虫歯治療にはインレーとは?種類や注意点などを紹介
虫歯は誰にでも起こりうる歯の病気です。歯が細菌によって蝕まれ、痛みが伴う非常に厄介な病気であり、もしも放置しておけば神経まで達して歯の神経を殺してしまう可能性があります。
そのため、虫歯が見つかればまだ被害が小さい内に治療するのが最善です。その際の治療法として挙げられるのが、インレーです。今回はインレーについてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
山本 哲也 歯科医師 やまもと歯科 院長
目次 -INDEX-
インレーって何?基本的な知識を説明
インレーとは簡単にいうと小さな虫歯を削った後に付ける詰め物のことを指します。基本的に奥歯に入れる部分的な歯として型取りをおこない作製します。歯に近い硬度があるため、歯を削った後もいつも通りの生活に戻ることができます。
ただし、型取ってから模型を作りインレーとして完成するまで1週間近くかかってしまう上に、その期間は仮詰めで対応しなければいけないというデメリットがあります。
実装できるまで時間はかかるのですが、奥歯の噛む力にも十分耐えうる強度を持っているため、安心して食事を楽しむことができます。
さらに、詰め物を歯の全体に被せる『クラウン』とは違い、必要部分に必要なだけ詰め物を入れるため、違和感が少ないのもメリットです。
さらに、インレー治療には材質によってさまざまな種類に分かれており、その特徴も一長一短です。中には保険適応外のインレー治療もあるので、施術してもらう前に、種類や特徴、注意点をある程度知っておいたほうがスムーズに治療を受けられます。
自由に選べる!インレーの種類
インレーにはさまざまな種類があります。
・メタルインレー
・レジンインレー
・アマルガム充填
・セラミックインレー
・ハイブリットセラミックインレー
大きく分けるとこれだけの種類があります。これらがどういったインレーなのかを説明します。
メタルインレーの特徴
メタルインレーとは、12%の金含有の金銀パラジウム合金を使ったものです。基本的に銀50%を含有したものが中心に使われており、値段も公的保険適応で1500円〜3000円ほどと非常に安価です。耐久性もそれなりにあり、インレーの中でも比較的多く利用されています。
しかし、虫歯を削って型取り、修復物をセメントで固着するまで時間がかかります。加えて、口を開けた時にインレーが目立ってしまうため見た目の問題もあります。
他にも歯と硬さが違うためかみ合わせによって変形し、すき間が生じる可能性や、サビによって金属イオンが溶出し、金属アレルギーの原因になることもあります。費用は安いのですが、その分定期的なメンテナンスをおこなう必要があります。
メタルインレーは銀の他に金を75%以上含有した金合金を使用することもできます。銀に比べ硬度も歯に近く、すき間が生じる可能性も極めて少ないため非常に安全です。しかし、保険適応外なので費用は3万円〜7万円と高価なのがデメリットです。
レジンインレーの特徴
合成樹脂を使った白い詰め物をレジンインレーと呼びます。先ほど紹介したメタルインレーのように固着するまで時間がかからないため、短期間で詰め物を入れることが可能です。
さらに、費用も1000円〜1500円ほどなのでメタルインレーよりも安価に治療をおこなえます。
ただ、非常にすり減りやすく、硬度も低いため割れやすいです。合成樹脂なので、吸収性も高く変色や劣化もしやすいというデメリットがあります。治療まで時間がなく、治療費を安く抑えたいのならおすすめできる治療法です。
アマルガム充填の特徴
現在ではあまりおこなわれていないのですが、20世紀の虫歯治療ではアマルガム充填が主流となっていました。歯科治療の歴史の中でも100年以上使用されており、最も信用と歴史があるのがアマルガム充填です。
50%もの水銀を含んでおり、加工が非常に容易で強度もあります。しかし、加工はしやすいのですが、固まってしまうまでの時間が短いため、噛み合わせを考慮した形にするのに高い技術を要し、日本では次第におこなう医師が減少しました。
現在は、アマルガム充填で治療できる歯科医院自体が少なくなっています。さらに、水銀による害も考慮され2016年には公的保険治療から除外されています。
セラミックインレーの特徴
セラミックインレーは金属を使わないセラミックの詰め物です。金属を含まないので、メタルインレーとは違い金属アレルギーになる可能性が少ないです。白く透明感があるため、口を開けても目立たず変色しにくのもメリットです。
しかし、自由診療なので治療費が4万円〜7万円と非常に高価です。さらに、割れることもあるのでデメリットも考慮した上でセラミックインレーをおこなうか決めましょう。
ハイブリットセラミックインレーの特徴
ハイブリットセラミックインレーは、先ほど紹介したセラミックインレーにプラスチックを加えた混合物の詰め物です。セラミックインレーに比べ、プラスチックが入っているため割れづらく、治療費も3万円〜6万円と安価です。
しかし、長期的に変色したり、擦り減ったりすることもあるので定期的なメンテナンスは必要です。
インレーを治療する際の注意点
インレーで虫歯部分を治療する際、以下のような注意点があります。
・保険が適応できないものもあるので注意
・噛む力が強いと割れたり変形したりする可能性
これらについて詳しく説明していきます。
保険が適応できないものもあるので注意
インレー治療の中には保険が適応されないものがあります。適応外のものは以下の通りです。
・メタルインレー(金歯の場合)
・セラミックインレー
・ハイブリットセラミックインレー
メタルインレーは金を中心にする場合のみ保険適応外となります。費用は3万円〜7万円となっておりかなり高価です。その分、銀に比べ硬度や金属アレルギーの可能性なども非常に低いです。
セラミックインレーも保険適応外となっており、費用は4万円〜7万円ほどとなっています。セラミックインレーが保険適応外なので、ハイブリットセラミックインレーも同様です。
ただ、プラスチックが入っているため、費用は3万円〜6万円ほどとセラミックインレーに比べやや安価です。
基本的に、質の高いインレー治療が保険適応外で高価となっています。金額や特徴などを加味して、自分にはどの治療が合っているかを吟味しましょう。
噛む力が強いと割れたり変形する可能性
インレー治療は種類によって硬度が変わり、噛み合わせによって割れたり変形したりする可能性があります。特に銀を使ったメタルインレーは変形しやすい上に、できたすき間から銀が溶出し金属アレルギーを発生させる可能性もあります。
他に、レジンインレーは安価で短期間で施術が終わるかわりに硬度が弱く割れやすいです。インレー治療後、違和感を覚えたらすぐに歯科医院へ行くようにしましょう。
インレーで効果的に虫歯治療
インレーに関してここまでをまとめると、
・インレーは虫歯で削った部分を補う治療
・インレーは材料によって種類が分かれている
・中には保険適用外のインレーもある
・噛む力によっては割れたり変形したりするなどの可能性がある
となっています。インレーはあくまで虫歯を削った部分を別の材料で補う治療です。そのため、保険適用外のものでも破損する可能性は常にあります。それでもインレーを使うことで、虫歯治療後も今までのような噛み合わせで食事を楽しむことが可能です。
少しでも長くインレーを使用するために、定期的に歯科医院でメンテナンスを行い、雑に使わず、壊れないように注意をし、破損のない状態を維持していきましょう。
監修ドクター:山本 哲也 歯科医師 やまもと歯科 院長
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やまもと歯科
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