『インプラント手術』後の「痛み」「腫れ」への対処法! 食事や歯磨きの注意点を徹底解説

インプラントの埋入手術を受けるとなると、「いつから普段通りの食事ができるのか?」「痛みや腫れはどれぐらいなのか?」など、術後の経過に疑問や不安を抱くケースが少なくありません。実際、手術直後の過ごし方やケアの仕方一つで、その後の回復やインプラントの定着に大きく影響します。そこで、手術当日から抜糸、そして骨と結合するまでの期間に気をつけたいポイントを、中山歯科の中山先生に解説してもらいました。
※2025年11月取材。

監修歯科医師:
中山 智裕(中山歯科)
〔所属〕日本メタルフリー歯科学会、日本口腔インプラント学会
〔資格等〕JIADS再生療法(エムドゲイン)コース受講、ストローマン ITI Education Course Basic Implantologyコース受講、公益社団法人日本口腔インプラント学会認定講習会カリキュラム 九州インプラント研究会100時間コース受講、ほか
インプラント手術直後から抜糸まで

編集部
インプラント手術直後(当日)に気をつけたいこと、避けるべきことを教えてください。
中山先生
手術当日は血の巡りがよくなる行動を避けることが大切です。激しい運動、長時間の入浴、飲酒などは出血や腫れを悪化させる原因になります。また、傷口が気になると思いますが、指や舌で触ったり、強くうがいをしたりしないようにしましょう。麻酔が切れた後は、軽い痛みや腫れが出ることがあります。手術当日はできるだけ安静に過ごすことが、順調な回復への第一歩となります。
編集部
処方される薬(痛み止め・抗菌剤・うがい薬など)は、それぞれどのような目的があるのでしょうか? 使用時の注意点も教えてください。
中山先生
痛み止めは術後の痛みを和らげ、抗菌剤は傷口の感染を防ぐために使用します。うがい薬は口内を清潔に保つためのものですが、使用する際は強くすすがずに、そっと口をゆすぐ程度にしてください。薬は自己判断で中止せず、処方通りに服用することが大切です。特に抗菌剤は、症状がなくても処方された分を必ず飲み切るようにしましょう。体調の変化やアレルギー反応が出た場合は、すぐに歯科医院へ連絡してください。
編集部
縫合した糸はいつごろ抜くのでしょうか? また、抜糸までの期間で気をつけるべきことはありますか?
中山先生
傷口の治り具合によるものの、手術からおよそ1週間から10日ほどで抜糸するのが一般的です。抜糸までの期間は、強いうがいや歯ブラシの接触は避けてください。糸が気になって舌や指で触りたくなるかもしれませんが、傷口が開いたり、感染の原因になったりする恐れがあります。むやみに触れないように注意しましょう。
編集部
手術の当日から食事を取っても大丈夫ですか?
中山先生
はい、問題ありません。ただし、麻酔が完全に切れて感覚が戻ってから食事を摂取するようにしてください。抜糸まではおかゆやスープ・ヨーグルト・ゼリーなど、あまりかまなくても栄養が摂取できる食品がおすすめです。熱すぎるものやおせんべいのような硬い食べ物、唐辛子などの香辛料が効いた刺激物は、傷口の痛みや出血の原因になる可能性があるので避けてください。食事をする際は、手術した側とは反対の歯でゆっくりかむように心がけましょう。
安定期間の過ごし方

編集部
インプラントと骨が結合する期間(安定期間)で、特に気をつけたいことは何ですか?
中山先生
一番気をつけたいのは、インプラントを埋入した部位に過度な力を加えないことです。仮歯が入った場合でも、極端に硬いものはかまないようにしてください。また、喫煙は骨との結合を妨げる大きな原因となります。安定期間は極力禁煙に努めましょう。あとは、十分な睡眠や栄養を取ることも大切です。
編集部
歯磨きはいつから、どのように始めればよいでしょうか?
中山先生
手術していないところは普段通り磨いて構いません。手術部位は抜糸まではブラシを当てず、できるだけ触れないようにしてください。歯ぐきがある程度治るまでには2週間ほどかかります。その間は、うがい薬を使うなど、状態に応じた清掃方法を指導しています。抜糸が終わり、歯ぐきの回復が確認できたら、柔らかい歯ブラシやタフトブラシを使って軽く触れるように優しく磨き始めましょう。その後は、歯科医師や歯科衛生士の指示に従い、徐々に普段通りのケアへと移行していきます。焦らず、丁寧におこなうことがポイントです。
編集部
食事はいつごろから通常に戻せますか?
中山先生
抜糸後、痛みや腫れが完全に治まってから、少しずつ普段の食事に戻していきます。個人差はありますが、2〜3週間を目安に段階的に慣らすのが理想ですね。せんべいやナッツといった硬い食材はしばらく避けた方が安全です。再診時に歯科医からOKが出るまでは、「軽くかむ・ゆっくり食べる」を意識しましょう。
もしものときは? 術後トラブルの対処法について

編集部
インプラント手術後に痛みや腫れが出たときに、家庭でできる対処法を教えてください。
中山先生
術後の痛みや腫れの多くは体の自然な反応であるため、過度に心配する必要はありません。痛みが出た場合は、我慢せずに処方された痛み止めを服用しましょう。腫れは手術の翌日から翌々日をピークに、徐々に引いていきます。症状が気になる場合は、外側から水でぬらしたタオルなどを当てて冷やすと和らぎます。ただし、氷などで直接冷やし過ぎると血行が悪くなり、治りが遅くなることがあるため、注意が必要です。ちなみに、抜歯と同時にインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」という術式の場合は、術後の痛みや腫れがほとんど出ないケースも多く見られます。
編集部
術後、すぐに受診した方がよい症状や異常のサインはありますか?
中山先生
「数日たっても強い痛みや腫れが治まらない」「膿(うみ)が出る」「口が開きにくい」「しびれや発熱が続く」などのケースは要注意です。これらの症状が表れたら自己判断せず、早めに受診するようにしてください。当てはまらない場合でも、気になることがあれば遠慮せず歯科医師に相談しましょう。
編集部
そのほかに、「術後にこれをやってしまって大変だった」という事例があれば教えてください。
中山先生
手術後の回復を遅らせてしまう原因として多いのが、「もう大丈夫だろう」と自己判断してしまうケースです。過去に、痛みも腫れも引いたからと手術後すぐにたばこを吸ってしまった人がいましたが、たばこは血流を悪くし、せっかく治ろうとしている歯ぐきの回復を妨げてしまいます。また、歯ぐきが十分に治っていないうちに硬いナッツなどを食べて、傷口を刺激してしまった人もいました。どちらも「治りかけのタイミング」で起こりやすいトラブルです。歯ぐきを順調に回復させるためにも注意事項を守り、無理をしないことが大切です。
編集部
最後に、読者へメッセージをお願いします。
中山先生
「手術」と聞くと不安に感じる人も多いと思いますが、近年のインプラント治療は患者の負担をできるだけ少なくできるよう、手術方法が進化しています。術後の過ごし方で大事なのは、注意事項を守り、無理をせず回復を待つことです。今回紹介した注意点を守ってもらい、不安なことや気になる症状があれば、どんなささいなことでも遠慮なく担当歯科医に相談してください。
編集部まとめ
インプラント手術後も快適に過ごし、順調な回復へとつなげるためには、術後のケアが重要であることがわかりました。痛みや腫れが引いたからといって自己判断で行動すると、回復を妨げてしまうこともあるため注意が必要です。日常生活での注意点を守り、インプラント周辺を安静に保つことが、術後のトラブルを防ぎます。不安なことや普段と違う症状があれば、ためらわずに歯科医院へ連絡しましょう。
医院情報

| 所在地 | 兵庫県芦屋市茶屋之町1-1 ブラウンビル1F |
| 診療科目 | 小児歯科、歯科、歯科口腔外科、矯正歯科 |
| 診療時間 | [月・火・水・金]10:00~13:00/15:00~20:00 [土]10:00~15:00 ※祝日がある週は木曜日診療いたします。 |
| 休診日 | 木曜日・日曜日・祝日 |




