目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. 矯正歯科TOP
  4. 矯正歯科コンテンツ
  5. 歯列矯正で健康な歯を抜歯する理由は?抜歯する歯や本数、影響について解説

歯列矯正で健康な歯を抜歯する理由は?抜歯する歯や本数、影響について解説

 更新日:2026/02/25
歯列矯正で健康な歯を抜歯する理由は?抜歯する歯や本数、影響について解説

歯列矯正では、健康な歯を抜くと聞き、疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。なぜ健康な歯を抜くのか、抜歯によって顔つきや将来の口元に影響が出ないのか、不安に感じるのは自然なことです。

歯列矯正で抜歯が検討される背景には、治療後の噛み合わせや口元のバランスを整える目的があります。この記事では、健康な歯を抜く判断がされる理由や歯の種類、治療への影響まで詳しく解説します。

歯列矯正を前向きに検討されている方は、治療のヒントとして読み進めてみましょう。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

歯列矯正で健康な歯を抜歯する理由

口元を指さす女性

歯列矯正治療で健康な歯の抜歯が検討される理由を教えてください。

歯を動かすための十分なスペースが確保できない歯並びや骨格の場合に、抜歯が検討されます。具体的な代表例は以下のとおりです。

  • 上顎前突の方(出っ歯)
  • 歯が重なりあう方(八重歯)
  • 前歯が噛み合わない方
  • 噛み込みが深い過蓋咬合(かがいこうごう)の方

これらの状態は、歯をきれいに並べて噛み合わせを整えるための空間が不足しがちです。そのまま無理に歯を動かすと、口元の突出や歯列の不安定さにつながることがあります。歯列矯正を行わずにそのまま放置すると、歯磨きがきれいに行えずむし歯や歯周病のリスクが高まるほか、噛み合わせの乱れによって顎関節への負担が増す可能性があります。将来的な口腔トラブルを防ぐためにも、適切な抜歯によってスペースを確保し、機能面と見た目の両立を目指すことが大切です。

歯列矯正治療は抜歯しなくてもできますか?

歯列矯正は必ずしも抜歯が必要な治療ではありません。抜歯はあくまで治療手段の一つであるからです。歯列矯正ではまず、歯をどこに移動させ、どのような噛み合わせを完成させるのかという目標を設定します。そのうえで、歯を並べるためのスペースを、どのような方法で確保するかが決まります。軽度の歯のがたつきや突出であれば、歯列の拡大や歯の側面をわずかに削る、奥歯を後方へ動かす方法などで対応が可能です。ただし、抜歯の必要性は症例ごとに異なり、口腔内の状態によって総合的に判断されます。そのほか、考慮すべき内容は以下のとおりです。

  • 顔の形
  • 年齢
  • 将来の変化

そのため、抜歯の可否は歯列矯正の専門の歯科医師による診断と治療計画に基づいて決めることが重要です。

歯列矯正で抜歯する歯の種類や本数について

矯正器具のイメージ

歯列矯正治療で抜歯するときにはどの歯を抜きますか?

歯列矯正で抜歯が必要な場合、前から4番目に位置する上下左右の第一小臼歯(しょうきゅうし)が選ばれます。第一小臼歯は歯列弓(はれつきゅう)の中央付近に位置し、前歯と奥歯のバランスを調整しやすい歯です。歯並びが乱れる主な原因には、顎の大きさと歯の大きさの不調和があり、特に日本人は顎が小さく永久歯が並ぶスペースが不足しやすい傾向があります。抜歯する歯を決める際は、歯並びを改善するために必要なスペースの確保や、左右の噛み合わせや正中線の調整が考慮されます。加えて、考慮されるポイントは以下のとおりです。

  • むし歯の有無や被せ物
  • 神経の状態
  • 歯周病の進行状況

これらを踏まえ、治療への影響が少ない歯が選ばれます。適切な位置の歯を抜歯することで、無理のない歯の移動が可能となり、理想的な見た目と噛み合わせに近づけるでしょう。

歯列矯正治療で4本抜歯が選択されることがある理由を教えてください。

4本抜歯は、非抜歯矯正では対応が難しい症例に選択される方法です。重度の噛み合わせの乱れやズレが大きい歯並びでは、十分なスペースがなければ理想的な歯列弓を形成できません。4本の抜歯によって歯を動かす空間が確保され、前歯を後方へ移動させたり、歯列全体のバランスを整えたりすることができます。また、顎の成長が完了した成人では歯列拡大に限界があるため、抜歯矯正の方が結果につながりやすい点も理由の一つです。そのため、4本抜歯は機能面と見た目の両面で満足度の高い結果につながることがあります。

歯列矯正治療で抜歯が選択されることはどのくらいありますか?

歯列矯正における抜歯の割合に明確な数値はありません。なぜなら、歯並びや骨格、年齢によって適切な治療方針が大きく異なるからです。患者さんにはできる限り歯を抜きたくないという心理があり、それに配慮するあまり十分な検査を行わずに、非抜歯を提案するケースも考えられます。矯正歯科を専門とする診療所では、問診や精密検査、分析を経て非抜歯で可能なのかを慎重に判断します。歯列矯正の専門の歯科医師の説明を十分に聞き、自身でも正しい知識を持っておくことが大切です。

歯列矯正で健康な歯を抜歯した場合に考えられる影響

歯の痛み ほっぺたを押さえる女性

歯列矯正治療で抜歯するデメリットを教えてください。

抜歯を行うデメリットは、健康な歯を抜くことへの心身の負担が生じる点です。歯列矯正で抜歯の対象となる歯は、むし歯や歯周病のない歯の場合があり、心理的な抵抗を感じやすくなります。ほかに考えられるデメリットは以下のとおりです。

  • 治療期間の長期化
  • 顔の印象の変化
  • 口腔全体の機能低下
  • 治療計画の複雑化

抜歯後は一時的に噛みにくさを感じることもあり、慣れるまで時間がかかる点もデメリットといえるでしょう。抜歯は将来に関わる選択のため、事前に説明を受け、納得したうえで判断することが大切です。デメリットはありますが、適切な検査と診断のもとで治療を行うことで、歯並びや機能改善につながる場合があります。

歯列矯正治療で抜歯すると治療期間は長くなりますか?

抜歯を行う場合、非抜歯矯正に比べて治療期間が長くなり、2〜3年程度かかる傾向があります。抜歯後は歯茎の治癒を待つ必要があり、その間は本格的な歯の移動が進められません。さらに、抜歯によって生じたスペースを利用して歯を大きく動かすため、調整に時間を要します。歯や歯周組織への負担を抑えるため、治療を慎重に進める必要がある点も理由の一つです。治療期間を見据えて、事前に治療計画を確認するようにしましょう。

抜歯後、どのくらいで歯列矯正治療を開始できますか?

抜歯後は歯茎の状態を確認しながら、数週間後に歯列矯正を進めることが一般的です。通常、歯茎の治癒には2〜3週間ほどかかりますが、回復の早さには個人差があります。そのため、患部の経過を見ながら治療開始の時期が判断されます。歯列矯正の期間はお口の状態によって異なり、数年を要することもあるため、長期的な視点が必要です。まずは、歯列矯正の相談で希望や悩みを伝えて、治療期間の目安を確認するようにしましょう。

歯列矯正治療のために健康な歯を抜くと顔つきに影響はありますか?

健康な歯を抜くことで、顔つきや噛み合わせによい影響を与える場合があります。抜歯を行うことで、歯を動かすための十分なスペースが確保でき、歯並びを理想的な位置へ調整しやすくなります。歯が密集している場合や、上下の歯のズレが大きいケースで特に有効です。抜歯によって生じた空間を活用し、前歯を後方へ移動させながら歯列全体を整えることで、バランスの取れた歯の配置を目指せます。結果的に口元の突出が改善され、Eラインと呼ばれる横顔のバランスが整いやすくなります。特に、出っ歯や上顎前突の方は、より自然な印象を与えることができるでしょう。また、見た目の変化に加え噛み合わせが改善することで、顎関節や歯ぎしりへの負担軽減や口腔内の健康維持にもつながる可能性があります。

編集部まとめ

歯科衛生士と患者

歯列矯正で健康な歯の抜歯が検討されるのは、歯並びと骨格のバランスを整え、理想の見た目と噛み合わせを目指すためです。抜歯する歯や本数は歯並びの状態によって異なり、個人差があります。

健康な歯を抜くことは不安を感じる選択です。しかし、正しい検査と適切な治療計画に基づけば、機能面や審美面の向上が期待できるでしょう。

自身も正しい知識を持ち、納得したうえで治療を進めることが、満足度の高い歯列矯正につながります。

この記事の監修歯科医師