歯列矯正した方がよい噛み合わせとは?その基準や治療の概要など
歯の噛み合わせは個人差が大きく、悪い噛み合わせをそのまま放置しておくと、痛みが出たり、虫歯や歯周病になりやすくなったりしてしまいます。あなたの噛み合わせは大丈夫でしょうか?
この記事では、良い噛み合わせと悪い噛み合わせを判断する基準、悪い噛み合わせになる原因、そして噛み合わせを改善するための歯列矯正についてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
白川 哲也 歯科医師 ライフデンタルクリニック 院長
目次 -INDEX-
悪い噛み合わせと良い噛み合わせを見分ける基準
「悪い噛み合わせ」と言われても、具体的にどういったものが悪い噛み合わせなのかがわかっていないと、治療に行くべきかどうか判断できません。
ここからは、悪い噛み合わせと良い噛み合わせを判断する基準をいくつか紹介していきます。
前歯の位置
良い噛み合わせの前歯の位置は、上の前歯が下の前歯よりも2~3mmほど出ている状態です。一方、悪い噛み合わせは、下の前歯が上の前歯より前に出ていたり、3mmよりも大幅に上の前歯が出ていたりします。
また、前後だけでなく左右の位置も重要です。歯並びが良い噛み合わせの場合、上下の前歯の真ん中が一直線上に揃います。一方、悪い噛み合わせだと、上下の前歯は左右にずれて一直線にはなりません。
上下の歯の噛み合わせ
良い噛み合わせだと、上下の歯を閉じたときに隙間がなくしっかりと噛み合います。一方、悪い噛み合わせだと上下の歯と歯の間に隙間ができ、歯がかっちりと噛み合うことができません。
歯と歯根の並び
歯と歯が接している部分は「コンタクトポイント」と呼ばれ、良い噛み合わせだとこの部分にズレがありません。一方、悪い噛み合わせだとコンタクトポイントがズレたり、歯と歯の間に隙間ができたりします。
また、歯は見えている部分以外にも、歯茎の中でそのまま下に生え続けています。その見えない部分である歯の根っこ(=歯根)が、レントゲンで撮影したときに並列になっているのが良い噛み合わせです。悪い噛み合わせだと、並列にはならずガタガタしてしまいます。
顎関節への負担と輪郭
良い噛み合わせだと顎関節(奥歯と耳の間辺り)への負担は少なく、歯を閉じた時に痛みを感じることはありません。一方、悪い噛み合わせだと顎関節への負担が大きく、何かを噛んだときに痛みを感じたり、顎関節症のリスクが高くなったりします。
また、悪い噛み合わせだと横からみたときの輪郭が、上の前が突き出ていたり、顎が突き出ていたりするなど崩れてしまいます。
悪い噛み合わせになってしまう原因
悪い噛み合わせとはどういうものか、何となくイメージをしていただけたでしょうか?
ここからは、そんな悪い噛み合わせをつくってしまう原因をいくつか紹介していきます。
子どもの頃からのクセ
幼少期に指をしゃぶったり、何かを噛んだりするクセがあった人は噛み合わせが悪くなってしまいがちです。こどもの歯は未熟で発育段階にあるため、こうしたクセで簡単に歯が曲がってしまうのです。
食習慣
小さい頃から柔らかいものばかり食べてきた人は、噛む力が発達しにくく、骨格が弱くなりがちです。そのため、噛み合わせが悪くなる傾向にあります。
虫歯や歯周病
虫歯になると、歯が溶けたり治療の際に歯を削ったりするため、元の自然な歯並びが崩れてしまいがちです。また、歯周病も進行すると歯や歯を支える歯茎が弱くなり、噛み合わせが崩れてしまいます。
さらに、悪い噛み合わせは歯磨きがしにくく虫歯や歯周病にかかりやすいので、余計にそれらの症状を進行させてしまうのです。
遺伝や加齢
噛み合わせが悪くなる原因は、自分ではどうしようもない場合もあります。
例えば、遺伝で生まれつき歯並びや噛み合わせが悪い人などはこれに該当するでしょう。また、加齢によって歯茎はどうしても弱くなってしまいます。そのため、年を重ねると歯が動きやすくなり、それに伴い噛み合わせは崩れやすくなってしまうのです。
噛み合わせを改善する歯列矯正の概要
ここからは、噛み合わせを改善するために行われる歯列矯正の概要やメリット・デメリットなどを解説していきます。
歯列矯正の概要
歯列矯正とは、その文字通り「歯列」=「歯並び・噛み合わせ」を矯正する治療法です。歯列矯正には以下のような種類があります。
1:ブラケット矯正
もっとも代表的な矯正治療で、ひとつひとつ歯に矯正装置をつけて動かしていく方法です。いくつかある治療の中で、もっともキレイに歯列を矯正できますが、口を開けたときに矯正器具が目立つという難点もあります。費用は80万円ほど、治療期間は2年半~3年ほどです。
2:裏側矯正(舌側矯正)
ブラケット矯正とは異なり、矯正器具を歯の裏面だけにつけて歯並びを整えていく方法です。見ただけでは矯正をしているとはわからないので見栄えがよい一方、治療費も高額です。費用は120万円ほど、治療期間は3年ほどです。
3:マウスピース矯正
ボクシングなどで利用される歯型(=マウスピース)を利用して歯並びを整えていく方法です。歯を動かす範囲が小さいときに適用となり、大幅な歯列矯正では適用となりません。費用は80万円ほど、治療期間は1~2年ほどです。
4:部分矯正
気になる部分をピンポイントで矯正する方法です。治療費は15~80万円ほど、治療期間は3ヶ月~1年ほどです。
歯列矯正のメリット
歯列矯正には以下のようなメリットがあります。
- 歯並び、噛み合わせが整う
- 悪い噛み合わせによる痛みがなくなる
- 歯磨きがしやすくなり虫歯や歯周病にかかりにくくなる
- 顔、輪郭のバランスが良くなる
- コンプレックスが解消できる
歯列矯正のデメリット
歯列矯正には以下のようなデメリットがあります。
- 治療中に痛みを伴う
- 治療費が高額
- 治療中に歯茎が下がることがある
- 後戻りしやすいので、治療後も後戻りを防ぐ装置をつけておく必要がある
歯列矯正をしてコンプレックスを解消
歯並びや噛み合わせが悪いと、それが原因で人前でしゃべったり笑ったりするのが苦手になってしまうケースも珍しくありません。また、悪い噛み合わせはコンプレックスなどの精神的なデメリットだけでなく、痛みの発生、虫歯や歯周病になりやすいなど身体的なデメリットにもかかわってきます。
歯列矯正は、治療費が数十万~と高額なだけでなく、治療期間も数年単位と長期に及ぶ治療です。ただ、その分治療が終了したときの精神的・身体的なメリットはかなり大きな治療と言えるでしょう。
歯は一生モノの器官です。もし、自分の歯並びや噛み合わせで日常生活に何らかしらの不都合を感じているのであれば、一度治療を検討してみてはいかがでしょうか?
監修ドクター:白川 哲也 歯科医師 ライフデンタルクリニック 院長
噛み合わせ・歯列矯正でおすすめの矯正歯科 九州編
ライフデンタルクリニック
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