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インプラントを守るには?インプラントの寿命を左右する5つの習慣

 公開日:2025/07/16
インプラントを守るには?インプラントの寿命を左右する5つの習慣

インプラントは天然の歯のような見た目と噛み心地を手に入れられる治療法ですが、半永久的に使えるわけではありません。どんなに高品質なインプラントでも、日々の生活習慣やケア次第で寿命は大きく変わってきます。この記事では、インプラントの平均寿命や長持ちさせるために気をつけるべきポイントを解説します。

山口 東吾

監修歯科医師
山口 東吾(山口歯科パークタウン診療所)

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昭和31年 10月生まれ
昭和56年 日本歯科大学歯学部卒業
小花歯科医院、加藤歯科医院にて勤務医として研鑚
昭和61年 11月1日 金沢文庫にて開業

そもそもインプラントの寿命は?

そもそもインプラントの寿命は? インプラントの寿命の正しい理解は、治療を検討するうえでとても重要です。ここでは、平均的なインプラントの寿命や、ほかの治療法との比較を紹介します。

インプラントの平均寿命

インプラントの平均的な寿命は、一般的に10〜15年とされています。適切なメンテナンスを行えば、20年以上使用できるケースも珍しくありません。 一方で、メンテナンスを怠ると10年を待たずに寿命を迎えてしまうこともあります。 人工歯根であるインプラント体はチタン製で劣化しにくく、問題が起こりやすいのはその上に被せる人工歯(上部構造)や歯茎、骨との結合部分です。これらの部分を健康に保つことが寿命のカギとなります。

ブリッジや入れ歯と比べたメリット・デメリット

失った歯を補う治療法は、ほかに入れ歯やブリッジがあります。平均使用期間を比較すると、入れ歯は5~7年程度、ブリッジは5~15年程度となっておりインプラントの寿命の方が長い傾向にあります。 ほかにも、インプラントには以下のようなメリットがあります。

  • 周囲の歯に負担をかけない
  • 天然の歯に近い噛む力
  • 自然で美しい見た目
一方で、デメリットは以下が挙げられます。

  • 1本350,000~500,000円(税込)と治療費が高額になりがち
  • 外科手術が必要
  • 治療期間が長い
どの治療法にもそれぞれメリット・デメリットがあるため、歯科医師と十分に相談し、自身の状況に適した治療法を選ぶことが大切です。

寿命を縮める!やってはいけない5つの習慣

寿命を縮める!やってはいけない5つの習慣 インプラントを長く使い続けるためには、避けるべき習慣があります。ここでは、インプラントの寿命を縮めてしまう主な原因を5つ紹介します。

自己流の歯磨きで清掃不足

インプラント周囲の清掃不足は、寿命を縮める要因の一つです。インプラントはむし歯にはなりませんが、歯周病に似たインプラント周囲炎にかかる可能性があります。インプラント周囲炎とは、プラーク(歯垢)の蓄積によって細菌が増殖し、インプラント周囲の歯肉や骨に炎症を起こす病気です。 初期段階では歯肉の腫れや出血が見られ、症状が進行すると骨が溶けてしまう可能性があり、結果的にインプラントが脱落してしまいます。正しい歯磨き方法を身につけることが重要で、歯科衛生士から適切な指導を受けることをおすすめします。

定期検診に通わない

インプラントは、治療が終わってからの定期検診が重要です。定期検診を受けることで、インプラント周囲炎などのトラブルを早期に発見して対応することができます。定期検診では、以下の項目をチェックします。

  • プロフェッショナルクリーニング
  • レントゲン撮影による骨の状態確認
  • 噛み合わせのチェックと調整
  • インプラント周囲炎の有無確認
専門的な検査により、自身では気付けない変化も早期に発見できるでしょう。

歯ぎしり・食いしばりを放置

歯ぎしりや食いしばりは、インプラント大きな負担をかける習慣です。これらの力は一般的には40〜80kg程度ですが、強いケースでは100kg以上にもなるといわれており、インプラントの寿命を縮める要因となります。 天然の歯の場合、歯根膜と呼ばれる薄い膜が噛む力をクッションのように吸収してくれます。しかし、インプラントには歯根膜がないため、歯ぎしりや食いしばりによる衝撃が直接インプラントにかかってしまいます。多くの場合、歯ぎしりや食いしばりは睡眠中に無意識に行われるため、夜間のマウスガードナイトガード)の使用が有効な対策となります。

喫煙の習慣がある

喫煙は、インプラントの寿命に深刻な悪影響を与える習慣です。研究によると、喫煙者のインプラント失敗率は非喫煙者の2倍程度高いとの報告があります。喫煙によって血流が悪化し、歯茎の回復が遅れるだけでなく、インプラントと骨の結合も妨げられるほか、感染リスクも高まります。インプラント治療を成功させ、長期間使用するためには、禁煙が推奨されます。

無理に硬いものを噛む

インプラント過度な力をかける習慣も、寿命を縮める要因です。氷や硬いお菓子、ナッツ類などを頻繁に噛むことは避けましょう。 また、ペンを噛む癖や爪を噛む癖があると、インプラントに予想以上の負担をかけてしまいます。インプラントを長持ちさせるためには、無理な力をかけないよう注意し、硬いものを食べる際は慎重に噛むことが大切です。

寿命をのばすために大切な3つのポイント

寿命をのばすために大切な3つのポイント インプラントの寿命をのばすためには、日々のケアと生活習慣の改善が重要です。ここでは、寿命を延ばすために意識しておきたい3つのポイントを紹介します。

セルフケアの精度を高める

毎日のセルフケアは、インプラントの寿命を左右する重要な要素です。正しい歯磨き方法を身につけ、プラークを除去することが大切です。 インプラント周囲は細菌が蓄積しやすく、特に歯肉との境目部分は注意深い清掃が必要です。毛先の細い歯ブラシを使用し、45度の角度で歯肉溝に毛先を入れるように優しく歯磨きをします。歯間ブラシやデンタルフロス、ワンタフトブラシを使い分けて、歯ブラシでは届かない部分も丁寧に清掃しましょう。また、洗口剤の使用も効果的で、抗菌作用により口腔内環境を良好に保つことができます。

生活習慣を見直す(食生活・睡眠・ストレス)

健康的な生活習慣は、インプラント周囲の組織の健康維持に重要な役割を果たします。特にビタミンCは歯肉の健康維持に、カルシウムとビタミンDは骨の健康維持に重要です。バランスの取れた食事を心がけ、骨や歯肉の健康に必要な栄養素を十分に摂取しましょう。 十分な睡眠とストレス管理も大切です。睡眠不足やストレスは免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなる可能性があります。禁煙や節酒も、インプラントの健康維持には欠かせません。

定期的なメンテナンスを受ける

歯科医院での定期的なメンテナンスは、インプラントの寿命をのばすために不可欠です。 インプラント周囲では、トラブルが起きても自覚症状が出にくいことが多く、気づいたときには進行している場合もあります。そのため、早期発見・早期対応のためにも定期メンテナンスが重要です。 定期メンテナンスでは、専用器具を使用して、日常のケアでは除去できない歯石や汚れを徹底的に除去します。レントゲン検査では、インプラント周囲の骨の状態を詳しく確認し、骨吸収の有無や進行度のチェックをします。 噛み合わせの調整も重要なメンテナンスの一つです。噛み合わせが悪いとインプラントに過度な負担がかかるため、定期的にチェックして必要に応じて調整を行います。

エクソソームが高めるインプラント治療の治癒力

エクソソームが高めるインプラント治療の治癒力 ​​再生医療の分野で注目されているエクソソーム治療は、インプラント治療治癒力の向上と回復促進による安定した結果が得られる可能性があります。ここでは、エクソソームがもたらすインプラント治療への効果について紹介します。

組織再生を促進し、術後の回復をサポート

エクソソームとは、細胞から分泌される直径50〜150ナノmの極めて小さな物質で、細胞の増殖や分化に関わる重要な成分が豊富に含まれています。エクソソームは血液を通じて全身の細胞組織に移動し、細胞間の情報伝達物質として機能します。損傷を受けた細胞や老化した細胞に集まり、標的となる細胞が自力で回復できるよう働きかけるのが特徴です。 インプラント治療では、エクソソームの抗炎症作用によって術後の腫れや痛みを軽減し、回復期間を短縮する効果が期待されています。また、組織再生促進作用により傷ついた歯肉や骨組織の修復を促進し、より良好な治癒環境を作り出す可能性があります。特に骨が薄い方や治癒力が落ちやすい高齢の方にもメリットがあるとされています。 この治療は自由診療で、医療機関によって異なりますが、費用の目安は50,000〜200,000円(税込)です。副作用として、注入部位の軽微な赤みや腫れが生じる可能性がありますが、通常1〜2週間程度で改善されます。

骨との結合を助け、インプラントの安定性を向上

エクソソームは、インプラントと骨の結合を促進する効果も期待されています。エクソソームに含まれる成長因子が骨形成細胞(骨芽細胞)の活性化を促進し、インプラント周囲の骨密度を向上させることで、より強固な結合を実現できる可能性が基礎研究で示されています。 特に骨量が不足している患者さんや高齢の患者さんでも、エクソソーム治療により良好な結果を得られる可能性が前臨床研究で示されています。これにより、インプラントの初期安定性が向上して長期的な成功率の向上や寿命の延長が期待されますが、臨床での検証は今後の課題です。またエクソソームの血管新生促進作用により、インプラント周囲の血流が改善されて栄養や酸素の供給が向上することで、治癒プロセスが促進されます。 ただし、エクソソーム治療は現在研究開発途上の技術であり、臨床での効果は十分に確立されていません。効果を保証するものではないことを十分に理解したうえで治療を検討する必要があります。

インプラント治療なら山口歯科パークタウン診療所にご相談を

山口歯科パークタウン診療所 インプラント治療をお考えの方は、山口歯科パークタウン診療所に相談してみてはいかがでしょうか。 山口歯科パークタウン診療所では、患者さん一人ひとりに合わせた質の高いインプラント治療を提供しており、インプラントの寿命を可能な限りのばすためのサポート体制が整っています。

治癒力を引き出す新しい技術「エクソソーム」に対応

山口歯科パークタウン診療所では、エクソソーム治療(※)を導入しています。 エクソソームの抗炎症作用と組織の再生促進作用により、インプラント治療の治癒力を高め、術後の回復をサポートしているそうです。これにより、治療後のダウンタイムが短縮されるだけでなく、インプラントの定着率や長期的な安定性の向上が期待できます。「できるだけ身体に優しい治療を受けたい」「将来にわたって安心できるインプラントを目指したい」という方にもおすすめの治療法だといえるでしょう。 治療に関する相談はLINE予約も可能で、患者さんの利便性を重視したサービスを提供しています。 エクソソーム治療は自由診療となるため、適応症例の詳細は問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

先進的な設備と技術力で再治療や難症例にも対応

山口歯科パークタウン診療所 院内には、歯科用CTや3Dシミュレーションシステムなど、精密な診断と治療計画を可能にする先進的な設備が整っています。歯科用CTの診断により骨の状態を詳しく確認し、豊富な経験に基づく診断で、将来的に長期間安定するかを慎重に判断してから治療を開始するといいます。 また、メディカルディレクター(MD)と呼ばれるカウンセリング専門の歯科医師が常駐し、初回通院時に現在のお口の状況を詳しく説明しています。その後、患者さんの希望に添った治療計画を立てているそうです。 豊富な経験と新しい設備で、過去に治療が難しいとされた難症例や、再治療が必要なケースにも対応されています。

インプラントを長持ちさせるための充実したサポート体制

インプラントを長く使っていくためには、治療後のケアが欠かせません。山口歯科パークタウン診療所は、インプラント治療後の長期的なサポートにも力を入れています。 定期的なメンテナンスプログラムを通じて、インプラントの健康状態を継続的にチェックし、問題の早期発見と適切な対処を行われています。 ほかにも、専門的な知識を持った歯科衛生士が患者さん一人ひとりのお口の状態に適した清掃方法の指導を行い、日常のお手入れの質を向上させるサポートをしています。 カウンセリングも丁寧に行われており、治療前の不安や疑問にもしっかり耳を傾けてくれます。治療の選択肢や費用、将来のメンテナンスに至るまで、納得したうえで治療を進めることができるでしょう。

(※)未承認医薬品等であるため医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。

山口歯科パークタウン診療所の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数・治療期間

文7系統バス 関東学院金沢文庫キャンパス行 パークタウン中央停留所 徒歩1分

神奈川県横浜市金沢区釜利谷南4-23-3

診療時間
9:00~12:30
14:00~18:30
※祝日が木・日の場合は休診

【費用(税込)】  インプラント 350,000〜500,000円  エクソソーム 50,000〜200,000円 【治療期間】4〜6ヶ月 【治療回数】  インプラント 平均4〜8回  エクソソーム 平均1〜6回

参考文献

この記事の監修歯科医師