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効果抜群!小児歯科で注目の虫歯予防方法「シーラント」

 更新日:2023/03/27

子どもの虫歯予防のために歯磨きだけでなく、フッ素塗布などをされている人も多いと思いますが、保険の適用にもなる虫歯予防法「シーラント」はご存知でしょうか?

歯の生え始めに行うことでかなり高い虫歯予防効果が実証されている、小児歯科の分野で注目のシーラント。その方法や治療費、注意点についての調査結果をMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
糟谷 賢司 歯科医師 あいデンタルクリニック 院長

保険適応される虫歯予防「シーラント」

シーラントは、虫歯予防のための合成樹脂を歯の溝に埋め込む処置です。奥歯の溝の部分など、汚れや虫歯菌が溜まりやすい歯の表面をコーティングすることで、虫歯にならないよう処置します。

シーラントの虫歯予防効果

シーラントを行った子どもと行っていない子どもを3年間比較したデータによると、実に67%の虫歯がシーラントで予防できたとのこと。このデータからもわかる通り、子どものころにシーラントを行うことで虫歯のリスクは大幅に低下することができます。

ただし、あくまでシーラントは虫歯予防の処置の方法です。虫歯の治療方法ではないため、虫歯がすでにある場合には、その治療をしたうえでシーラントをしなければ意味がありません。

シーラントはどの歯に行う?

シーラントは、溝が深く虫歯のリスクが大きい歯に行うと効果的です。そのため、一般的には溝が深い第一大臼歯を中心に行います。

そのほか、前歯の裏側のくぼんだ部分や、第一大臼歯以外の臼歯に行うこともあります。第一大臼歯のみでいい、あるいは溝のある歯であればやっておいた方がいいなど、どの歯に行うかに関しては歯科医の中でも意見が分かれているようです。

シーラントには健康保険が適用される

基本的に予防処置は保険適用にならないケースが多いものの、シーラントは虫歯予防の処置にもかかわらず健康保険を適用できます。子どもの予防歯科にとって大きなメリットといえるでしょう。ただし、適用年齢が限られています。

シーラントの実施時期

シーラントは虫歯の予防処置ですので、虫歯が発症する前に行うことが理想です。シーラントでは、実施する時期が非常に重要な意味を持ちます。

6歳から開始するのが一般的

シーラントを行う最も一般的な時期は、シーラントを行う臼歯の永久歯が生えてすぐのタイミングになります。そのため、第一大臼歯が生える6歳くらいから始めることが多いようです。そうすることで、第一大臼歯に虫歯ができる前に予防処置をすることができます。

第一大臼歯以外の前歯や他の臼歯に行う場合でも、それぞれその永久歯が生えたタイミングで行うことが望ましいでしょう。

乳歯に行う場合には6歳以前

シーラントは基本的には永久歯に行うものですが、乳歯にシーラントをする場合もあります。

乳歯の虫歯が奥の方まで到達すると、その下の永久歯を虫歯にしてしまうことがあります。乳歯にシーラントを行う目的は、それを防ぐことです。

乳歯の臼歯が生えて来るのは2歳6か月くらいですので、そのころを狙って乳歯のシーラントを行います。ただし、乳歯のシーラントは、初期の虫歯が見つかった場合のみに保険適用となり、虫歯がない場合は自己負担での処置になりますので注意しましょう。

シーラントの費用と処置内容

次にシーラントの実際について見て行きましょう。

保険適応であれば1本500円程度で行える

シーラントは保険適用されれば、3割負担の場合、1本500円程度で行えますので、処置にそれほど費用はかかりません。保険適用されない年齢で処置する場合でも、1本あたり1,000~2,000円程度であり、それほど高額にはなりません。

虫歯がある場合にはその治療を先に行う必要があるため、虫歯の状況によってその治療費が追加で必要になります。

15~30分のシーラント処置

シーラントの処置はそれほど時間がかかるものではなく、通常15~30分で終了します。

まず歯の表面をきれいにし、水分をしっかり取った後、特殊な薬剤を歯の表面に塗ります。その後、歯の溝の表面にシーラントのペーストを流し込み、固めるための光を当てて処置が終了になります。

しっかり固まっているかを確認してもらい、帰宅することができます。

シーラントの注意点

シーラントは費用も時間もそれほどかからない手軽な虫歯予防法ですが、いくつか注意点があります。

シーラントははがれ落ちることがある

シーラントは歯の溝をコーティングするものですが、永久にくっついている保証はありません。歯を使うたび、徐々にもろくなりはがれ落ちてしまうことがあります。

特に、歯を強く食いしばったり歯ぎしりをする癖があったりすると、シーラントがはがれやすくなります。シーラントのはがれた場所は、かえって虫歯にかかりやすくなることがあるので要注意です。

そのため、シーラントを入れたら定期的にチェックし、はがれている場合にはそこにシーラントを再度塗りなおしてもらう必要があります。シーラントは一回やれば終わりではなく、その効果をしっかり出すためにも、定期的なメンテナンスが必要になります。

シーラントは虫歯を100%予防するものではない

シーラントは、虫歯になりやすい歯の溝の部分をコーティングして、その部位から虫歯になるのを防ぐ処置です。シーラントをしていても、それ以外の部分から虫歯が発症することもあり、100%虫歯を予防できるものではありません。

そのため、シーラントをしたから大丈夫だと勘違いせず、しっかりした歯磨きの実施やフッ素塗布を併用するなどして、できるだけ虫歯の予防効果を高めるようにしましょう。

虫歯になっている歯にはシーラントができない

虫歯のある歯には、シーラントよりも主訴の治療が優先されます。そのため、できるだけ虫歯のリスクの少ない、生えてすぐの歯に処置をすることが大切です。また、虫歯の予防として乳歯の時からのシーラントも効果的になります。

子どもの歯の健康を守るシーラント

シーラントで虫歯を100%予防することはできません。しかし、子どもの虫歯のリスクを大きく低下させてくれる予防方法です。

保険も適用され、それほど手間がかかる処置でもないため、子どもの歯の健康を守るためにはぜひおすすめしたい予防処置といえるでしょう。

シーラントの効果をしっかり出すためには、虫歯ができる前の適切な時期に処置を行ってもらう必要があります。時期を逃すと、シーラントの最大限の効果が得られないだけでなく、保険適用にもならなくなってしまう可能性もあります。また、シーラントをした場合には、その後のチェックをしっかりしてもらうことも大切です。

ぜひ、各家庭のお子さんへ向けた虫歯予防の効果的な方法として、シーラントを検討してみませんか?

糟谷 賢司 歯科医師 あいデンタルクリニック 院長監修ドクターのコメント

記事ではお子さんの予防歯科について触れていますが、同時期に過ごされるご家族の虫歯予防もあわせて検討してみてください。虫歯菌は、共有した食器や歯磨き粉などから感染する可能性があります。さらに言えば、妊娠中の虫歯チェック、いわゆる妊婦さん歯科検診という考え方も浸透しはじめています。当院では、症状や必要に応じて妊婦さんの唾液を検査し、発症リスクの判定をしていきます。加えて、虫歯へかかりにくい食事などもアドバイスいたしますので、遠慮なくご相談ください。新しいご家族を、健康的かつ清潔な環境でお出迎えしてみてはいかがでしょうか。
監修ドクター:糟谷 賢司 歯科医師 あいデンタルクリニック 院長

小児歯科でおすすめの歯医者さん 中部編

あいデンタルクリニック

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【土曜】9:00~13:00/14:00~18:00
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