子供の歯がグラグラする原因は永久歯への生え変わりだけではない 考えられる原因と対処法
子供の歯がグラグラするのは乳歯が永久歯に生え変わるから。と思い込んでいませんか?原因は、それだけではありません。歯の怪我などによっても、歯がグラグラしてしまう事があります。歯の怪我による場合、なるべく早い適切な治療がとても大切になります。子供の歯のグラグラについて、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
上杉 容子 歯科医師 上杉歯科医院
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子供のはがグラグラする原因について
子供が昨日まで美味しそうになんでも食べていたのに、急に食べづらそうにしたり、固いものを嫌がったりしている場合、歯がグラグラしている可能性があります。原因にはさまざまなものがあり、乳歯が大人の歯に生え変わるためや、転んだり、ぶつかったりしている場合などが考えられます。
乳歯から生え変わるための場合、どうせ抜けるのだからと無理に抜くと、歯茎が裂けたりする可能性があるため、絶対にやめましょう。また、歯がグラグラしているのは、生え変わりのためになのか、どこかで歯をぶつけたせいなのか分からない。という場合は、歯科医師に相談する事が大切です。
表面的には何の問題もないように見えても、見えづらい部分の歯が欠けてしまっていたり、折れてしまっていたりする可能性もあります。また、そのような場合、歯の中心にある神経にまで影響が出ているかどうかで、治療の仕方も大きく変わってきます。そして、乳歯の場合、いずれは全て生え変わりますが、それには数年単位の時間を要します。そのため、生え変わるまでにはまだまだ時間がかかる乳歯の場合も、症状に合わせた適切な治療が必要となります。
乳歯から永久歯への生え変わりによってグラグラしている場合
子供の乳歯は6歳前後から少しずつ生え変わり始めます。生え変わりの目安は、前歯が6〜9歳前後、犬歯が9〜12歳前後、臼歯が10〜12歳前後となっています。
乳歯は全部で20本あり、生え変わりは歯が不安定な感じから始まり、次第に歯が揺れるようになってきます。その頃になると、食事やおやつの度に噛みづらく痛がったり、場合によっては出血したりします。そして、この不快感はしばらく続きます。解放されるためには、その歯に糸を結びつけて引っ張って強引に抜く。という昔ながらの方法もありますが、乳歯が抜けやすい状態にまでなっていないと、失敗し、ただ痛いだけだったり、場合によっては、歯茎が避けたりしてしまう危険もあるので、おすすめは出来ません。
通常、乳歯は、生え変わりの時期になると、その乳歯の根っこを少しずつ溶かしていきます。根っこが溶けてきた乳歯はぐらつき始め、やがて自然と抜け落ちて行きます。そのため、ぐらつき始めてから自然と抜けるまで数ヶ月かかります。根っこが溶けきっていないのに乳歯を無理矢理抜く行為は、乳歯の根っこを折ってしまう可能性もあるのです。
とは言え、いつまでも口の中で歯が抜けそうな状態でいるのは、気になって仕方がないものですよね。自然に抜けるまで待つのは時間がかかりすぎるから待てない。という場合は、無理のない範囲で自分の舌や指先でグラグラしている乳歯を揺らして、自然に抜けるのを促してやりましょう。揺れていた歯が取れそうなくらいグーラグラとなってきたら、やがて、乳歯と歯茎の肉がわずかに繋がっている程度になってきます。そうしたら、優しくそっと引っ張ってみましょう。それでも、痛みがある場合は、数日待ってから再度引っ張ってみましょう。
乳歯の生え変わりで歯科医師にみてもらった方が良い場合
乳歯からの生え変わりの際も安定していなかったら、歯科医師にみてもらった方が良い場合がいくつかあります。
なかなか抜けなくて痛い場合
グラグラし始めてかなり経つのに、なかなか抜けなくて痛い。かなり揺れているのに抜けそうになくて、食事の度に痛くて辛い。などの症状は奥歯の場合によく起こります。このような時は、一度、歯科医師にきちんとみてもらい、抜いてもらうのも良いでしょう。
乳歯が抜ける前に永久歯が出てきた場合
乳歯が抜ける前なのに、同じ位置の歯が生えてきてしまった場合は、歯科医師でその乳歯を抜いてもらうのがおすすめです。
反対側の歯が抜けたのに、抜けそうにない場合
乳歯は同じぐらいの時期に左右対称で生え変わるとされています。そのため、右側は生え変わったのに、左側は生え変わる気配がない場合など、歯科医師にみてもらいましょう。
乳歯が抜けても永久歯が生えてこない場合
乳歯が抜けても、なかなか生えてこない場合がたまにあります。そのような場合は歯科医師にチェックしてもらい、必要ならば、歯茎を少し切開するなどの処置が必要となる可能性があります。
乳歯がきれいに抜けない場合
乳歯が虫歯にかかってしまっている場合、ぼろぼろになってきれいに抜けない事が多くあります。乳歯が抜けたと思っても、かけらが残ってしまっている事もあるので、全て抜けているかどうか、歯科医師に確認してもらいましょう。
歯の怪我によってグラグラする場合
伝い歩きや一人歩きが出来るようになる1〜3歳頃や、小学校に入り行動範囲が大きく広がり活発な時期になると、思わぬ怪我もしやすくなります。
1〜3歳頃は、時期的にまだまだ歩行が不安定でつまずくものがなくても簡単に転びやすいため、転んだ拍子にテーブルの角やおもちゃなどで口元をぶつけたりして、乳歯をぶつけてしまう事があります。また、歩き方がしっかりしてきても、小学校に通う頃になると、今度は、それまで以上に行動範囲が大きく広がりより活発に動くようになります。そのため、転ぶだけでなく、遊具や高い場所から転げ落ちる、友達とのふざけ合いなどの中で乳歯や永久歯を怪我してしまう場合があるのです。
なんらかの原因で歯が欠けたり、折れたりした場合、それが歯の中心部分にある神経にまで影響を及ぼしているかで、治療の仕方は変わってきます。神経には影響がなく、歯が少しばかり欠けただけならば、欠けた歯を接着する事、歯と同じような色のプラスチックの充填剤を使用して欠ける前の形に修復する事も可能です。しかし、折れた歯の面に歯髄と呼ばれる歯の神経がのぞいていたり、出血してしまっていたりする場合は、歯髄の一部を取り除いて治療をしなくてはなりません。その治療は早ければ早いほどに成功率が高くなるとされているので、歯を怪我した場合は、なるべく早く歯科医師の治療を受ける事がとても大切です。
そして、何度も頻繁に転んでしまう子供の場合、足の生育に原因がある可能性も考えられます。足指がしっかりと広がらず、縮こまっていたり曲がったりしている場合、地面を足指でしっかりとつかむ事が難しいため、どうしても、転びやすくなってしまうのです。
原因に合わせた適切な対応が大切
子供の歯がグラグラする原因は、乳歯が生え変わり、そして、歯の怪我などが主になります。特に「歯が生え変わる時期だから、仕方がない。」と安易に考えてしまうと、乳歯が抜ける前に永久歯が出てきてしまったり、左右対称に生え変わっていなかったりするなどのトラブルを見過ごしやすくなります。
いずれ生え変わるから。と軽く考えず、乳歯のグラグラがあまりに長く続いたり、生え変わる時期ではないはずなのにもう乳歯が抜けてしまいそうなど、気になる部分がでてきたら、迷わず歯科医師に相談するようにしましょう。また、子供だから転びやすいし、仕方がないと見過ごしてしまわず、子供の足指や姿勢などもチェックする事が大切です。
そうなると日常生活にも影響が出てしまいますが、お子さんが歯医者を怖がってしまうのではないかと通院をためらう保護者様もいらっしゃるかもしれません。
当院では女医が担当医、お子さんも安心して話を聞いてくれます。たぶん、お母さんたちと同年代に見えるからでしょうか?お子さんも素直に痛いところや症状を教えてくれますし、泣き止まないお子さんでも、治療を承っています。ちょっと我慢してもらうことを、優しく丁寧に説明しています。落ち着いて椅子に座れるようになってから、治療をはじめていますので、ご安心ください。
特に乳歯がまだ抜けていない間に、永久歯が見えてくるようになったら、今後の歯並びにも大きく影響してきますので、すぐに診察を受けていただきたいと思っています。悩まれる前にぜひお気軽に足をお運びください。
監修ドクター:上杉 容子 歯科医師 上杉歯科医院
小児歯科でおすすめの歯医者さん 関東編
上杉歯科医院
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