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小児矯正におけるMFT(口腔筋機能療法)とは?歯並びとの関係や役割を解説

 公開日:2026/02/22
小児矯正におけるMFT(口腔筋機能療法)とは?歯並びとの関係や役割を解説

お子さんの歯並びについて、「このままで問題ないのか」「将来、歯列矯正が必要になるのではないか」と不安を感じる方は少なくないでしょう。歯並びは舌や唇、頬の使い方、口呼吸などの口腔機能とも深く関係しています。

小児矯正の分野では、歯を動かす治療に加えて、口腔機能に着目したMFT口腔筋機能療法)が注目されています。MFTは、舌や口周りの筋肉を正しい位置や動きに導くトレーニング法です。

本記事では、MFTの基本的な考え方や小児矯正との違い、歯並びとの関係についてわかりやすく解説します。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

小児矯正におけるMFT(口腔筋機能療法)について

歯ブラシを持って笑う男の子

MFT(口腔筋機能療法)とはどのような治療・トレーニングですか?

MFTは、舌や唇、頬などの口腔周囲筋を正しく使えるようにすることを目的としたトレーニングです。歯を直接動かす治療ではありません。噛む、飲み込む、話すといった日常的な動作のなかで、お口の筋肉が適切に働く状態を目指します。成長期の子どもは、口呼吸や舌の癖などが定着しやすい時期です。こうした習慣が続くと、歯並びや顎の成長に影響を及ぼす可能性があると指摘されています。MFTは、これらの癖や機能の乱れに気付き、改善を促す手段の一つとして位置づけられています。

MFT(口腔筋機能療法)は何歳からできますか?

MFTに明確な開始年齢の決まりはありませんが、おおむね4歳から6歳頃を目安に開始できるとされています。この時期は、指示を理解して簡単なトレーニングに取り組めるようになり、舌や唇の動きを意識しやすくなるためです。ただしお子さんの発達段階や口腔機能の状態によって異なるため、まずは相談してみましょう。口呼吸や舌突出癖、低位舌などの口腔機能異常がみられる場合は、年齢がやや低くても生活習慣の改善指導から始めることがあります。MFTは、不正咬合そのものを直接治す治療ではありませんが、歯列や顎の健全な発育を支える基盤づくりとして、成長期に行う意義が大きいと考えられています。そのため、開始時期については年齢だけで判断するのではなく、歯科医師による評価を受けたうえで、無理のない内容から段階的に取り入れていくことが重要です。

MFT(口腔筋機能療法)の効果を教えてください。

MFTでは、舌の正しい位置の獲得や嚥下、口唇閉鎖などの機能改善を図ります。これにより、歯列に加わる不要な力が軽減され、歯並びが乱れにくい環境が整いやすくなると考えられています。特に、舌突出癖や口呼吸などの口腔習癖がある場合、改善効果が期待できるでしょう。また、小児期にMFTを取り入れることで、顎や口腔機能の健全な発達をサポートできる点も重要な効果の一つです。成長期は筋機能の影響を受けやすいため、早期に機能の見直しを行うことで、将来的な歯列矯正の治療の負担軽減につながる可能性があります。さらに、歯列矯正の治療と併用する場合には、治療後の歯列の安定性を高め、後戻りリスクを抑える役割も期待されています。MFTは歯を直接動かす治療ではありませんが、歯並びを支える土台を整える重要なアプローチといえるでしょう。

MFT(口腔筋機能療法)によるデメリットはありますか?

MFTは、外科的処置を伴わないため、身体への負担が少ないとされています。一方で、短期間で大きな変化を期待しにくい点や、継続が必要である点は注意が必要です。歯列矯正の治療や生活習慣の見直しと組み合わせて行うことが重要と考えられています。自宅でのトレーニングが基本であり、小児のMFTはお子さんの理解力や協力が必要です。正しく治療を継続するためには保護者の管理や指導も重要になり、負担となることもあります。また、MFTは一般的に自由診療で保険適用外となるため、長期間の治療が必要となるケースでは経済的にも負担が大きくなります。

小児矯正とMFT(口腔筋機能療法)の違いと歯並びの関係

床矯正装置を持つ子供

小児矯正とMFT(口腔筋機能療法)にはどのような違いがありますか?

小児矯正MFT口腔筋機能療法)の大きな違いは、治療の目的とアプローチ方法にあります。小児矯正は、歯列や顎の成長を利用しながら、歯並びや噛み合わせを物理的に整える治療です。矯正装置を用いて歯や顎骨に力を加え、不正咬合の改善を目指します。一方MFTは、舌や唇、頬などの口腔周囲筋の機能を整えるトレーニングです。歯を動かす治療ではなく、舌の位置や嚥下、口唇閉鎖といった口腔機能を見直すことで、歯並びに悪影響を及ぼす要因の改善を目的としています。このように両者は役割が異なる治療方法です。成長期の小児矯正では、口腔機能の問題が不正咬合の一因となっているケースも多くみられます。そのため、歯列矯正の治療とMFTを併用することで、治療効果の安定や後戻りリスクの軽減につながると考えられています。

MFT(口腔筋機能療法)は歯並びにどのように関係しますか?

歯は、唇や舌、頬から常に力を受けています。舌で前歯を押す癖や、お口が常に開いている状態が続くと、歯並びが乱れやすくなります。MFTは、このような口腔周囲筋の使い方や力のかかり方を見直し、歯列が安定しやすい口腔内環境を整えることを目的としたトレーニングです。矯正治療と併せて行うことで、治療後の歯並びが維持されやすい状態を目指す役割を担うと考えられています。

MFT(口腔筋機能療法)は小児矯正治療を進めるうえでどのような役割を担いますか?

MFTは、小児矯正を補助する役割を担います。矯正装置で歯を整えても、筋肉の癖が残っていると歯並びが安定しにくい場合があります。MFTを併用することで、治療後の歯列を維持しやすくなる点が特徴です。小児期は口腔機能が発達途上にあるため、MFTを通じて正しい機能の獲得を促すことは、顎や歯列の健全な成長を支える点でも重要です。組み合わせることで、治療効果の安定や将来的な負担軽減につながると考えられています。

MFT(口腔筋機能療法)の費用とお口の機能改善のコツ

歯医者に来る子供

MFT(口腔筋機能療法)にかかる費用の目安はどのくらいですか?

MFTの費用は保険適用外の自由診療となることが多く、歯科医院ごとに設定が異なります。一般的には1回あたり数千円程度で行われるケースや、月額制、あるいは年間プログラムとして数万円の費用がかかる場合もあるでしょう。また、小児矯正と併用してMFTを行う場合は、歯列矯正の治療費に含まれていることもあれば、別途MFT指導料が必要となるケースもあります。トレーニング内容や実施頻度、通院期間によって総額は大きく変わるため、事前に治療計画とあわせて費用の説明を受けることが大切です。

MFT(口腔筋機能療法)を行う場合のコツはありますか?

MFTを効果的に行うためには、正しい方法で継続することが重要なポイントです。MFTは一時的なトレーニングではなく、舌や唇、頬などの口腔周囲筋の使い方を日常生活のなかで改善していくことを目的としています。まず大切なのは、歯科医師や歯科衛生士の指導のもとで正しい動きを身につけることです。自己流で行うと、誤った癖が定着してしまい、十分な効果が得られない可能性があります。特に舌の位置や嚥下の動きは、専門的な評価が必要とされています。家庭でのトレーニングを習慣化することも重要です。MFTは通院時だけで完結するものではなく、毎日の積み重ねによって効果が現れやすくなります。短時間でもよいので、無理のない回数と内容で続けることが、改善への近道といえるでしょう。小児の場合は、保護者の理解とサポートが欠かせません。トレーニングの目的を親子で共有し、保護者の声かけのもと無理のないペースで進めることで継続しやすくなります。

MFT(口腔筋機能療法)の効果はどのくらいの期間で実感できますか?

MFTの効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、早い方では数ヶ月程度で変化を感じることがあるとされています。具体的には、舌の正しい位置を意識できるようになる、お口を閉じていられる時間が増えるといった変化がみられます。一方、口腔周囲筋の使い方を無意識のレベルで定着させるには、少なくとも6ヶ月から1年程度の継続が必要になることが一般的です。MFTは一時的な訓練ではなく、日常生活における舌や唇、嚥下の動きを改善することを目的としたトレーニングです。そのため、時間をかけて習慣化していくことが重要です。口腔機能の状態や不正咬合の種類、トレーニングへの取り組み方によっても効果の現れ方は異なります。歯科医師や歯科衛生士による定期的な評価を受けながら進めることで、適切な調整もしやすくなります。

編集部まとめ

病院で診察を受ける子どもとお母さん

小児期の歯並びは、舌や唇の使い方、呼吸や嚥下などの口腔機能と密接に関係しています。

MFT口腔筋機能療法)は、口腔周囲筋の働きを整え、歯並びや顎の成長に影響を与える環境を改善することを目的としたトレーニングです。

成長期の口腔機能は歯列や顎の発達に大きく関わるため、歯列矯正の治療と併用することで治療後の安定や後戻り予防につながると考えられています。

歯並びだけでなく、お口全体の機能に目を向けることが大切です。気になる癖や歯並びがある場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。

この記事の監修歯科医師