｢歯の急な痛みや腫れでもすぐに歯医者に行けない場合｣の応急処置 ポイントや注意点を歯科医が解説

古田先生

まずは、痛み・腫れのある歯や歯ぐきの周辺に食べかすや汚れがたまっていないか確認してください。もし、たまっているようであれば歯ブラシを優しく当てるか、お口をゆすぐなどして取り除きましょう。その際、つまようじや歯間ブラシなどで無理に落とそうとすると汚れを中に押し込んでしまい、かえって症状が悪化するおそれがあるため注意してください。

古田先生

基本的に問題ありませんが、市販の鎮痛剤を服用する場合は添付の文書をよく確認し、用法・用量を守るようにしてください。効能に「歯痛」と記載している鎮痛剤であれば、一定の効果は期待できます。ただし、お子さんや妊娠中・授乳中、高齢者、ご病気の方、アレルギーのある方はお薬を慎重に選ぶ必要があります。心配な場合はかかりつけ歯科医、もしくは内科の先生にあらかじめご相談しておいてください。

古田先生

腫れが大きい場合は、患部を冷やすと症状が和らぎます。ただし、氷や保冷剤で冷やしすぎてしまうとかえって治りを悪くするおそれがあるため注意が必要です。患部を冷やす場合は、冷やしたタオルやハンカチを患部に当てるようにしましょう。湿布も有効です。

古田先生

歯科治療後に痛みや腫れが出た場合は、受診した歯科医院にまずは連絡してください。そのうえで、あらかじめ痛み止めが処方されている場合はそれを服用し、痛みが治まるようであればしばらく様子をみてもよいでしょう。

古田先生

治療の内容にもよりますが、歯を削ったり患部を刺激したりした場合に痛みや腫れが出てしまうことはあります。治療に不信を抱いてしまうお気持ちもよくわかるのですが、治療後の痛み・腫れについてはどうしても避けられない面があることもご理解いただければと思います。歯科医側も治療後に痛みや腫れが想定される場合はその旨を患者さんにお伝えしているので、説明をよく聞いて指示に従ってください。

古田先生

はい。ただ、患者さんの中には緊張して注意事項を聞けていなかったり、忘れてしまったりする方もいらっしゃいます。したがって、気になることがあったら担当医に連絡して、直接聞いてもらうのが一番だと思います。

古田先生

痛み止めを飲んで30～60分ほど経っても痛みが引かなかったり、ひどくなったりする場合はすぐに歯医者さんに連絡して受診したほうがいいでしょう。また、奥歯が腫れているケースでは、腫れが大きくなると喉を圧迫し、非常にまれではありますが、呼吸困難になることもあります。もし、息苦しさなどを感じたら、迷わず救急車を呼ぶようにしてください。

古田先生

気になるからといって、痛みや腫れのある部分を指や舌で触れないようにしてください。また、腫れている部分を自分で潰して膿をだす方もいらっしゃいますが、このような行為も控えましょう。患部を刺激するとかえって症状が悪化し、痛みや腫れが強くなる可能性があります。

古田先生

激しい運動や飲酒、熱いお風呂などで血流が良くなると、痛みや腫れが増大します。したがって、痛みや腫れのある間はこのような血の巡りが良くなるような行為は控えるようにしてください。

古田先生

時間を置かずに受診するようにしてください。多くの方は痛みや腫れが治まると受診しなくなりますが、何もせずにそのまま放置すると、今よりもさらに病状が悪化して手遅れになってしまう可能性があります。腫れは命にかかわることもありますので甘く見ずに、検査とメンテナンスを兼ねて、ぜひ一度受診していただきたいと思います。

古田先生

急な歯の痛みや腫れに襲われると冷静になれないことも多いのですが、まずは一旦落ち着いて受診した歯科医院に連絡し、早めに診てもらうことをおすすめします。また、このような不測の事態に備えて、歯科医としっかりコミュニケーションをとっておくことも大切です。いざというときに頼りになるかかりつけ歯科医を、ぜひ見つけていただければと思います。