きれいな歯並びになるためには?きれいな歯並びに必要なことや条件について詳しく解説します
歯並びについてお悩みではありませんか?
歯並びは、見た目だけでなく口内環境や免疫力などにも影響する重要な要素です。
整った歯並びを実現するためには、日々の生活習慣に気を配らなくてはなりません。
頬杖などの何気ない習慣や、舌の動きの癖などによって歯並びに悪影響が出る場合もあるため注意が必要です。
今回は、きれいな歯並びのために気を付けるべき習慣やきれいな歯並びのメリットなどについて詳しくご紹介します。
歯並びにお悩みを抱えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
監修歯科医師:
古田 博久(歯科医師)
目次 -INDEX-
きれいな歯並びになるためには?
歯並びには様々な要素が関わっています。
あごの骨格・歯の傾き・歯を噛み合わせる際の機能面などによって、歯並びのきれいさは変わってきます。
これらの要素を複合的に考慮しながら、きれいな歯並びを目指すことが大切です。
歯並びは遺伝的な要素も大きいといわれています。しかし、日常的な習慣が歯並びに影響を与える場合もあることをご存じでしょうか?
毎日の習慣への配慮によって、悪い歯並びを未然に防ぐ効果も期待できます。
歯並びに関する正しい知識を身に付けて、きれいな歯並びを目指しましょう。
きれいな歯並びに必要なこと
きれいな歯並びを実現するためには、具体的にどのようなことに気を配ればよいのでしょうか?
ここからは、きれいな歯並びに必要なことについて詳しくご紹介します。
日常のちょっとした癖や習慣に気を配るだけでも、歯並びへの悪影響を軽減することが可能です。
ぜひ、習慣改善策として日常に取り入れてみてください。
正常でない舌や唇の動きの改善
日常生活を送る中で、舌や唇の動きを意識することはあまりないかもしれません。
しかし、実は舌や唇の動きが歯並びに影響を与える場合があることをご存じでしょうか?
まず、舌と歯並びの関係性について見てみましょう。
舌は食べ物を味わったり言葉を発したりする際に極めて重要な役割を果たす期間ですが、噛み合わせにも深い関わりがあります。
舌は本来、上顎に接する位置におさまっているのが正常とされていることをご存じでしょうか?
ところが、個人の癖によってこの舌の位置が下がったり前にせり出してしまったりすることがあります。
すると、歯が押されてしまい噛み合わせに悪影響が生じることがあるのです。
また、唇の動きについても注意が必要です。例えば、唇を噛む癖は歯並びに悪影響を与える恐れがあります。
何気ない舌や唇の動きを改善することで、歯並びの悪化を予防する効果が期待できるでしょう。
口呼吸の改善
普段、鼻ではなく口から呼吸をする癖はありませんか?
口呼吸は、睡眠や生活の質などにも悪影響を及ぼす危険性が示唆されている好ましくない習慣のひとつといえるでしょう。
歯並びへの影響という観点からも、口呼吸には要注意!口呼吸は、歯並びに悪影響を与えると考えられているからです。
口を開けた状態で呼吸を続けていると口周りの筋肉が弱まり、唇が十分に歯を抑えることができず歯が前に出てきてしまうおそれがあります。
舌の位置も下がりがちになってしまうので、注意が必要です。
歯並びをはじめとした様々な部分へ悪影響を与える恐れのある口呼吸。医療機関に相談しながら、改善を目指すことが望ましいでしょう。
指しゃぶりや爪噛みの習慣の改善
子供の頃、何かと指をしゃぶる癖をお持ちだった方も多いかもしれません。
また、大人になってからも爪を噛んだりする癖が持続している方もいらっしゃることでしょう。
こうした癖は無意識に出てしまうこともあり日常に溶け込んでいる場合もありますが、歯並びのことを考えるとあまり好ましくない場合があります。
幼い頃の指しゃぶりは生理的な行為ですが、幼少期の指しゃぶりが長引くと前歯が出たり奥歯の噛み合わせに悪影響が生じたりする場合があります。
また、爪噛みの癖はいわゆる「すきっ歯」などを誘発する恐れもあり注意が必要です。
頬杖やうつ伏せの習慣の改善
考え事をする際、頬杖をつくことはありませんか?ロダンによる有名な彫刻「考える人」などからも想起されるように、頬杖は多くの人にとって身近なポーズでしょう。
しかし頬杖はあごに負担のかかるポーズなので、骨が歪んでしまう恐れがあります。
特に子供の場合は、あごの成長にも影響し歯並びが悪くなってしまうことがあるといわれています。
さらに、うつ伏せで寝る習慣も歯並びや噛み合わせに悪影響を与える場合があり注意が必要です。
きれいな歯並びを実現するためにも、日常の何気ない頬杖やうつ伏せの習慣には気を付けた方がよいでしょう。
口内予防習慣の改善
歯の並び方自体は正常でも、虫歯があったり歯が抜け落ちてしまっていたりすれば審美的にも健康的にも好ましくありません。
真にきれいな歯並びを実現するためには、口内予防習慣にも配慮する必要があります。
適切な歯磨きや定期検診などにより、虫歯や歯周病を予防することが望ましいでしょう。デンタルフロスなどを使用したケアも効果的です。
ご自身の口内予防習慣に不安のある方は、医療機関への相談もおすすめです。
口内ケアの専門家の指導なども適宜利用しながら、正しい口内予防習慣を身に付けましょう。
きれいな歯並びの条件
ここまで、きれいな歯並びに悪影響を与える習慣などについてご説明してきました。
それでは、そもそも「きれいな歯並び」とはどのような状態のことを指すのでしょうか?
目指す状態があいまいだと、努力の方向性も定まりにくくなってしまいます。
ここからは、きれいな歯並びの条件についてご紹介します。
見た目が整っている
見た目が整っていることは、きれいな歯並びの大切な条件であるといえるでしょう。一本ずつの歯が適切な大きさで適切な位置に並んでいる状態が理想的です。
また、歯並びが整っていないと歯磨きのしにくさなどから歯が黄ばみやすくなるため、白いきれいな歯を保つためにも歯並びは重要な要素です。
大きさ・形が左右対称
歯の大きさやあごのスペースが小さいと歯がきちんと並びきれず、歯並びがずれてデコボコになってしまいます。
この状態が叢生(そうせい)、一般的には「乱ぐい歯」として知られている状態です。
さらに、歯の左右どちらかの歯並びがずれて上下が交差してしまっている状態を交叉咬合(こうさこうごう)と呼びます。
上記のような歯並びは、左右が非対称となり審美的にも好ましくありません。
また、左右の咬合がずれていると顔の歪みなどにつながってしまう危険性もあります。
審美的な面からも機能的な面からも、できるだけ左右対称な歯並びが理想的です。
重なっていない
先述した叢生(そうせい)は、あごのスペース不足により歯がデコボコに重なっている状態を指します。
いわゆる「八重歯」も叢生(そうせい)の一種です。特に八重歯は「かわいい」と人気の場合もありますが、きれいな歯並びという観点からは望ましくありません。
見た目の面だけでなく、歯の磨きにくさから虫歯などにもつながりやすくなってしまう叢生(そうせい)。
重なった歯が気になる場合は、早めに専門医へ相談することがおすすめです。
噛み合わせがしっかりしている
噛み合わせは、きれいな歯並びにおける重要な要素のひとつです。
上の歯と下の歯との位置関係に異常があると、いわゆる「出っ歯」や「受け口」のような噛み合わせの問題が生じてしまいます。
さらに、指しゃぶりなどの影響で前歯がきちんと噛み合わない「開咬」という噛み合わせの異常が生じる場合もあります。
噛み合わせに異常があると、口の中を傷つけやすかったり食事の際に不都合が生じたりするので注意が必要です。
きれいな歯並びを実現するためには、噛み合わせにも気を配りましょう。
上の歯が下の歯より出ている
本来、上の歯が下の歯に少しかぶさった状態が正常な噛み合わせとされています。
きれいな歯並びかどうかをチェックするためには、上下の歯の位置関係にも着目してみるのがよいでしょう。
下の歯が通常よりも前に出てしまい、上の歯と下の歯の先端が当たってしまう状態を切端咬合といいます。いわゆる「受け口」と呼ばれるような状態です。
唇を噛み締める癖などによっても、受け口になってしまう場合があるので注意しましょう。
きれいな歯並びの3つのメリット
きれいな歯並びを実現すると、審美的な面でも健康的な面でも多くのメリットが期待できます。
ここからは、きれいな歯並びのメリットを3つご紹介します。
様々な嬉しい効果を得るためにも、きれいな歯並びを目指してみませんか?
虫歯・歯周病になりにくい
虫歯や歯周病にお悩みの方は多いのではないでしょうか?
年齢を重ねてもきれいな歯を保ち健康的に過ごすためにも、虫歯や歯周病の予防につとめたいところです。
実は、歯並びがきれいだと虫歯や歯周病になりにくいことをご存じでしょうか?
歯並びが悪いと、歯と歯が重なり合ったり隣り合う歯に隙間が生じたりして、虫歯になりやすくなります。歯磨きがしにくく、歯垢がたまりがちな状態になるからです。
歯垢は細菌のかたまりであり、歯肉炎を引き起こす危険性があります。
歯肉炎が悪化すると歯周病となり、歯がぐらぐらしたり、最終的には歯が抜けてしまったりする事態を引き起こすので注意が必要です。
さらに、唾液には口内の汚れを自浄し虫歯を防ぐ効果がありますが、歯並びが悪いと唾液の効果も及びにくくなってしまいます。
口内環境が悪化すると、口臭などにつながる場合もあるため要注意です。
口内の健康を保つためにも、きれいな歯並びへの配慮が非常に重要であるといえるでしょう。
免疫力が向上する
免疫力を高め、健康的な毎日を過ごしたいと考えている方は多いのではないでしょうか?
きれいな歯並びによって、免疫力の向上も期待できます。
例えば歯並びが悪いと口呼吸になってしまう場合がありますが、口呼吸を続けていると免疫力が下がってしまいます。
口呼吸によって鼻のフィルター機能が作用しなかったり、口の中が乾燥して唾液の免疫機能が働きにくくなったりするからです。
また、先述したように歯並びが悪いと歯垢がたまりやすくなり口内環境が悪化します。口内に細菌が増えると免疫にも悪影響なので注意が必要です。
免疫力を高めよりよい毎日を送るためにも、歯並びについて今一度考えてみる必要があるでしょう。
自然と笑顔で笑える
歯並びがきれいだと、笑顔に自信を持ちやすくなります。
歯並びに問題があると、人前で歯を見せることがコンプレックスになってしまう場合もあります。
審美的な問題はもちろん、歯並びの悪さに伴う口臭の悪化など副次的な問題も軽視できません。
歯並びが悪いと食べたものが歯に詰まりやすくなる場合もあるため、会食の場などで歯を見せて笑うことに抵抗がある方もいらっしゃることでしょう。
きれいな歯並びを実現することで、コンプレックスを解消し自然な笑顔を見せられるようになるかもしれません。
子供の頃の習慣が影響を与えることも
先述したように、指しゃぶりや口呼吸をはじめとした習慣が歯並びに悪影響を与えることがあるため注意が必要です。
子供の頃から習慣の改善を図ることで、歯並びへの悪影響を減らす効果が期待できます。
また、子供時代は歯の生え替わりも経験する時期です。生え替わりの際に問題があると、歯並びが悪くなってしまうこともあります。
きれいな歯並びを実現するためには、子供の頃から様々な習慣や口内ケアに注意しておくことが重要だといえるでしょう。
なお、永久歯が生えそろう前段階で開始する歯列矯正を小児矯正と呼びます。
小児矯正によって将来の虫歯や抜歯のリスクなども低減できるので、お子様の歯並びが気になる方は専門医に相談してみるのもおすすめです。
きれいな歯並びは美人への第一歩
整った歯並びには様々なメリットがあります。はつらつとした美人を目指すという観点からも、きれいな歯並びは効果大です。
きれいな歯並びによって笑顔に自信を持ちやすくなるだけでなく、口臭・虫歯・歯周病などの予防効果も期待できます。
歯並びを改善して、健康的な美人になってみませんか?
きれいな歯並びについて知りたいときは?
きれいな歯並びを実現するためには、正しい知識を持って生活習慣の改善や口内ケアにつとめる必要があります。
きれいな歯並びについて詳しく知りたいときは、歯科医への相談をおすすめします。
気を付けるべき習慣や歯列矯正の方法など、専門医の指導を受けて正しい知識を身に付けましょう。
歯並びが悪いと、見た目に影響が出るだけでなく虫歯や歯周病などのリスクも高まります。
健康への悪影響を軽減するためにも、専門医への早めの相談がおすすめです。
編集部まとめ
今回は、きれいな歯並びになるために気を付けるべき習慣などについて詳しくご紹介しました。
きれいな歯並びによって、笑顔に自信が持てたり免疫力を高めたりする効果も期待できます。
様々なプラスの効果を得るためにも、きれいな歯並びを目指すことが望ましいといえるでしょう。
子供時代の習慣が歯並びに悪影響を与える場合もあるため、小さい頃から歯並びに配慮することも大切です。
歯並びが気になる方は、ぜひ一度専門医へ相談してみてください。
参考文献
- 不正咬合の種類と実態|e-ヘルスネット
- 小学生における歯列・咬合と口呼吸との関連性について
- 切端咬合(せったんこうごう)|e-ヘルスネット
- 小児矯正治療について|フクロ歯科医院
- 叢生(そうせい)|e-ヘルスネット
- 歯並びが悪くなる習癖|水天宮前歯科医院
- 睡眠と鼻呼吸障害の影響
- 小児の口呼吸が睡眠ならびに日中の行動におよぼす影響のアンケート調査
- 口呼吸について|水天宮前歯科医院
- 噛み合わせに影響する悪い癖|医療法人社団 TDC タバタデンタルクリニック
- 歯並びが悪くなる習癖|水天宮前歯科医院
- 噛み合わせに影響する悪い癖|医療法人社団 TDC タバタデンタルクリニック
- うつぶせ寝で育てられた小児の歯列・咬合に関する研究
- 「8020」達成のために必要な予防対策|e-ヘルスネット
- 歯並びで第一印象は変わる?歯並びがあたえる印象は?悪い歯並びのデメリットも解説|池袋の矯正歯科 目白歯科矯正歯科
- 矯正治療について|清水歯科医院
- 矯正歯科治療について|公益社団法人 日本矯正歯科学会
- 虫歯の原因は?虫歯はどうしてできるの?|水天宮前歯科医院
- 歯周病|KOMPAS 慶應義塾大学病院KOMPAS
- 女性アスリートの歯とお口の健康BOOK
- 出産回数と歯の健康の関連について|国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト
- 鼻の生体防御機能について
- 子どもがいつも口を開けていますが、問題はありませんか。
- 女性のための矯正|池袋の矯正歯科 目白歯科矯正歯科
- 小児矯正|池袋の矯正歯科 目白歯科矯正歯科
- 歯・口の機能|e-ヘルスネット