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インプラント素材の種類とメリットやデメリットを徹底解剖

 更新日:2023/03/27


インプラントの素材は近年さまざまなものが出回るようになり、選択の幅が大きく広がるようになりました。それぞれの素材によってメリットやデメリットもあり、素材も慎重に選びたいものの一つです。
せっかく治療をするなら自分にぴったりな素材を選択したいのではないでしょうか。今回はインプラントの素材について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
亀山 秀一郎 歯科医師 亀山歯科クリニック 院長

 インプラントに使われる素材


まずは、インプラントの治療ではどのような素材が使われているのかについてご紹介します。

最も多く使われている素材は金属

インプラント治療において最も多く使われている素材は金属です。その中でも特に使用されている素材は「チタン」と呼ばれる素材です。
チタンとは金属の中でも軽い、強い、錆びないという特徴を持っています。アルミニウムほどではないものの、鉄の3分の2程度、胴と比べると半分程度の軽さとなります。熱して溶ける温度は最も高く、鉄よりも強い金属であるとされています。
さらに、水や海水、酸などにも強くてさびにくいという特徴があり、この金属の性質から、インプラントで最も多く使用される素材となっているのです。また、チタンではなくチタン合金が使用されることも多くあります。

使用は減少傾向であるものの人気があるセラミック

近年の使用量は減少傾向であるものの人気のある素材にセラミックがあります。
セラミックとは非常に高い強度を持った素材で鉱石という石の一種となります。陶磁器や包丁等に使われることが多く、最近では医療分野において、人工関節にも使われています。
人工関節に使われていることから体内に使用しても安全な素材ということが立証され、注目されるようになりました。日本ではまだインプラントの分野において認可がおりていないのが現状ですが、米国食品医薬品局(FDA)の承認と欧州CEマークの認証を受けているため利用することができています。
また30年以上の研究、10年以上・2万本以上の臨床実績を持っているため安心して利用できるインプラントです。

近年使用上昇傾向のジルコニア

ジルコニアとは近年使用される機会が上昇しているインプラントの素材です。
ジルコニアとは酸化ジルコニウムのことを言い、金属のジルコニウムが酸化した白い粉末状のセラミックであり、用途ごとに結晶構造を変化させていきます。歯科分野では多結晶構造という構造を用いるものの宝飾品では単結晶構造を用いている背景から、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。
2005年に薬事法で認可を受けてから急速に広まるようになり、世界では年間で500万人以上がジルコニアを用いた治療を受けており、今後も普及する可能性の高いインプラント素材となります。

 インプラントに利用される素材のメリットとデメリット

インプラントに利用される素材にはそれぞれメリット、デメリットがあります。

金属を使用することのメリットとデメリット

金属の中で最も使用されるチタンの素材を用いてインプラント治療することによるメリットは、骨との癒着度が高いということです。そのため、骨との馴染みや結合が良く治療がスムーズに進んでいくことが多いです。
また、金属であることからある程度の強度もあり、ものを食べたことによって簡単に破損しないということもメリットとなるでしょう。さらに、他の素材よりもチタン自体の値段が安いため治療費も安く済むことが多いということがメリットです。
逆にデメリットは、金属であるということから金属アレルギーである場合には治療ができないということです。また、チタンの場合は長年使用していると金属が溶け出し、歯茎を黒くしてしまうなど、見た目に影響を及ぼす場合もあります。

セラミックを使用することのメリットとデメリット

セラミックの素材を用いてインプラント治療をすることのメリットは審美性が高いというところです。金属のように成分が溶け出すということもないため、歯茎に影響を与えることなく使用を継続できます。
また、歯茎との親和性も高いことが特徴です。汚れにくいというのもメリットであり長期的に利用していくことが可能となります。また、金属を一切使用していないため金属アレルギーの方でも安心して治療を受けることができ、これが人気の秘密となっています。
逆にデメリットは、チタンと比べて強度が低いことです。その強度はチタンの3分の1ほどとされています。また、歯茎との親和性が良いものの骨との密着度が低いため、治療に時間を要することがあるというのもデメリットになります。さらに、前述したように日本での認証を受けていないことから施術を行っている歯科が少ないということもデメリットとなるでしょう。

ジルコニアを使用するメリットとデメリット

ジルコニアの素材を用いてインプラント治療をすることのメリットは、骨との癒着度、生体との親和性が非常に高く安全性も高いということです。他の素材では骨との癒着度が高くても生体親和性が低い、あるいはその逆がありましたが、両方との親和性が高いのがジルコニアの大きなメリットです。
強度も非常に強く金属と同等の強度を持ち合わせていることも特徴です。その一方で金属よりも重量が軽いため違和感なく自然な噛み心地を実現できます。
逆にデメリットとしては費用が高額であるということが挙げられます。

 インプラントに使用される素材別おすすめな人

インプラントに使用される素材別に、使用がおすすめされる人をご紹介します。

金属の素材でインプラント治療をするのにおすすめな人

金属素材を代表するチタンは、インプラント治療の初期から使用され、長年使用されています。そのため、初めてインプラント治療をするという方はまずチタンを使用してみるのが良いでしょう。
また、他の素材よりも安価で済むためインプラント治療をする箇所が多い場合やなるべく費用を節約しながらインプラント治療に取り組みたいという方は金属、チタンインプラントで治療を行うと良いでしょう。

セラミック素材でインプラント治療をするのにおすすめな人

セラミック素材は金属を全く使用していないという特徴があるため、現在なにかしらの病気で治療を要し、MRIといった医療機器にお世話になる可能性が高いという人は、セラミック素材のインプラントを使用した治療法が良いでしょう。また、金属を使用していないということから金属アレルギーの方にもおすすめです。
さらに、金属が万が一溶け出して歯茎が黒くなってしまうのを防ぎたいという審美面を気にされる方もセラミックでの治療が良いでしょう。

ジルコニア素材でインプラント治療をするのにおすすめな人

ジルコニア素材はセラミック同様に金属を使用していないため今後MRIなど医療機器にお世話になる可能性が考えられる人は、ジルコニア素材でのインプラント治療が良いでしょう。また、金属アレルギーの方も金属を使用していないジルコニア素材がおすすめです。
治療への初期費用がかかってしまうものの安全性が高く、耐久性や審美性も高いことから半永久的にきれいな歯を保ち続けたいという方や、一度の治療で全てを終わらせたいという方、インプラントをする箇所が少ないためジルコニア素材を試してみたいという方におすすめします。

 それぞれの素材の特徴を知ったうえでインプラント治療を検討


同じインプラント治療に使われる素材であっても特徴がかなり異なるということがお分かりいただけたでしょうか。それぞれの素材にメリット、デメリットがあるため自分に合った素材を使用してインプラント治療を行ってほしいものです。
ここで紹介した素材の中には歯科によって使用していないものもあります。また、インプラント治療は自費診療であるため同じ素材であっても歯科によって値段が大きく異なることもあります。
インプラント治療はまだまだ研究されており、今後ここで紹介したもの以外にも新しい素材のインプラント治療が発明されるかもしれません。素材の概要を理解した上で、治療を受ける前にまずは歯科医院で説明を良く聞いて吟味したうえで最終的に素材を選択することをおすすめします。

亀山 秀一郎 歯科医師 亀山歯科クリニック 院長監修ドクターのコメント
 実際この記事にあるようなセラミックやジルコニア素材のインプラントも現在使用されてもいますが、咬合力に耐えられる強度、生体親和性、骨との結合などの観点から、現在インプラント材料としては、チタンあるいはチタン合金が一般的に使用されています。インプラントと骨との結合を促進する目的で、インプラント表面を様々に改変したインプラントが多く用いられています。
 
監修ドクター:亀山 秀一郎 歯科医師 亀山歯科クリニック 院長

 インプラント治療でおすすめの歯医者さん 九州編

亀山歯科クリニック

出典:http://www.kameyama-shika.com/

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