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オールオン4のセルフケアを怠るとどうなる?ケアやメンテナンスについて詳しく解説!

 公開日:2025/09/15
オールオン4のセルフケアを怠るとどうなる?ケアやメンテナンスについて詳しく解説!

オールオン4は、見た目の自然さとしっかり噛める機能性を両立した治療法ですが、日々のセルフケアや定期的なメンテナンスを怠るとどのようなことが起きるのでしょうか。

本記事ではオールオン4のセルフケアを怠るとどうなる?について以下の点を中心にご紹介します。

  • オールオン4のセルフケアを怠ると起こりうるトラブル
  • オールオン4の治療後の歯ブラシの選び方
  • 歯科医院のメンテナンスはどれくらいの頻度で通えばいいのか

オールオン4のセルフケアを怠るとどうなる?について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

松浦 明

監修歯科医師
松浦 明(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
職場
医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック

出身大学
福岡歯科大学

経歴
1989年福岡歯科大学 卒業
1991年松浦明歯科医院 開院
2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任

資格
厚生労働省認定研修指導医
日本口腔インプラント学会認定医
ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医

所属学会
ICOI(国際口腔インプラント学会)
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事
日本顎咬合学会 会員
日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

オールオン4のセルフケアを怠ると起こりうるトラブル

オールオン4のセルフケアを怠ると起こりうるトラブル

オールオン4は人工の歯なのに、なぜセルフケアが重要なのですか?

人工の歯だから手入れしなくてもよいというわけではありません。なぜなら、上部構造と歯茎の境目には汚れがたまりやすく、そこを放置すると細菌が繁殖して炎症を引き起こす恐れがあるからです。

また、前述したとおり“インプラント周囲炎”というトラブルを引き起こす場合があります。 オールオン4は固定式の構造のため、入れ歯のように取り外して洗うことができません。その分、歯ブラシやフロス、専用のケア用品を使った日常的な手入れが必要不可欠です。

インプラント周囲炎について詳しく教えてください

インプラント周囲炎が進行すると骨が吸収され、最終的にはインプラント自体が脱落する原因となることもあります。しっかり固定されているように見えても、内側で炎症が進んでいることもあるため注意が必要です。 初期段階では歯茎の腫れや出血などの軽い症状が多く、自覚症状が乏しいのが特徴です。しかし、放置すると膿が出たり、歯茎が痩せてくることもあり、気付いたときにはインプラントを支える骨が大きく失われていることもあります。さらに、不衛生な状態を放置すると、口腔内の細菌が全身に影響を及ぼし、誤嚥性肺炎などの疾患リスクを高める可能性もあります。

オールオン4の治療後にインプラント周囲炎にかかったらどのように治療しますか?

オールオン4の治療後にインプラント周囲炎を発症した場合、まず行われるのが、感染源である歯垢や歯石の徹底除去、そして炎症を引き起こしている細菌への対処です。炎症が軽度であれば、歯茎の深部まで洗浄を行い、抗菌薬を使ったり、専用の器具で歯石を除去する“非外科的治療”で改善を目指します。

しかし、炎症が進行し骨の吸収が確認される場合は“外科的治療”が必要になることもあります。外科的治療では歯茎を切開し、直接インプラント体に到達して清掃や除菌処置を行います。さらに、骨の再生が必要な場合には、骨補填材やメンブレンと呼ばれる再生誘導材を使って、骨の回復を図る治療が行われることもあります。

オールオン4のセルフケア方法

オールオン4のセルフケア方法

オールオン4の治療後の歯ブラシの選び方を教えてください

オールオン4の治療後は、毎日の歯磨きが重要になります。上部構造はむし歯にはなりませんが、プラーク(歯垢)を放置するとインプラント周囲炎のリスクが高まるため、歯ブラシ選びにも注意が必要です。

まず、使用する歯ブラシの“ヘッド”のサイズに気をつけましょう。毛のついた部分が大きすぎると、細かい部分に届きにくくなります。前歯2本分程度の幅を目安に、コンパクトなものを選ぶと使いやすくなります。また、毛先は先端が尖っているものよりも、丸くカットされた“ラウンドカット”タイプがおすすめです。歯茎への刺激が少なく、優しく磨けます。

毛の硬さについては、基本的にふつうがおすすめですが、上部構造がレジン(プラスチック樹脂)製の場合は、やわらかめを選ぶと表面を傷つけにくくなります。一方で、セラミック製の上部構造であれば、毛の硬さに厳密な制限はありません。

オールオン4でもフロスを使用した方がいいですか?

オールオン4の治療後でもデンタルフロスの使用は大切です。というのも、歯ブラシだけでは、インプラントと上部構造のすき間や、歯と歯茎の境目など細かい部分の汚れを取り除くことは難しいからです。また一般的なデンタルフロスではなくスーパーフロスと呼ばれる特殊なフロスを用いる必要があります。 構造上、歯と歯の間にフロスは通すことはできないため、上部構造と歯茎の間の清掃に特化した清掃器具の使用が重要です。

オールオン4の歯磨き方法を詳しく教えてください

オールオン4の歯磨き方法を以下で解説します。

1. ワンタフトブラシで細かい部分を磨く まずは、ワンタフトブラシを使って細かい部分をしっかり磨きます。特に、インプラントと歯茎の境目や歯間部分は汚れが溜まりやすいので、毛先を歯茎との接触部分に当て、優しく小刻みに動かして清掃します。

2. 通常の歯ブラシで全体を磨く 次に、普通の歯ブラシを使ってインプラントの上部構造全体を磨きます。優しく軽い力で磨くことが重要です。力を入れすぎると、上部構造や歯茎を傷つけてしまう恐れがあります。

3. 歯間ブラシやフロスで隙間を掃除 インプラントの隙間や歯と歯の間は、歯間ブラシやフロスでしっかりと清掃します。これらのツールを使うことで、通常の歯ブラシでは届きにくい部分の汚れも取り除けます。歯間ブラシを使う際には、歯肉を傷つけないように優しく磨きましょう。

4. ジェット水流洗浄器の使用 さらに、ジェット水流洗浄器を使うと、手磨きでは落としきれない口腔内の細菌や汚れを水圧で効果的に除去できます。これにより、インプラント周囲炎のリスクを減らし、より清潔に保てます。

オールオン4のセルフケアや注意点は、歯磨き以外にもありますか?

オールオン4を長期間に使用するためには、歯磨きだけでなく、生活習慣全般にも気をつける必要があります。以下で解説します。

1. 喫煙を避ける タバコはインプラントの大敵です。喫煙に含まれるニコチンやタールは血管を収縮させ、血流を悪化させます。これにより、インプラント周囲の歯茎や骨への酸素供給が不足し、治癒力が低下します。

2. バランスの取れた食生活 インプラントの成功には、栄養素の摂取が重要です。カルシウムやビタミンD、ビタミンC、タンパク質を意識して摂るようにしましょう。これらの栄養素は骨や歯茎を健康に保つために必要不可欠です。

3. 適度な運動を習慣にする 運動は血行を促進し、歯茎や骨の健康を支える役割を果たします。ウォーキングやヨガ、筋力トレーニングなど、適度な運動を日常生活に取り入れることで、免疫力が高まり、インプラント周囲炎のリスクも減らせます。

4. ストレス管理 過度なストレスは全身に悪影響を与え、特に歯ぎしりや噛みしめなどが原因でインプラントに余計な負担をかけることがあります。

5. アルコール摂取のコントロール アルコールは適量であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると歯茎や口腔内の健康に悪影響を与える可能性があります。

歯科医院で受けるオールオン4のメンテナンス

歯科医院で受けるオールオン4のメンテナンス

セルフケアをしていれば、歯科医院でのメンテナンスは必要ないですか?

セルフケアをしていても、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることが大切です。歯磨きだけでは取りきれない汚れがどうしても残ってしまい、汚れが蓄積することでインプラント周囲炎を引き起こすリスクがあります。また、インプラントの状態や噛み合わせのチェックも定期的に行うべきです。

歯科医院のメンテナンスはどれくらいの頻度で通えばいいですか?

オールオン4の治療後は、少なくとも3〜6ヶ月に一度は定期的な歯科検診を受けることが推奨されます。定期検診を受けることで、インプラント周囲炎などの早期兆候を発見し、すぐに適切な対処が可能となります。

編集部まとめ

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ここまでオールオン4のセルフケアを怠るとどうなる?についてお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下のとおりです。

  • オールオン4のセルフケアを怠ると“インプラント周囲炎”という深刻なトラブルを引き起こす恐れがある
  • オールオン4の治療後の歯ブラシは、前歯2本分程度の幅を目安としたコンパクトなものを選ぶこと、毛の硬さはふつうなものを選ぶのがいい
  • 歯科医院のメンテナンスは、少なくとも3〜6ヶ月に一度は定期的な歯科検診を受けるのがいい

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師

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