FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. コラム(歯科)
  4. 虫歯は感染する?虫歯の感染を防ぐ方法

虫歯は感染する?虫歯の感染を防ぐ方法

 更新日:2023/03/27


虫歯は自分の歯磨き不足などによって起こるものと考えがちですが、実は虫歯そのものも感染する病気です。そのため、いくら歯磨きを丁寧に行い、甘いものを控えていても防ぎきれないことがあるのです。
自分が虫歯に感染しない、あるいは自分の周りの人を虫歯に感染させないためにはどうしたらよいのでしょうか。虫歯と感染の関係について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
宮間 正泰 歯科医師 赤井歯科医院 院長

虫歯の感染は本当?


まず気になるのが虫歯は本当に感染するのか、感染経路はどのようなものなのかということではないでしょうか。ここでは虫歯が感染する関係性についてご紹介します。

虫歯の原因菌

虫歯の原因菌はミュータンス菌という細菌です。歯の表面に他の細菌と共にプラークを形成して付着し、虫歯の発生や進行の原因となります。
このミュータンス菌は生まれたての赤ちゃんの口腔内には存在しない菌とされています。そのため、子どものうちから虫歯のある場合は、大人から虫歯の原因菌であるミュータンス菌をうつされたことが虫歯の原因となっているのです。

虫歯の感染経路

それでは虫歯菌であるミュータンス菌はどのようにして感染するのでしょうか。虫歯の菌であるミュータンス菌の感染経路は以下のようになります。
・愛情表現のためにキスをした際の唾液の移行
・息を吹きかけて熱いものを冷ましてから与える
・硬い食べ物などを口で噛んでやわらかくしてから与える
・箸やスプーンの共有
日本フィンランド虫歯予防協会によると、母親のミュータンス菌の数が多いと子どものミュータンス菌の数も多くなるとされており、虫歯になるリスクは2倍以上高いというデータもあります。

感染する年齢

虫歯菌であるミュータンス菌に感染するのは、歯が生え始める生後6カ月頃とされています。
特に1歳6カ月から2歳6カ月の間に最も感染するともいわれており、イエテボリ大学の研究では2歳より前に感染した子の方が2歳以降に感染した子よりも虫歯が多くあるというデータも報告されています。そのため、3歳までは虫歯菌の感染に注意することが必要と考えられます。
特に奥歯が生え始めると噛む習慣ができ、食べられるものも増えます。また、歯の大きさがまばらなことから、大人による歯磨きも難しくなってきます。虫歯菌の隠れる場所ができてしまうことにより、虫歯が増えやすくなる傾向にあるそうです。

虫歯菌の感染を予防する方法

虫歯菌の感染を予防するためにはどうしたらよいのでしょうか。特に小さいお子さんのいる方は気になるのではないでしょうか。ここでは、虫歯菌の感染を予防する具体的な方法をご紹介します。

親の口の中の虫歯菌を減らす

子どもに熱いものを冷ましてご飯を食べさせることや食器の共有は、小さいお子さんを持つお母さんにとって避けることが難しいのではないでしょうか。そのため、自分自身の口の中にいる虫歯菌を減らしておくことで、子どもへの虫歯菌の感染を防ぐことができます。
まず、自分自身の虫歯の治療や歯周病の治療、定期的な歯科検診における歯石や歯垢の除去が効果的です。また、母親ばかりが頑張って自分のケアを行う傾向にありますが、同居している父親あるいは祖父母も同じように子どもに感染させてしまうリスクはあります。同居している家族全員が口の中の虫歯菌を減らすことで、子どもへの虫歯の感染を防いでいくことができます。

子どもの前歯が生え始めたら歯のケアを

上の前歯が生え始める前までは母乳や離乳食の与え方や口の清潔に神経質になる必要はないとされています。しかし、前歯が生えてからは母乳や食べ物のカスが歯の表面に残らないようにしっかりと歯のケアをしてあげることが必要となってきます。
まだ前歯しか生えていない段階では、指にガーゼを巻きつける、あるいは綿棒で歯を拭いてあげるようにしましょう。

離乳食+母乳を与えている方は特に歯のケアを

乳歯が生えそろい始め、噛みつぶすという動作ができるようになると食べられるものも増えていきます。そうすると歯の表面に砂糖を含んだ食物のカスが残りやすくなります。そこに母乳が加わることで、むし歯のリスクがさらに高くなると日本小児歯科学会は示唆しています。
母乳そのものは虫歯の直接的な原因にはなりませんが、口のケアができていないとプラークがたまってしまいます。そして母乳と食物残渣が口腔内にあることによって、虫歯のリスクがとても高くなるというのが主な理由となります。
離乳食のみであるという方も歯のケアには気を配ってほしいものですが、離乳食+母乳を与えているというご家庭はなおのこと歯のケアに気を配ってほしいものです。

食器の共有を控える

虫歯菌は唾液を介して感染するため、可能であれば食器の共有を控えるというのも虫歯菌を感染させない方法です。
また、食べ物を口移しで与えるという行為も、虫歯菌は唾液を介して感染するという理由から虫歯菌を感染させるリスクが高くなります。
そのため、これらの行為をなるべく行わないというのが虫歯菌を感染させないようにする方法として望ましいでしょう。

小児歯科検診を利用する

子どもに虫歯菌を感染させないように気を使っていても、感染させてしまうということは日常生活の中で起こりうることかと思います。そのため、気になる方は小児歯科検診を受けてみてはいかがでしょうか。
日本小児歯科学会では、1歳以降でも母乳を与えているという方は1度小児歯科検診を受けてみることを勧めています。また、歯科では子どもが将来虫歯になりやすいかどうか、虫歯菌が感染しているかのチェックができます。母乳を与えていない方でも、受診することで子どもに虫歯菌が感染しているかを知ることができます。
定期検診以外にも歯科医院では歯へのフッ素塗布を行い、虫歯の予防処置を行ってくれます。気になる方は定期的に歯科検診とフッ素塗布の処置を受けてみると良いでしょう。

大人同士で虫歯が感染する可能性

ここまで大人から子どもへの虫歯の感染についてお伝えしてきました。そこで気になるのが大人から大人への虫歯菌の感染はあり得るのかどうかです。大人同士で虫歯が感染する可能性はあるのでしょうか。

大人同士でも感染する

大人同士でももちろん虫歯菌は感染します。大人同士で虫歯菌に感染する最も多い理由はキスによるものです。唇を軽く合わせる程度では感染する可能性はかなり低くなるものの、濃厚なキスでは感染する可能性がかなり高くなります。
また、虫歯菌のミュータンス菌は子どものうちに口の中に感染してしまっている人が多い一方、歯の構造上や定期的なケアの賜物によって菌はいるけれど虫歯になっていないという大人もいます。そのため、自分のパートナーには虫歯が無いから虫歯菌がいないと思っていて、後から自分が虫歯になってしまったという例も多く聞かれます。大人は虫歯の有無にかかわらず、虫歯菌がいると考えておいた方が良いでしょう。

大人は虫歯菌に感染しても虫歯になりにくい

しかし、大人の場合は虫歯菌に感染しても虫歯になりにくいのです。その理由は、口の中の細菌バランスがすでにできあがり安定しているので、後から虫歯菌が侵入しても定着するのは難しいためとされています。そのため、大人に関しては虫歯菌の感染をあまり神経質に心配しなくても良いのかもしれません。

日ごろのケアで虫歯菌の感染を予防


虫歯菌は虫歯が無い場合であっても多くの大人の口の中に潜んでいます。そして、その虫歯菌を子どもにうつしてしまうのも大人たちです。
周りの人に虫歯を感染させないためにも、日ごろからの歯のケアが重要になってきます。虫歯の感染を拡大させないように、歯のケアを意識的に行ってみてはいかがでしょうか。
また、少し意識した生活を送るだけで子どもへの虫歯菌の感染を予防することも可能です。かわいい我が子、あるいは孫に虫歯をうつさないように意識して気を付けてみてください。
さらに大人になって親密な関係を築けるパートナーと出会えたという方は、パートナーと共に歯科検診を受け、互いの歯を守りあうというデートも良いかもしれません。

監修ドクターのコメント
おなかに新しい命が宿った時からその子への思いは尊いものです。しかし、その頃に生まれてくる赤ちゃんの歯の事までは考えません。只々無事に生まれて来てくれる事を祈るばかりです。妊娠するとホルモンバランスの乱れから母体の心身に様々な変化をもたらします。口腔内では妊娠性の歯肉炎、エプーリスなどの発症が起こる事もあります。また、悪阻などのために口腔ケア不足になり、う蝕、歯周病などの口腔内の悪化を引き起こします。そして増加した菌はやがて血管を通して体の中に入っていき胎児にも影響し低体重児出産を引き起こす事もあります。ですから生まれてくる子供が健康に生まれ、またその子や、家族に虫歯菌を感染させないためにも日頃から口腔ケアが大切です。かかりつけの歯科医院を作り、定期的に健診や歯のクリーニングをする事をお勧めします。
監修ドクター:宮間 正泰 歯科医師 赤井歯科医院 院長

虫歯治療でおすすめの歯医者さん 関東編

赤井歯科医院

電話番号 048-285-2091
住所 埼玉県川口市赤井1-15-17
アクセス 埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線 鳩ヶ谷駅 徒歩17分
診療時間 【平日】9:00~13:00/15:00~19:00
休診日 土曜日・日曜日・祝日
URL http://www.akaishika.com/

この記事の監修ドクター

この記事の監修歯科医師