いつが最適?抜歯後にインプラント治療をするタイミング
インプラント治療には抜歯をしてからすぐにインプラント治療をする場合と抜歯をした後ある程度時間を置いてからインプラント治療をする場合があります。
同じインプラント治療を行うのになぜ抜歯後の治療のタイミングが異なるのか、また抜歯後の治療のタイミングでどのようなメリット、デメリットがあるのかについてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
木村 義昭 歯科医師(木村歯科医院 院長)
目次 -INDEX-
抜歯後のタイミングにおけるインプラント治療の種類
抜歯後のインプラント治療はそのタイミングによって3つの種類に分類されます。
抜歯後即時埋入法
抜歯後即時埋入法とは抜歯直後にインプラント体を埋入する方法です。抜歯後に傷んだ周りの組織を取り除いてきれいに洗浄した後、開いている穴の部分にインプラント体を直接埋め込む方法です。
難しい技術とされていましたが、材料と技術の進歩により現在では多くの歯科で行われている方法です。適応としては対象歯やその周りに歯肉炎などの炎症が無いこと、大きな骨欠損を伴わずに良好な初期固定が得られること、インプラント体を包み込めるほど骨に厚みや深さがあること。噛み合わせが良好で周囲の歯にも歯肉炎や虫歯などが無い人となります。
この治療方法は適応外の人もいることや、使用できるインプラント体にある程度制限が設けられてしまうことが特徴となります。
抜歯後待時埋入法
抜歯後1~3か月待ってからインプラントを埋入する方法で、目安は6か月程度待つとされています。歯周疾患や根尖周囲の病変を伴っており、その治療として抜歯を行った場合や治癒期間中に残存歯あるいは暫間補綴装置等での咬合機能回復が可能な症例となります。
これらの症例の場合は歯の骨の周りが吸収されてやせ細ってしまい、骨が少ないあるいは厚みが足りないという理由によって即時のインプラント埋入が困難となります。そのため、1~3か月ほど経ち、骨形成が始まったところでインプラント体を埋入するとインプラントがしっかりと固定されるようになるのです。
早期埋入
抜歯窩周囲の軟組織が治癒した状態となる1~4週間後、あるいは抜歯窩に部分的に骨が形成された状態となる12~16 週間後あたりにインプラント体を埋入する方法です。対象部位に炎症などが無い人が適応となります。
抜歯後のインプラント埋入タイミングにおけるメリットデメリット
抜歯後にインプラントを埋入するタイミングには種類があるということをお分かりいただけたうえで、この埋入のタイミングにおけるメリットとデメリットを見ていきます。
抜歯後即時埋入法のメリットとデメリット
抜歯後即時埋入法のメリットとはやはりすぐに治療を行えるというところと特に前歯部では歯茎を切開をしないため術後の歯茎の形が維持しやすく綺麗に補綴がしやすいという事があげられます。抜歯後即時埋入法の場合、治療は1回で済み、処置時間はおおよそ60分で終了します。また、治療期間も初診での検査からインプラントの製作および埋入、術後の検診まで含んでも3~4か月ほどで終了します。そのため、忙しい方でも治療を行いやすいという所がメリットとなります。
その他にも、歯を抜いてからすぐにインプラントを埋入するため改めて削る必要もないことから患者さんへの肉体的な負担や精神的な負担は軽く、痛みや腫れがすくないとされています。そんなメリットの多い抜歯後即時埋入法ですがデメリットもあります。
本来、抜歯後2~3か月後にインプラントを埋入するというようになっていて、手技を取得している医師が少なく、適したインプラントの種類の把握が必要なため、全ての歯科で確実に行えるわけではないということです。
次に、非適応の対象が多いという所です。抜歯後即時埋入法非適応者は、喫煙者、急性の炎症を起こしている抜歯した穴の部分の骨欠損が大きい場合などがあります。そのため、せっかく抜歯後即時埋入をしようとしたら、抜歯後に急に非適応者とされてしまうことも。状況によっては治療内容を変更されることもあり、これらがデメリットとなると考えられます。
抜歯後待時埋入法のメリットとデメリット
抜歯後待時埋入法のメリットは骨形成をしっかりと待つため、確実な固定ができ安定したインプラント治療が受けられるということです。また、顕著な骨変化がなくそのままインプラントを埋入することができれば最初の抜歯の時の傷が完全に治っているため感染症を起こしにくいというメリットもあります。
特に虫歯や歯周病などが悪化したことによって抜歯をしている場合は、その周囲の組織が炎症を起こしていることがほとんどです。その状態でインプラントを埋入すると感染症を起こす可能性が高くなります。抜歯時の傷だけでなく、抜歯した歯の周囲の組織が完全に治癒するのを待ってからインプラントを埋入できるということも特徴です。
デメリットはやはり外科的な処置を2回やらなければならないため、時間や歯科へ通う回数は多くなってしまいます。また、外科処置を2回行うという観点から1回の処置をする場合と比べて費用がかかってしまうというのもデメリットとなるでしょう。また、2回外科の処置をするため、痛みによる精神的な苦痛や肉体的な苦痛は大きくなります。
さらに、審美的な問題も出てきます。歯を抜いた後は詰め物を入れておきますが、やはり他の歯とは見た目が異なります。そのため、抜歯をしたということがはっきりとわかってしまうでしょう。審美的な意味もデメリットとして含まれるものと考えられます。
早期埋入のメリットとデメリット
早期埋入のメリットはやはり時間を置くという観点から傷をしっかりと治しているため、感染症などのリスクを背負うことなく確実にインプラントを埋入することができ、治療を受ける上で安心できるということもメリットになると考えられます。さらに対象部位に炎症が無ければ行える治療法なので、幅広い方が適応になることもメリットです。
一方でデメリットは時間を空ける分だけ、こちらもやはり費用と時間がかかってしまうこと。2度手術をするという観点から金銭面や肉体面、精神面の負担が大きいということです。特に早期埋入の場合は抜歯時に抜歯をした穴の形態維持や骨吸収の抑制のために骨補填材を併用する場合もあり、費用が余計にかかる場合もあります。
また、抜歯後待時埋入法同様に抜歯後に一時的に仮歯を入れることもあるため、審美的な観点もデメリットとなります。
抜歯後にインプラント埋入をする最適なタイミング
それでは、インプラントを抜歯後に埋入するのに際して最適なタイミングとはいつになるのでしょうか。
最適なタイミングは人それぞれ
抜歯後にインプラントを埋入する最適なタイミングは人それぞれです。抜歯後すぐにインプラントを埋入した方が良い場合もありますし、逆にすぐにインプラントを埋入することで感染症などのさまざまなリスクを背負う場合があります。
どのタイミングでインプラントを埋入するかは、検査などを行い歯科医が決定します。歯科医が最適なタイミングで抜歯後のインプラント埋入ができるように自分の現状を確実に説明し、検査をしっかりと受けるようにしましょう。
メリットやデメリットからインプラント埋入のタイミングを検討
抜歯後のインプラント埋入にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリット、さらには受けられる人と受けられない人がいます。自分がどのインプラント埋入法に適応しているのかどうかを知っておくことも大切です。
また、最終的に抜歯後どのタイミングでインプラントを埋入するかを判断するのは歯科医です。歯科医が正しい治療法を選択できるように検査を確実に受けるのと共に、自分がどのような治療を受けたいかを医師に伝えることが大切です。金銭面や時間をかけたくないなど自分の受けたい治療についてはあらかじめ歯科医に相談してみましょう。
その上で、自分の受けたい治療と受けられる治療が異なる場合には、セカンドオピニオンなどを活用することです。さまざまな専門医の意見を聞いて判断しても良いでしょう。
当医院では、インプラント治療は噛むことができるだけでなく、
痛みもなく、腫れも少なく、審美的にも満足できるインプラント治療を目指しています。
監修ドクター:木村 義昭 歯科医師 木村歯科医院 院長
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木村歯科医院
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