ワイヤーを用いた歯列矯正についての知識を深めよう!
歯並びや噛み合わせが悪く、「人前で自然な笑顔を見せられない」「自分に自信が持てない」とお悩みではありませんか?
こうしたお悩みを解消するためには歯列矯正を受ける必要がありますが、その内容や費用、治療期間などがよくわからず、最初の一歩が踏み出せないという方も多いことでしょう。
その一歩を踏み出すお手伝いをするため、ここでは、歯列矯正の中でもっとも一般的なワイヤー矯正のメリットやデメリット、種類などについて、Medical DOC編集部がお届けします。
隅田 能英(あさひ矯正歯科医院 院長)
目次 -INDEX-
ワイヤー矯正の特徴
ワイヤー矯正=マルチブラケット装置
ワイヤーとブラケットと呼ばれる装置を用いて歯を少しずつ精密で三次元的に動かすため、「マルチブラケット装置」とも呼ばれ、矯正治療においてはもっともスタンダードな装置です。ブラケットにはスロットと言われる溝が刻まれ、そのスロットに断面が四角形あるいは丸形をした様々な太さのワイヤーを挿入して歯根を含めた精密な歯の移動を行います。
一方、歯を動かすためを可撤式装置に取り付けた床矯正では歯を内側から外側に押し広げる移動を行いますが、歯を傾けるような単純な移動を主としています。
こんな方にこそワイヤー矯正がおすすめ
噛み合わせや歯並びを正すためには、数年をかけて治療を行う必要があります。じっくり時間をかけてでもきちんとした歯並びにしたいと思われる方、定期的な通院ができる方であることが、治療を受ける大前提になります。
精密検査に基づいた正しい診断による矯正による治療を行えば、口元の美しさを実現できるだけでなく、顔の左右のバランスが整ったり、肩こりや神経痛が改善されることもあります。さらに、歯並びや口元に対するコンプレックスが解消され自信をもって人と接することができるようになるなど、心身ともに健康になるための第一歩であるともいえるでしょう。
歯並びやka噛み合わせが良くなると口腔内のケアがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防、口臭のリスク軽減にもつながったり、発音障害の改善が可能な場合もありますので、これらの問題についてお悩みの方におすすめです。
ワイヤー矯正の種類
目立たないワイヤー矯正
口の中でワイヤーやブラケットがピカピカと光り、目立ってしまうのが恥ずかしい――従来のワイヤー矯正へのイメージは昔のものでしょう。
しかし今では、ワイヤー矯正の種類が大変豊富になっています。金属(メタル)のブラケット、ワイヤーを用いたものが安価でスタンダードではありますが、審美面を気にかける方のために、ワイヤー、ブラケットともにさまざまなものが開発されてきました。ワイヤーやブラケットそのものを白く、透明にすることで、目立たないように工夫されている装置も数多くあります。
また、歯の表側ではなく、裏側からブラケットを装着するもの(裏側矯正)も増えており、口元の美しさに配慮されたワイヤー矯正を選択できるようになりました。
ブラケットの種類
ワイヤー矯正の審美面を考えるうえで、重要なポイントのひとつがブラケットです。現在のブラケットは、かつてのものと比較すると小型化し、従来ほど目立たなくなりました。汚れがつくと金属面がくもるため、歯ブラシによるお手入れが比較的楽であることが、金属ブラケットのメリットです。
しかし、できるだけ目立たないものをとお考えの場合は、クリアーなブラケットを選択することができます。プラスチックの中にセラミックフィラーを閉じ込めたハイブリット素材のブラケットやプラスチックのブラケットは、審美面で優れているだけでなく、価格も比較的安価ですみ、金属のブラケットと治療期間もほぼ変わりません。
このプラスチックブラケットの素材をポリアミド樹脂に変更したクリスタルブラケットは、透明感と光沢感でよりいっそうすぐれているとのこと。さらに耐久性にもこだわりたいという方は、強度のあるジルコニアブラケットがおすすめです。歯が本来もつ質感が再現されるのも、ジルコニアブラケットの魅力のひとつだと言われています。
さらに、矯正治療そのものを楽しみたい、せっかくなら明るい気持ちで矯正期間を過ごしたいという方向けに、ブラケットにさまざまな色のゴムをつけてその色味を楽しむゴムリングなどもあり、ご自身の希望に合わせて選択することができます。
ホワイトワイヤーも選択可能
基本のワイヤーはメタル色になりますが、せっかく目立たない色合いのブラケットをつけるのならば、ワイヤーにもこだわりたいというのが本音かもしれません。見た目を重視される場合には、遠目にはほとんどわからない白色のワイヤーを用いることもできます。
ただ、治療の全ての段階でこの白色ワイヤーを用いることができない場合もありますので、事前にしっかりご確認ください。
ワイヤー矯正の費用と治療期間
治療期間のめやす
矯正治療の治療期間は、患者の口腔内の状態によって大きく変化します。虫歯や歯周病がある場合は、その治療を終えてからでなければ矯正治療に入ることができません。また、患者の骨格によっては、歯を抜いてスペースを用意する必要もあるため、それらの治療期間を考えると、かなりの違いが生じてきます。
ワイヤーによって歯を移動させる期間については、平均して2年から3年程度。中には6ヶ月から1年程度で終わる場合もあれば、3年以上かかる難症例もあります。歯を移動させる動的期間中は、1ヶ月から2ヶ月に1度、ワイヤーを調整するために通院する必要があります。そのため、通院しやすい環境が整っている歯科医院を選ぶことも矯正治療するうえでのポイントになるでしょう。
こうした動的矯正期間を終えてからは、動かした歯が後戻りしないように保定させる期間に移行します。この保定のための期間も、1年から数年にわたるケースがある一方でもっと長期に保定しなければいけないこともあるので一概には言えません。
ご自身の口腔内の現状をしっかり検査したうえで、矯正治療を担当する歯科医とカウンセリングを重ね、治療期間などについて確認する必要があります。
治療費用の目安
矯正治療を受ける場合、口腔内を検査したうえで、一人ひとりの現状に即した治療方法を提案してもらう必要があります。その際には検査・診断料という名目で、3万円から10万円程度の費用が発生します。さらに、上下の矯正治療を行う場合は、基本料として60万から100万円程度かかるとご認識ください。
透明な装置や白い装置を用いる場合は、5万円から20万円ほどの費用が上乗せされることが多いようです。また、1ヶ月から2ヶ月に1度のワイヤー調整に際しては、3千円から1万円程度の費用がかかります。
顎変形症やある種の先天的異常を除くほとんどのケースでは自費診療になるため、費用はどうしても高額にならざるをえませんが、医療費控除の対象となる場合もありますので、ご確認ください。
自分の要望にしっかり耳を傾けてくれる歯科医院選び
矯正治療を始めるのにしり込みする理由のひとつが、長期間にわたる治療が必要だということでしょう。何年もの間、定期的に通わねばならないというのは、覚悟のいることです。その間、歯科医と親密な関係を築いていなければ、治療期間中に生じた問題や悩みを打ち明けづらいこともあるでしょう。その見た目や費用と同様に重要なのが、自分の要望にしっかり耳を傾けてくれる歯科医、信頼のおける歯科医選びです。
大多数の歯科医院では、治療前のカウンセリング、相談の機会を設けています。矯正治療を受けたいと思われる方はまず、その歯科医、歯科医院が自分にとってよりよい選択であるかどうかを確かめるためにも、相談してみることをおすすめします。そのうえで、治療内容、期間、費用などの提案が希望に添うものをご選択ください。
より美しく、健康的な口内環境を実現するための最初の一歩をぜひ踏み出していただきたいと願っています。
近年、矯正治療法が多様化してきています。色々な矯正装置が開発されて、患者さんのお口の状態や求めに応じて装置を適切に使い分けるニーズがますます高まっています。
多種あるそれぞれの装置の特性を生かし、効率的に最善の結果が得られるようにする必要があります。それにはドクターの技術と豊かな経験が大切になります。長期間を要する矯正治療ですので実際に治療を始める前に、近さや値段だけで判断して失敗しないようにしましょう。いくつかの矯正歯科医に相談してその中でご自身にあった矯正治療法と出会えるように心がけるくらいの慎重さがあってもいいのではないかと思います。
監修ドクター:隅田 能英 歯科医師 あさひ矯正歯科医院 院長
歯列矯正でおすすめの歯医者さん 関東編
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