「ホワイトニング」をしてはいけない人の特徴とは? リスクや副作用・失敗しないコツも歯科医が解説!

ホワイトニングで歯を白くしたいけど、痛みやダメージが心配で踏み出せない……、そんな不安を抱える人は少なくないでしょう。ホワイトニングは見た目の変化だけでなく、歯や歯ぐきへの影響、持続性、副作用など、様々な不安や疑問がついてまわります。そこで、施術前に知っておきたい注意点や安心してホワイトニングを受けるための工夫について、「ホワイトニングの歯医者さん 横浜インペリアルトパーズ」の風野先生に解説していただきました。

監修歯科医師:
風野 めぐみ(ホワイトニングの歯医者さん 横浜インペリアルトパーズ)
ホワイトニングの副作用やリスク

編集部
まず、ホワイトニングでよくある副作用や症状について教えてください。
風野先生
ホワイトニングの不快症状で多いのは「知覚過敏に似た症状」で、ズキンと一瞬痛みを感じたり、少し違和感を覚えたりします。ただし、症状の多くは一時的なもので、時間の経過とともに治まるのがほとんどです。また、症状の程度や表れ方は、使用する薬剤や保護の方法によっても変わります。そのほかに、「ホワイトスポット」や「ホワイトバンド」と呼ばれる色ムラが出るケースもあります。
編集部
ホワイトニングで歯が脆くなったり、歯ぐきにダメージを与えたりする可能性はありますか?
風野先生
ホワイトニングに使用する薬剤はもともと歯周病の治療薬から発展したものなので、歯や歯ぐきを傷つけたり、ダメージを与えたりすることはありません。ただし、ホワイトニング直後は一時的に歯がセンシティブになることがあります。これは歯の表面にある「ペリクル」という唾液の保護膜が、ホワイトニングによって一時的に剥がれてしまうためです。この症状については、施術後にコーティングなどのフォローをおこなうため、安心して受けていただけると思います。
編集部
ホワイトニングで使用する薬剤が、全身に影響を与えることはありますか?
風野先生
薬剤が体内に入らないように保護しながらおこないますし、うがいも施術後にしていただくため、飲み込むリスクはほぼないに等しいと思います。ただし、過酸化水素を体内で分解できない「無カタラーゼ症」の人や、妊娠中・授乳中の女性はホワイトニングを受けられません。それ以外の人であれば、全身への影響は心配ないと考えます。
編集部
ホワイトニング施術中や施術後に異常を感じた場合、歯科医院ではどのような対応をおこなっていますか?
風野先生
オフィスホワイトニング中にしみる症状や痛みが出た場合は、ライトの熱量を調整したり、光を当てずに薬剤だけで様子をみたりするといった対応が可能です。ご自宅でホームホワイトニングをしている人に関しては、いったん使用を中止していただいたり、院内でしみ止めのお薬を塗布したりといった対応をとっています。
編集部
ホワイトスポットやホワイトバンドなどの色ムラについては、どのような対応をおこなっていますか?
風野先生
ホワイトスポットが明らかな場合は、歯の表面を軽く磨いた後に樹脂を浸透させて目立ちにくくする処置をおこないます。他方、ホワイトバンドに関しては、施術を続けて歯全体が白くなると境目が目立ちにくくなることが多いため、継続的なホワイトニングが対応策の1つになります。
ホワイトニングが受けられない人・注意したい人

編集部
ホワイトニングができない人や避けるべき人はいますか?
風野先生
先ほど触れた無カタラーゼ症の人や妊娠中・授乳中の女性は、原則としてホワイトニングを受けることができません。また、オフィスホワイトニングでは光を使用するため、「光過敏症」の人は対象外となります。さらに、美容施術で「糸リフト」を受けた人は、1カ月ほど期間を空けてからの施術をおすすめしています。加えて、未成年の人はエナメル質がまだ十分に成熟していないことがあるため、施術をお断りする場合があります。
編集部
むし歯がある状態でも、ホワイトニングは受けられますか?
風野先生
むし歯がある場合でも、場所や大きさによっては施術が可能です。ホワイトニングは基本的に奥歯の手前までの歯におこなうため、奥歯のむし歯の影響はそれほどありません。また、前歯にむし歯がある場合でも、軽度であれば保護して施術できることもあります。むし歯が大きい場合は先に治療をおこなった方が安全ですが、小さいむし歯の場合は先にホワイトニングを済ませた方が詰め物の色を合わせやすいという利点があります。まずは一度歯科医師に相談することをおすすめします。
編集部
歯周病がある場合についてはいかがでしょうか?
風野先生
歯周病があると、炎症によって歯と歯ぐきの間に「浸出液」という液体が出てくることがあります。浸出液によってホワイトニング時に使用する保護剤が浮いてしまう可能性があるため、先に炎症を抑えてから施術した方が安心です。
後悔しないホワイトニング選び! 施術の種類やサロン・市販品の違い、効果の持続について

編集部
オフィスホワイトニングやホームホワイトニングなど、ホワイトニングの種類によってデメリットに違いはありますか?
風野先生
先ほども少し触れましたが、歯ぐきを保護できるかどうかや、ライトを使えるかといった点に違いがあるので、その人にあった方法を選ぶことが大切です。一般的な違いとしては、オフィスホワイトニングは即効性があり、短時間で白さを実感しやすい反面、色戻りがやや早いのがデメリットです。一方のホームホワイトニングは、薬剤の濃度が低いため白くなるまでに時間がかかりますが、色戻りしにくいというメリットがあります。
編集部
セルフホワイトニングや市販のホワイトニング歯磨き剤と、歯科医院のホワイトニングでは効果の仕組みに違いはありますか?
風野先生
一番の大きな違いは、歯の色そのものを白くできる薬剤は歯科医院でしか扱えない点です。サロンなどでおこなうセルフホワイトニングや国内で販売される歯磨き剤には、歯を白くする薬効成分は含まれていません。いずれも表面の汚れを取るイメージでホワイトニングという言葉が使われていることは、あらかじめよく理解しておきましょう。
編集部
「ホワイトニングの効果は永久的ではない」と聞きますが、色戻りはどのぐらいで起きますか?
風野先生
オフィスホワイトニングは施術直後や翌日がもっとも白く見えますが、その後は徐々に色が戻っていきます。特に初めて受ける人は2~3カ月ほど間が空くと、かなり色が戻ったように感じやすいでしょう。そのため、最初は2~3週間に1回、もしくは月1回のペースで4回ほどおこなうと、白さが定着しやすいとお伝えしています。その一方、ホームホワイトニングはゆっくり白くなっていくため、施術後に急激に色が戻るということは少ない印象です。
編集部
ホワイトニング後に白さを保つコツを教えてください。
風野先生
飲食後に「うがい」をするだけでも白さのキープには効果的です。可能であればすぐに歯を磨くのが理想的ですが、難しい場合はうがいだけでも習慣にしていきましょう。また、アイスコーヒーやアイスティーなどの冷たい飲み物は、ストローを使うと色素が付きにくくなります。加えて、ホームホワイトニングを選択した人は、コーティング効果のあるジェル歯磨きや、ステインを浮かせて落とすタイプの歯磨き剤を使うと、白さが長持ちしやすくなります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
風野先生
ホワイトニングに対して「痛そう」「歯に悪そう」といった印象を持つ人もいると思いますが、適切な方法を選べば安全におこなうことができます。カウンセリングではお悩みやご希望を丁寧に伺いながら進めていくので、初めてでも安心してご相談ください。本記事を参考に、白い歯を目指す第一歩として前向きにホワイトニングをご検討いただけたら幸いです。
編集部まとめ
ホワイトニングは、知覚過敏や色ムラなどの副作用をともなうこともありますが、適切な方法を選べばリスクを抑えることができるとのことでした。また、体質やお口の状態によっても合う・合わないがあるため、カウンセリングでは薬剤やアフターケアについて事前に確認しておくことが大切です。不安のある人も、まずは歯科医院でじっくり相談してみましょう。
医院情報

| 所在地 | 〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町3-29関内住吉ビル5F・7F |
| アクセス | 市営地下鉄「関内駅」 徒歩2分 JR「関内駅」 徒歩5分 みなとみらい線「馬車道駅」 徒歩5分 |
| 診療科目 | 歯科 |




