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歯列矯正治療を始めるタイミングはいつ?子どもと大人の歯列矯正治療を解説

 公開日:2026/05/15
歯並び デンタルケア

歯列矯正治療を始めるタイミングは、子どもと大人で大きく異なります。また、「いつ始めるのがよいのか」「何歳から始められるのか」という疑問を持つ方も少なくないでしょう。

歯列矯正治療は開始する時期によって、治療方法や期間、身体への負担などに影響が出ることもあります。そのため、適切なタイミングを知ることはとても重要です。

しかし実際には、お口の状態や成長段階によって適切な時期は異なるため、一概にこの年齢が正解とは言い切れません。

この記事では、子どもと大人それぞれの歯列矯正治療の開始時期を、分かりやすく解説します。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

歯列矯正治療を始めるタイミング

木製ブロックに『歯科矯正』の文字

大人が歯列矯正治療を始めるタイミングはいつですか?

大人の場合、いつからでも歯列矯正治療が可能です。ただし、むし歯があったり、歯周病が進行していたりする場合があります。お口の中の状態がさまざまであるため、歯列矯正治療を始めるタイミングは患者さんのお口の環境により異なります。歯や歯茎、歯を支える歯槽骨の状態やむし歯や治療によりかぶせた歯の状態、欠損している歯の数などを診て総合的に判断したうえで開始するのがよいでしょう。
特に、むし歯や歯周病がある場合は、先に治療を行ってから歯列矯正治療を開始するのが一般的です。

子どもは何歳から歯列矯正治療を始めるのがよいですか?

一般的には、前歯が生え変わり始める7歳前後がひとつの目安とされています。これは、顎骨が成長途中にあるため、発育を活かして歯並びや噛み合わせを整えやすい時期だからです。ただし、開始する年齢が早すぎると、治療への理解や協力を得られず本人の負担が大きくなる可能性もあります。一方で、遅すぎる場合は顎の成長を利用した治療が難しくなり、抜歯や外科的な対応が必要になるケースもあります。また早期に歯列矯正治療が必要になる症例もあるため、歯並びや噛み合わせが気になる場合は早めに受診し、相談することが大切です。治療の開始期間は歯科医師に見極めてもらうことをおすすめします。

歯列矯正治療を始める時期によって仕上がりや治療期間に差はありますか?

仕上がりは、適切な診断と治療計画に基づいて行えば、開始時期による大きな差はないでしょう。ただし、歯並びや顎の状態によっては治療方法が異なり、結果に個人差が生じる場合もあります。治療期間は、大人では成長が完了しているため、歯の移動に時間がかかる傾向があります。子どもと比べると治療期間が長くなるでしょう。子どもの場合は、顎の成長を利用した治療が可能ですので、効率的に歯並びを整えられるケースも少なくありません。気になる場合は、早めに歯科医院へ受診し、相談してみましょう。

子どもの歯列矯正治療を始めるタイミング

歯科検診

子どもは何歳から歯列矯正治療を開始できますか?

歯列矯正治療は、早ければ3~4歳頃から相談や治療が可能です。乳歯のみの時期でも、顎の成長バランスや噛み合わせに問題がある場合には、I期治療として早期に対応するケースがあります。特に、受け口(反対咬合)は6~8歳頃、上顎前突(出っ歯)や過蓋咬合は8~10歳頃に治療開始が望ましいとされています。叢生(歯並びのガタつき)の場合は、永久歯が生えそろうまで経過観察を行うことも少なくありません。必要に応じて治療を検討するケースもあります。このように症例ごとに適した開始時期が異なり、早期に対応した方がよい場合もあれば、成長を見ながら判断した方が望ましい場合もあります。すべてのお子さんに早期治療が必要なわけではなく、経過観察となることも少なくありません。歯科医院で相談し、適切なタイミングを見極めることが大切でしょう。

子どものうちから歯列矯正を行うメリットを教えてください。

子どもは顎骨が成長、発育の途中にあるため、その成長を利用しやすい点が大きなメリットでしょう。歯の移動もスムーズとされ、治療の負担を抑えやすいです。また、永久歯を抜歯せずに歯列矯正できる可能性があり、治療の選択肢が広がる点も特徴です。むし歯や被せ物がある歯、欠損歯が少ないことから、より適した方法を選びやすくなるでしょう。さらに、歯の移動に伴う歯肉の退縮や骨の減少が起こりにくいとされているほか、咀嚼や発音の改善が期待できる場合もあります。

子どもの歯列矯正治療の期間はどのくらいですか?

マルチブラケット装置を装着して行う本格的な歯列矯正治療は、平均して2~3年程度とされています。ただし、歯並びの状態や顎の成長過程によって個人差が生じるため、治療期間が前後する場合もあるでしょう。また、子どもの歯列矯正治療では、顎の成長を利用するI期治療と永久歯が生えそろってから行うⅡ期治療に分かれる場合があります。I期治療を行うことで、将来的な負担を軽減できるでしょう。なお、受け口などの顎骨が関係する不正咬合では、治療が長期に及ぶ可能性もあります。適切な治療期間を知るためにも、まずは歯科医院での診査、相談を検討してみてください。

子どもの歯列矯正治療には保険は適用されますか?

歯列矯正治療は一般的には保険適用外です。ただし以下の場合に限り保険適用になります。

  • 厚生労働大臣が定める疾患に起因した、咬合異常に対する歯列矯正治療
  • 前歯および、小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常に対する歯列矯正治療
  • 顎変形症の手術前、手術後の歯列矯正治療

 

上記の歯列矯正治療は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみ保険診療の対象です。また、一般的な歯列矯正治療は保険適用外ですが、噛み合わせの改善や発音障害の解消などの治療目的と判断された場合は医療費控除の対象となる場合があります。医療費控除はご自身で申告をするものなので、領収書などは大切に保管しておきましょう。

大人の歯列矯正治療を始める際のポイント

矯正器具のイメージ

20代・30代・40代など歯列矯正治療を始める時期で違いは生じますか?

歯列矯正治療は始める年齢による大きな違いはありません。しかし20代から40代は、結婚や妊娠、出産や転居などさまざまなライフステージの変化がある年齢です。転居する予定がある場合は、転居されて落ち着いてからの開始がよいでしょう。妊娠初期は大切な時期であるため、できれば歯列矯正治療と同時進行とならないようにする必要があります。いずれの場合も歯列矯正治療は患者さんにとって多少なりとも負担が出てきます。開始する時期はご自分のライフプランと照らし合わせたうえで、信頼のおける歯科医師とご相談ください。

歯列矯正治療を始める前に準備することはありますか?

歯列矯正治療は長期にわたる治療です。まずは信頼できる歯科医師を探し、事前にカウンセリングや精密検査を受け、治療内容や期間に関して十分に理解しておくことが大切です。大人の場合は、歯周病やむし歯の状態によっては歯列矯正治療に影響が出る可能性があります。そのため、必要に応じて事前に治療を行うことが望ましいでしょう。費用に関しては高額になるケースもあるため、支払い方法や回数をあらかじめ確認しておくことが重要です。なお、歯列矯正治療の期間中は、通常よりもむし歯や歯周病のリスクが高まるといわれています。歯ブラシや歯間ブラシなどのケア用品を準備し、日々の口腔ケアを丁寧に行うことが大切です。

歯列矯正治療を始めるときの注意点を教えてください。

歯列矯正治療長期間にわたるため、継続して通院できる環境を整えておくことが大切です。また、歯列矯正装置を装着後は口腔内の環境が変わるため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。これまで以上に丁寧な口腔ケアを心がけましょう。さらに、治療中は見た目の違和感、食事のしづらさなどを感じる場合もあります。事前に治療内容や期間、費用に関して十分に説明を受け、納得したうえで開始してください。不安や疑問がある場合は、そのままにせず、歯科医師に相談しながら進めていきましょう。

編集部まとめ

医療 歯科医イメージ

歯列矯正治療を始めるタイミングは、子どもと大人で考え方が異なります。

子どもの場合は成長を活かせる時期に開始するとよいでしょう。負担を抑えながら治療できる可能性があります。

一方で大人は、年齢に関係なく始められるものの、お口の状態やライフスタイルに合わせた判断が重要です。

また「いつ始めるのがよいか」と「いつから始められるか」は異なるため、それぞれを正しく理解しておくことが大切です。

歯並びや噛み合わせが気になる場合は、自己判断で悩まずに歯科医師に相談し、ご自身に合った適切なタイミングで歯列矯正治療を始めましょう。

この記事の監修歯科医師