に相談することで、事前に金銭面の不安を解消できます。
親知らずの手術は、歯科医からアドバイスを受けることでスムーズに手術を受けられ、術後の経過も良好となりやすいです。
親知らずの手術について迷ったら歯科医に相談し、親知らずの手術についての詳細な説明を受けることで、手術を受けることが最適な選択だと確信するできます。

編集部まとめ

歯科医師

親知らずの手術費用について解説しました。

親知らずの手術は一般的には保険適用となるため、3割の自己負担で受けられます。治療費は歯の位置や生え方が影響し、奥歯や真横になっている親知らずを抜歯する場合には高額となることがあります。

治療費については、事前に歯科医へ相談しておくと安心して手術に望めるでしょう。本記事が親知らずの手術で悩まれている方にとって、少しでもお役に立てましたら幸いです。

この記事の監修歯科医師