インプラントはここまで進化している!最新のインプラント治療法
インプラントと聞くと、どうしても「治療は長期間におよび負担も大きい」といったイメージがあるのではないでしょうか?
しかし、最近ではインプラントの治療技術も進化してきており、中には治療が即日で終わる方法も開発されています。
この記事では、従来のインプラントと治療の概要、最新のインプラント治療法についてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
森岡 千尋 歯科医師 医療法人輝翔会 理事長
目次 -INDEX-
従来の一般的なインプラント治療
最新のインプラント治療を紹介する前に、一般的なインプラント治療の概要と、そのメリット・デメリットについておさらいしておきましょう。
インプラント治療の概要
インプラントとは、失った歯の跡に人工の歯とその土台を埋め込む治療法です。
インプラントは土台となる「歯根部」、その上に取り付ける「支台部」、そして「人工歯」の3つから構成されます。
歯根部と支台部の材質はチタン、人工歯の部分はセラミックが一般的ですが、その他にもジルコニア、レジン、ハイブリッドセラミックなどさまざまな材質が使われます。
人工歯根型のインプラントはスウェーデンで開発された治療法で、日本での初症例は1983年と比較的新しい治療法です。
差し歯などに比べて仕上がりが自然な一方、保険が効かない治療のため治療費は高額な傾向にあります。
治療後1年以内は数ヶ月ごとにメンテナンスが必要ですが、多くの症例において2年目以降は年1回のメンテナンスで十分に健康な状態が保てるでしょう。
また、治療後10年間の平均的な残存率は90%となっています。
インプラント治療のメリット
インプラント治療を受ける主なメリットは以下の通りです。
- 見た目がとてもキレイ
- 根元から土台をつくるため、天然の歯と同等の噛む力が獲得できる
- 異物感がなく自分の歯と同じような感覚で噛むことができる
差し歯などは外見上どうしても不自然になりがちですが、インプラントはキレイなうえに自然な仕上がりになります。
また、土台からしっかりと埋め込むため、口の中に馴染みやすいのも大きな特徴と言えるでしょう。
インプラント治療のデメリット
インプラント治療を受ける主なデメリットは以下の通りです。
- 治療期間が長期におよぶ(ケースによっては半年以上)
- 体への負担が大きい
- 定期的なメンテナンスが必要
- 外科的手術が伴うため、全身疾患のある人は受けられないことがある
- 治療費が高額(1本30〜50万円ほど)
インプラントのネックは何といっても高額な治療費です。数本まとめて治療を行うと数百万円の治療費がかかることも珍しくありません。
インプラントの最新治療【負担を軽くする治療法】
インプラントは通常の虫歯や歯周病治療に比べて体への負担が大きな治療法です。
ここからは、そんな体への負担を最小限に抑えた最新治療を紹介していきます。
即日インプラント
通常のインプラントは、土台を埋め込んでからおおむね3ヶ月〜6ヶ月の期間をおいて次の治療に移ります。
一方、即日インプラントでは手術をしたその日に土台の挿入から仮歯の装着まで行えるため、すぐにキレイな白い歯を手に入れることができます。
ただ、この治療法は土台を支える顎の骨がしっかりした人しか適用できません。
天然歯がまったくない総入れ歯の人を対象に行われる「All-on-4」なども即日インプラントの一種です。
静脈鎮静法
インプラントは抜歯してからの治療が前提です。
通常の抜歯であればすぐに行えますが、高度な技術を要する治療法や即日治療の場合は、1日に数時間〜半日の長時間手術に耐える必要があります。
そんな長時間手術の際に活躍してくれるのが、静脈鎮静法です。
これは点滴による全身麻酔で、手術中の痛みを継続的に軽減してくれます。
抜歯即時インプラント
抜歯とインプラントを同日に行う方法です。
治療完了までの期間はトータルで3ヶ月〜6ヶ月と従来のインプラントに比べて短く、短期間のうちに治療をすませたい人におすすめです。
無切開インプラント
いわゆる「切らないインプラント」と呼ばれる治療法です。
従来のインプラントでは顎の骨の位置や状態を正確に把握するため、歯茎を切開・剥離するのが一般的でした。
しかし、無切開インプラントの場合はCTスキャンを用いて骨の状態を把握するため、歯茎を切開する必要がありません。
超音波治療器・光機能化技術
超音波治療器は骨の結合を促進してくれる機器で、治療後の定期的利用によってスムーズな結合をサポートしてくれます。
また、光機能化技術はインプラントに使用されるチタンの劣化を抑制し、キレイで丈夫な状態を長持ちさせてくれる機器です。
インプラントの最新治療【骨が薄い人向けの治療法】
これまでのインプラント治療は歯根の代わりに土台を埋め込むため、ある程度顎の骨が丈夫で厚い人しか利用することができませんでした。
しかし、最近では骨が薄い人でも利用できるインプラント治療が増えてきています。
ソケットプリザベーション
ダメになった歯を抜歯してそのまま放っておくと、その歯を抜いた周りの顎の骨がどんどんやせ細っていく「骨吸収」という現象が起こります。
骨吸収は進行するとインプラントを埋め込む顎の骨がなくなってしまうので、早急に対処する必要があります。
そんなときに活用するのがソケットプリザベーションです。抜歯した時点でその部分に人工骨を挿入して骨吸収を抑制します。
ソケットリフト法・サイナスリスト法
専用の器具を用いて上顎の空洞に骨をつくる方法です。
インプラントの土台となる顎の骨を人工的に作ることによって、インプラントを埋め込んだあとの耐久性を強化するのが主な目的です。
ソケットリフト法は、上顎洞庭の挙上量が比較的小さいとき、サイナスリフト法は上顎洞庭の挙上量が比較的大きいときに適用となります。
GBR法
GBR法(骨再生誘導法)は、インプラントに耐えられるだけの骨の幅や高さがないときに、十分な量の骨を強化・再生させる治療法です。
手順としては、骨を強化・再生させたい場所に骨を作るスペースを用意し、その中に専用の骨の元となる成分を注入し、骨の再生を促します。
GBR法(骨再生誘導法)はインプラントを埋め込む前に行う場合と、インプラントと同時に行う2パターンがあります。
骨を再生する部分が大きい人は、インプラントを埋め込む前に行う方法が適用となるでしょう。
以前は諦めていた人たちも利用できるようになったインプラント
従来のインプラント治療は半年以上の期間をかけ、抜歯からインプラントの埋め込み、そして仮歯の装着と順を追って治療していくのが一般的でした。
しかし、最近のインプラントでは、手術当日に抜歯から仮歯装着まで行ってくれる即日インプラントや、歯茎を切開しなくても治療できる無切開インプラントなど、患者さんの負担が少なく短期間で治療できるものが徐々に増えてきています。
また、これまでのインプラントは「ある程度顎の骨がしっかりしていないと利用できない」というのが通説でした。
これも、最近では足りない部分の歯を再生させて治療を行う「GBR法」、上顎の空洞に人工の骨をつくって顎の骨をサポートする「ソケットリフト法・サイナスリフト法」などさまざまな方法が開発されています。
これまでに、「治療に時間がかかるし、歯がない状態があるのは嫌だな」と思ったり、「顎の骨が弱いからインプラントを断られた」といった経験をしたり、歯科医院へなかなか足が延びなかった方は、一度、最新の治療を検討してみてはいかがでしょうか。
インプラント治療は、勘や経験則だけに頼るものではなく、理論と技術の裏付けが必要だと考えています。
医療事故を防ぐ意味でも、客観的な視点が求められるでしょう。
例えば当院では、インプラント体と骨の結合状態を確認する際、「オステル」という専門機器を使った数値評価を行います。
数ヶ月がたったから結合した「だろう」、この症例ではもっと短くても大丈夫な「はずだ」といった推測は、あくまで一般則。患者様個人とは、何の因果関係もないのです。
したがいまして、インプラント治療を受ける際は、設備の充実はもちろん、納得のできる説明をしてくれる医院が好ましいでしょう。
医師という人で選ぶのも、大切な考え方です。
監修ドクター:森岡 千尋 歯科医師 医療法人輝翔会 理事長
インプラント治療でおすすめの歯医者さん 近畿編
西大津歯科医院
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