奥歯をインプラントにするメリットと注意したい値段の落とし穴
虫歯や外傷などで欠損した奥歯を放置していないでしょうか。そのままにしておくと健康に悪影響を与える恐れがあることから、インプラントによる治療を検討する人が増えています。しかし、インプラントは高いというイメージがあり、なかなか治療に踏み切れないと思います。
そこで、奥歯をインプラントにするメリットとともに、値段の相場、あるいは費用面でのトラブルを防ぐために注意したいポイントについて、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
鈴木 宏尚 歯科医師 NSデンタルオフィス 院長
目次 -INDEX-
奥歯の欠損と健康への影響
正常な大人の歯は、親知らずを含めると上下とも16本ずつあり、合計32本の歯が生えてきます。しかし、生まれつき歯が欠損していたり、虫歯や歯周病、外傷などによって歯が失われたりすることがあります。
前歯周辺の歯が欠損した場合、見た目への影響から放置する人は少ないでしょう。他方、奥歯の場合は歯がないことに気づかれにくいため、奥歯の欠損を放置してしまう人が多いといわれています。
奥歯の欠損を放置してはいけない理由
昨今の歯科医院では、見た目に影響しない奥歯であっても、やむを得ない場合を除き抜いたり削ったりせず、できるだけ歯を残す治療が主流となっています。なぜなら、機能面や健康に悪影響を与える可能性があるためです。
歯が1本でもなくなると隙間ができ、欠損部に隣接した歯が倒れて、噛み合わせを悪くする場合があります。すると、口腔(こうくう)全体で虫歯や歯周病といった歯のトラブルを起こしやすくなるだけでなく、歯を支えている骨に影響して顔の歪みを起こす可能性すらあります。加えて、肩こりや頭痛などの原因になることもあるため、奥歯1本であっても放置しないようにしましょう。
奥歯の欠損は認知症の発症にも影響
ある研究報告によると、口腔機能や環境がよい状態の高齢者には、認知症発症者が少ないそうです。そこで、厚生労働省と日本歯科医師会では、80歳以上でも自分の歯を20本以上残そうという「8020(ハチマルニイマル)運動」に取り組んでいます。
噛み合わせの悪い状態が続くと、しっかりと食べ物を噛むことができず、脳への刺激が弱くなり、認知症になるリスクが高くなります。将来的な健康のためにも、欠損した歯は治療によって補い、しっかりと噛める状態を保つことが大切です。
奥歯をインプラントにするメリット
失った歯の治療方法はいろいろありますが、機能的で審美的な回復を目的にするのであれば、インプラント治療という選択肢があります。インプラント治療とは、人工の歯根に義歯を固定する治療のことです。奥歯をインプラントにするメリットとしては、以下の3つがあげられます。
噛む力がこれまでとほぼ変わらない
入れ歯やブリッジは、失った歯の周囲にある歯に支えてもらう必要があるため、噛む力は弱くなりやすいです。しかしインプラントの場合、他の歯に影響を与えず、しっかりとした土台で支えるため、天然歯と同じように機能してくれます。
違和感のない使用感
インプラントは、顎の骨に土台となる歯根を埋め込み、その上に人工歯をかぶせるため、安定性に優れており、違和感なく使用できるのも特徴です。正しく装着できていれば、入れ歯などのようにぐらつく心配もありません。
周囲の歯を傷つけない治療
インプラントは、ブリッジや入れ歯と異なり、周囲の歯へ負担をかける心配がありません。失った歯の周囲にある健康な歯を傷つけずに治療できるため、多くの歯科医院が目標としている、「抜かない、削らない治療」を可能にしています。
インプラント治療費と奥歯1本の値段
奥歯のインプラントにはメリットが多いものの、インプラント治療にどれくらいの費用がかかるのか心配という方も多いでしょう。
治療費は全額自己負担が基本
虫歯などの一般的な治療の場合は保険適用になりますが、インプラントは自由診療とされているため、健康保険が使えず、全額自己負担となります。自由診療メニューは、歯科医院がそれぞれ価格を決定できるため、インプラントの治療費は歯科医院によって異なります。
同じ内容でも、費用が大きく異なることもあるため、費用を抑えたいという人は、いくつかの歯科医院で見積もりをしてもらって検討するのがベストです。
医療費控除は対象
医療費控除とは原則として、自分や生計をともにしている家族の医療費の合計が10万円を超える場合、確定申告をすることで所得控除が受けられるという制度です。具体的な控除額は、所得やローンの額によって異なる場合があります。インプラント治療は健康保険対象外ですが、医療費控除は対象になるため、領収証などを大切に保管しておくようにしましょう。
治療費の内訳
インプラント治療では、土台となる人工の歯根を顎の骨に埋め込む必要があるため、インプラントの材料費以外にもさまざまな費用が必要になります。奥歯1本のインプラント治療費は、30万円から50万円くらいが相場とされています。治療費の主な内訳としては、「精密検査」、「手術費用」、「補綴費用」です。奥歯1本をインプラント治療した際の費用例について見ていきましょう。
事前の診察や精密検査費用
行う検査項目によって異なるものの、1万5,000円から5万円くらいが目安です。検査項目は、歯や歯茎の健康状態をチェックする診察、X線検査やCT検査、口腔内の写真撮影費用や診断料などです。X線検査やCT検査を行うと高額になる傾向があります。
インプラントの手術関連費用
相場は、15万円から35万円です。土台となるインプラント、手術で使う機器の使用代、技術料などの費用が手術関連費用にあたります。施術回数や使用するパーツの材質なども費用に影響することが多く、インプラント治療費の大きなウエイトを占めています。
補綴(人工歯)費用
人工歯に使われている材質によって費用が大きく異なりますが、相場は4万円から20万円とされています。人工歯を装着するときに使用する接着剤代も補綴費用に含まれるケースが多いです。
その他の費用
初診料や再診料、抜歯する場合は抜歯費用、治療期間中に使用する仮歯代など、インプラント治療費とは別に、数千円から数万円程度の費用が発生することがあります。
奥歯のインプラントの値段における注意点
全額自己負担が一般的なインプラント治療では、費用そのものに注目しがちで、安さを求める人が多いようです。しかし、値段を抑えることで、十分な検査が行われなかったり、使う材料に影響がでたりします。
材質の特徴をチェック
奥歯の場合、口を大きく開けないと見えない部分のため、患者の希望に合わせてローコストな被せ物を使用することがあります。しかし、使用する材質によっては強度がなく、長期間の使用によって欠けたり、割れたりする可能性があります。長期的に考えたとき、少し割高でも安心感のある素材を選ぶ方がよいこともあるため、わからないことは質問し、よく理解してから選ぶようにしましょう。
値段の詳細を把握
インプラントにかかる費用はいろいろあります。費用の詳細を把握せず治療を受けてしまうと、最終的に高額な費用が請求されるというトラブルにつながりかねません。カウンセリングの際に見積もりを提示されたら、どのような費用が含まれているのかを確認するようにしましょう。特に、手術の際に使用される麻酔代や抜歯代、治療中の仮歯代などはオプションとしているケースが多いため注意しましょう。
奥歯のインプラントは値段の落とし穴に注意
見た目もきれいで、今までと同じ機能が期待できることから、奥歯をインプラントで治療する人が増えています。しかし、インプラント治療は全額自己負担が基本で、高額な治療費となりやすいことから、多くの人がコストを抑えたいと考えます。
奥歯は前歯と異なり、日々の異変や異常に気付きにくい傾向があります。ここが、落とし穴です。値段に執着しすぎると、詳しい検査が行われなかったり、強度の弱い材質を使用した影響で後々人工歯が欠けたり、何らかのトラブルを起こす可能性があります。
奥歯1本をインプラントにしたときの相場は、30万円から50万円といわれています。相場より格安な見積もりの場合、治療に必要な検査や麻酔代などがオプションとなっており、結果的に請求額が高額になることも考えられます。奥歯をインプラントで治療しようと考えているのであれば、提示された見積もりをよく確認することが大切です。詳細が分からないときは、医師やスタッフに質問し、治療後の費用に関するトラブルを防ぎましょう。
監修ドクター:鈴木 宏尚 歯科医師 NSデンタルオフィス 院長
インプラント治療でおすすめの歯医者さん 中部編
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