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「小児矯正はいつから始めれば良いの?」という疑問に答えます

 更新日:2023/03/27

小児矯正はいつから始めれば良いか、いまいちわからないという声が多く聞かれます。3歳を過ぎた頃から矯正治療は可能となりますが、できるだけ早めに1期治療を開始することで顎の骨を広げやすくなり、よりスムーズな2期治療に繋げることができます。

2つの段階に分けて行われる矯正治療や、より早期の治療開始が望まれるケースについて、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
保坂 晃一郎 歯科医師 四つ木歯科クリニック 院長

小児矯正の開始時期と治療の進め方

3歳を過ぎたら2つの段階にわけて治療を実施

歯並びに乱れあるお子さまに小児矯正をいつから開始すればよいかわからず、不安を抱えている親御さまは少なくありません。ほんとうに矯正治療が必要であるのかということも判然としないまま、時間ばかり過ぎてしまうというケースも多く聞かれます。

小児矯正は3歳を過ぎた頃からいつからでも開始することが可能です。しかし、適切なタイミングで治療を開始することにより、治療に伴うさまざまな負担を軽減し、スムーズに治療を進めやすくなります。まずは、2つの段階にわけて治療計画が検討される小児矯正について正しく理解することが矯正治療の開始への第一歩です。

3歳から小学校高学年までの時期に行われる1期治療

小児矯正では、まず顎の骨を広げるための1期治療を行います。

歯並びの乱れは狭い顎の骨に並びきれない歯が前後に押し出されることが原因です。成人矯正では抜歯を行うことで歯が並ぶスペースを作り出しますが、1期治療では骨格矯正を行うことで、顎の骨の発達を利用しながら歯が無理なく並ぶことができるスペースを確保していきます。

骨格矯正は床矯正装置やマウスピース、フェイシャルマスクなどによって進められます。床矯正は歯の内側に板状の矯正装置を取り付けて顎の骨を少しずつ広げる治療方法で、多くの歯科医院で行われています。歯科医院によっては取り外しが可能なマウスピースや上顎の成長を促しながら下顎の成長を抑制するフェイシャルマスク(上顎前方牽引装置)が使用されます。

お子さまの歯並びの状態によっては、床矯正とフェイシャルマスクを併用して1期治療が行われるケースも見られます。いずれの方法の場合でも、顎の骨が発達を利用しやすい3歳から小学校高学年までの時期に骨格矯正が行われます。

歯並びそのものを整える2期治療

顎の発達が進んだ状態のお子さまに適応となる2期治療は、広がった顎の上で歯並びそのものを整えていくことを目的に行われます。12歳頃を過ぎると2期治療が行われます。

多くの場合、成人矯正でも使用されるワイヤーやブラケットを使って歯の位置を移動させて歯並びを改善します。また、歯科医院によっては小児矯正の2期治療でもマウスピース矯正を取り入れている場合があります。歯並びの乱れが強い場合には使用できませんが、お食事や歯磨きの際に取り外すことができ、口元でも透明な矯正装置が目立ちにくいという特徴は魅力的です。

小児矯正を早期に開始することのメリット

抜歯の必要のない矯正治療を行いやすくなる

早くから小児矯正に取りかかることで、お子さまの顎の骨の発達を利用した矯正治療が可能となります。中学生くらいの年齢に差し掛かってから治療を開始すると顎の骨を拡大することが難しく、歯を並ぶスペースを確保するために抜歯が必要となってしまうことがあります。抜歯を伴わない矯正治療を目指す場合には、顎の骨が発達の途上にある時期に1期治療を受けることが大切です。

2期治療に必要となる治療期間が短くなる

早期に治療を開始して、1期治療に十分な治療期間を設定して顎の健全な成長を進めることができた場合、2期治療をとてもスムーズに進めることが可能となり、伴って治療期間も短くすることができます。

歯並びの状態によっては2期治療が不要となるケースも珍しくありません。歯列矯正は歯科治療のなかでも治療期間が長期に及びやすい治療のひとつですが、早めに治療に取りかかることで治療期間の短縮をはかることが可能です。また、治療期間の短縮は治療費用の軽減にも寄与します。

顎の発育に伴って顔立ちが整う

小児矯正を1期治療からしっかりと行うことのもうひとつのメリットが、顎の骨のしっかりとした成長をはかることができる点です。顎の骨が健全に成長することで顔全体のバランスが良くなり、顔貌や表情もより自然な状態となります。前突や開咬、反対咬合の状態にある歯並びでは、より大きなメリットを得ることができます。

お口の清掃性が向上して歯の健康を保ちやすくなる

矯正治療の目的は歯並びを整えることだけではありません。歯並びが乱れている状態はお口の清掃性にも問題がある状態ですが、矯正治療を行うことで毎日のお口のケアの予防効果を高めることができます。そのため、矯正治療は予防歯科の観点からも大きな役割を担っているということができます。

早期に小児矯正に取り組むことは将来的にわたってお子さまのお口の健康作りに大きく貢献します。

より早めの小児矯正が望ましい歯並びの状態

上顎の発達不足に起因する反対咬合(受け口)

下顎の歯が前に出ているべき上顎の歯よりも前に出ている状態が反対咬合(受け口)です。

反対咬合は顎の発達の途上で介入して治療を行うことで、比較的スムーズに歯並びを改善することができますが、上顎の発達は下顎よりも早く止まってしまうため、治療時期が遅い場合には規模の大きな矯正治療や歯科口腔外科での外科処置が必要となってしまう場合があります。

お子さまが3歳頃まではあまり気にする必要ありませんが、5~6歳頃になっても咬合に変化が見られない場合には、歯科医院に相談してみることをお勧めします。

舌癖によって引き起こされる開咬

開咬は口を閉じたときに上下の前歯がぴったり噛み合わず、隙間ができている状態です。奥歯だけで歯が噛み合うため、お食事の際に食べ物を前歯噛み切ることができない場合があります。開咬は舌で前歯を押し出す舌癖が原因となっているケースがあり、矯正治療と並行して歯並びに悪影響を及ぼしている舌癖の改善も並行して行われる場合があります。

コンプレックスに繋がりやすい前突(出っ歯)

前突はいわゆる「出っ歯」の状態を指し、矯正治療の対象となります。上顎の成長が十分でない場合に起こりやすいため、顎の成長が止まってしまう前に治療を開始して上顎を広げる必要があります。出っ歯の状態にコンプレックスを感じてしまうお子さまも多いため、歯科医院へ早めに相談することが望まれます。

できるだけ早期の治療開始が大切な小児矯正

お子さまの小児矯正をいつから始めるべきかわからず、お困りの親御さまが多くいらっしゃいます。治療期間が長期に及ぶことから、小児矯正についてうまくイメージを持つことができないという声も多く聞かれます。

小児矯正では、まず1期治療で顎の骨を広げる骨格矯正を行いますが、この骨格矯正を十分に進めることで、その後の2期治療をよりスムーズに行うことが可能となり、治療に伴うさまざまな負担も小さくすることができます。顎の骨の発達を利用して行う1期治療は3歳から小学校高学年頃までの時期に行うことが理想です。

お子さまの歯並びに不安がある場合や舌癖が見て取れる場合には、早めに歯科医院を受診して歯科医のアドバイスを受けていただきたいと思います。

保坂 晃一郎 歯科医師 四つ木歯科クリニック 院長監修ドクターのコメント
小児矯正は早いうちから始めれば様々な負担が少ないのも事実ですが、お子さんが小さすぎても装置を入れることが負担になる場合もあります。
当院ではお子さんの小学校入学前頃にご相談に来られる方が多いのですが、歯並びが心配だなと思ったタイミングが、そのお子さん、そのご家庭のタイミングになると思っています。お子さんの発育にあわせて矯正の方法もご提案できますので遅いからと諦めずに、思い立ったときにご相談していただければと考えます。
また、お子さんが小さい頃からの虫歯予防の意識、プラークコントロールは大人になっても繋がっていくものです。当院では小児専門の先生がフロスを使った清掃の指導も行なっております。フロスできちんとケアしていくことで虫歯のないまま大きくなっていき、予防に非常に高い効果があることも知っていただきたいと思っています。
将来にわたってお子さんのお口の健康を守っていくために、お困りのことがあれば、お気軽に足をお運びいただければと思います。

 
監修ドクター:保坂 晃一郎 歯科医師 四つ木歯科クリニック 院長

小児矯正でおすすめの歯医者さん 関東編

四つ木歯科クリニック

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