インプラント専門医とはどのような存在なのか調べてみました
最近の歯科治療では、歯を失った方に対する治療法としてインプラントが注目されつつあります。それと同時に歯科医院の中にはインプラント専門医が治療を担当する歯科医院も増えてきています。今回はインプラント専門医がどのような存在なのかを説明していきたいと思います。インプラント専門医について、Medical DOC編集部がお届けします。
村瀬 俊彦 (むらせ歯科医院 院長)
目次 -INDEX-
インプラント治療の概要
虫歯や歯槽膿漏などによって歯を失った際の治療法は入れ歯やブリッジが一般的でしたが、最近では第三の治療法としてインプラントを使った治療法が注目されています。そこで、まずはインプラントがどのような治療法なのかを説明したいと思います。
インプラントは「第二の永久歯」
何らかの事情で歯を失ってしまうと、食べ物を噛むことが難しくなります。特に永久歯は一度失ってしまうと二度と生え変わることはありません。そのため、最近「第二の永久歯」としてインプラント治療が注目を集めています。歯を失った部分の顎骨(がくこつ)にインプラントと呼ばれる金属製の歯根を埋めて、そのインプラントに義歯をつける治療法で、一本の歯を失った場合から全ての歯を失った場合まで適用できる治療法です。
差し歯とインプラントの違い
実際に歯科治療を受けている方であっても、差し歯とインプラントの違いをご存じない方が多いようです。インプラントは金属製の歯根を顎骨の中に埋め込む治療法であることは前述したとおりです。一方、差し歯は歯の中に金属の土台を埋め込む治療法です。
つまり、差し歯治療を希望する場合は金属の土台を埋め込むために、一部でも歯が残っている必要があります。歯根も含めて歯そのものを全て抜いてしまった場合は差し歯治療ではなく、インプラント治療が必要です。
インプラント治療を受けるための費用
インプラント治療は自由診療ですので、虫歯の治療などとは異なり健康保険は適用されません。よって、インプラント治療の費用は歯科医院ごとに異なります。歯科医院によって価格帯の上下はありますが、一般的にはインプラント一本あたり約30万円前後の費用が必要になる場合が多いようです。健康保険が適用される差し歯治療とは大きな価格差が存在します。
インプラント専門医制度
インプラント専門医とはインプラント治療に関して、一定以上の経験と知識を所持している歯科医師の肩書きです。インプラント専門医は日本口腔インプラント学会において、様々な条件を満たした歯科医師のみが取得できます。
インプラント専門医とは
一般的に専門医制度とは各々の診療領域において充分な知識と経験を所持しており、患者さんから信頼される標準的な医療を提供できる医師を学会が認定する制度のことです。つまり、専門医に認定されるということは、学会から一定の質を保証された歯科医師だということです。インプラント専門医の場合は、社団法人日本口腔インプラント学会がインプラント治療の経験や知識を充分に所持していると認める歯科医師に対して認定書を交付しています。
インプラント専門医になるための条件
社団法人日本口腔インプラント学会が認定するインプラント専門医になるためには、学会が指定した研究施設に一定期間以上在籍していること、インプラントに関する論文の提出、定められたインプラント手術の経験など、10以上の厳しい条件をクリアする必要があります。つまり、インプラント専門医を掲げている歯科医師は、インプラント治療に関しては知識と経験が豊富であると思っていただいて大丈夫です。
5年ごとの更新制
インプラント専門医の資格は5年ごとの更新制です。更新するためには社団法人日本口腔インプラント学会において研究や症例の発表や論文を投稿するなど、学会の定めた条件を満たすことが必要です。また、実際の更新時には社団法人日本口腔インプラント学会による審査があり、専門医資格を取得した後に3年以上経過した3つの症例をレポート形式で報告することが必要です。
つまり、インプラント専門医の資格を無事に取得したとしても、常に知識と技術を研鑽し続ける必要があるということです。
インプラント専門医による治療を受けるメリット
現在、歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われており、インプラント治療を売りにしている歯科医院も無数に存在します。そのような状況下で、わざわざインプラント専門医を掲げている歯科医院で治療を受けるメリットはどこにあるのでしょうか。
豊富な知識と経験に基づく治療が期待できる
日本口腔インプラント学会が認定するインプラント専門医の資格を持つ歯科医師は、全員がインプラント治療に関する一定以上の知識と経験を有すると学会が認定した歯科医師ばかりです。つまり、インプラント治療に関する標準的な診断や治療方法の選択、適切な処理を実施できる歯科医師という証であり、間違いのない歯科医師選びの一つの目安となります。
更新制の資格なので最新の知識を取り入れた治療を受けることができる
前述したように、インプラント専門医の資格は5年ごとの更新制です。更新には社団法人日本口腔インプラント学会への参加や症例のレポートが義務付けられていますので、インプラント専門医になった後も絶え間ない研鑽が必要です。
つまり、インプラント専門医は症状や治療に関する最新の知識を得る機会が多いということです。最新の知識の中には従来の治療法と比べて、肉体的、金銭的な面で患者さんの負担を軽くするようなものも多数含まれていますので、インプラント専門医による治療を受けるメリットの一つと考えることができるでしょう。
特殊な症例でも対応してくれる可能性が高い
インプラント専門医の資格を維持するためには、社団法人日本口腔インプラント学会への積極的な参加が必須です。学会では新しい症例から珍しい症例まで、様々な症例についての研究発表が実施されていますので、インプラント専門医には新しい症例や珍しい症例に関する対応力も備わっていると考えられます。
インプラント専門医の肩書きはあくまで歯科医師選択の一助
ここまでインプラントと専門医に関する事柄を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。確かにインプラント専門医とは社団法人日本口腔インプラント学会が認定する「インプラント治療に関して一定以上の知識と経験を所持する歯科医師」のことですが、あくまでも肩書きの一つであり、治療の安全性や正確性を保証するものではありません。
インプラント専門医の肩書きがなくてもインプラント治療を得意とする歯科医師はたくさんいますので、インプラント専門医でなければレベルが低い、安心できないということでは決してありません。インプラント専門医の肩書きは、あくまでも歯科医師を探す一つのポイントとして考えていただき、それぞれの判断で安心できる歯科医師を探していただきたいと思います。
しかし、この部分を事前に知ることは非常に難しいのが現実です。
○○○の資格を持っている、○○○に留学して勉強をしてきた、○○○本の実績!・・・・なども1つの参考情報とはなりますが、あくまで参考にしかなりません。では、どうしたらよいかと言えば、非常に原始的ですが、「直接ドクターと話す機会を設け、そのドクターの人間性を知る」ことしかないのかなと思います。
インプラントはすべてにおいて最高の治療ではありません。デメリットも存在しますし、ケースによっては入れ歯・ブリッジの方が適切な場合もあります。また、患者様の経済事情、好みなどにより治療法は変わってきます。
患者様のお口の状態や体の状態、そして何よりも患者様の希望をしっかり把握した上で、どのような選択肢があるのか、そしてどのようなメリット・デメリットが存在するのかを患者様が納得するまでしっかりと説明し、最終的には患者様に判断して頂く。
この姿勢があるかどうかが「信頼できる医院」の1つの基準だと思います。
監修ドクター:村瀬 俊彦 歯科医師 むらせ歯科医院 院長
インプラントでおすすめの歯医者さん 関東編
むらせ歯科医院
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