ホワイトニングの効果は何回で実感できる? 期間や長持ちさせる方法を歯科医師が解説
歯を白くするために、検討する人も多い「ホワイトニング」。ホワイトニングの方法には、いくつかの種類があり、それぞれ効果を実感できる回数が異なるほか、食習慣などによって持続期間も異なります。せっかくホワイトニングを受けるなら、効果を長持ちさせる方法も知りたいところですよね。そこで今回は、ホワイトニングで効果が実感できる回数や効果を長持ちさせる方法について「Imperial Topaz Oral care」の風野先生にお話を伺いました。
監修歯科医師:
風野 めぐみ(Imperial Topaz Oral care)
ホワイトニングの種類
編集部
ホワイトニングには、どのような種類があるのでしょうか?
風野先生
神経を取っていない歯(有髄歯)におこなうホワイトニングに対しては、「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」をおこないます。また、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた「デュアルホワイトニング」という方法もあります。このほかにも、神経を取った歯(無髄歯)に対しては「ウォーキングブリーチ」をおこなうこともあります。
編集部
なるほど。それぞれもう少し詳しくお願いします。
風野先生
わかりました。まず、オフィスホワイトニングは「過酸化水素」を含んだ漂白剤を歯の表面に塗り、光線を照射しておこないます。 照射時間はだいたい30分程度で、通常は3~6回の通院が必要です。
編集部
ホームホワイトニングについてはいかがでしょうか?
風野先生
ホームホワイトニングは、患者さんの歯形に合わせたトレー(マウスピース)を使用します。「10%過酸化尿素ゲル」を漂白用のトレーの内面に入れて歯に装着すると、過酸化尿素が徐々に分解して濃度の低い過酸化水素が発生します。ホームホワイトニングでは、1日2時間のトレー装着を2週間続けるのが基本です。自然な白さを得ることができ、オフィスホワイトニングに比べて後戻りも少ないのが特徴です。また、ホワイトニング効果だけでなく、プラークの付着を予防したり、むし歯の原因となる菌を減少させたりするほか、歯周ポケットの減少効果なども期待できます。
編集部
デュアルホワイトニングについてもお願いします。
風野先生
言葉のとおり、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせておこなうホワイトニングです。両方のメリットを兼ね備えたホワイトニングで、短期間で自然な白さを目指すことができるほか、効果が長持ちしやすいことも特徴です。
ホワイトニング効果が実感できる回数は?
編集部
オフィスホワイトニングの場合、どれくらいで効果が期待できますか?
風野先生
1回でも効果を感じることもありますが、2~3回くらいで白さを実感できる人が多いですね。また、ホワイトニングとホワイトニングの間の食事内容や喫煙の有無などによっても、効果の感じ方が変わってきます。オフィスホワイトニングでは、濃度が違うホワイトニング剤を使うことで、ホームホワイトニングよりも少ない回数で効果を実感できるでしょう。
編集部
ホームホワイトニングはどれくらいの期間ですか?
風野先生
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと比較して効果を実感できるまでに時間がかかります。ジェルの濃度によってはより効果が早く出る場合もありますが、多くの場合は毎日のトレー装着を2週間ほど続けると効果を期待できます。ホームホワイトニングは、効果が出るまでに時間はかかりますが、基本的に自宅でのホワイトニングなので、通院は2回程度で済むことが多いですね。
編集部
デュアルホワイトニングはどうでしょうか?
風野先生
デュアルホワイトニングでは、最初にオフィスホワイトニングをします。そして、ホームホワイトニング、再度オフィスホワイトニングといった流れでおこないます。そのため、1回で効果を実感できる人もいらっしゃるでしょう。目標とする白さによっても異なりますが、通院回数の目安は3~6回程度です。
編集部
ホワイトニングをしても、なかなか歯が白くならない場合もあるのでしょうか?
風野先生
「テトラサイクリン歯」という抗生剤による歯の変色をきたしている場合、通常のホワイトニングでは歯を白くするのが難しいとされています。これは、テトラサイクリン系の抗生剤を子どもの頃に一定期間内服すると、副作用として歯が灰色や黄色に変色してしまうのです。テトラサイクリン歯を白くしたいという場合には、歯の表面を削ってセラミック製の薄いチップを装着する「ラミネートベニア」という審美治療などが必要になるケースが多いでしょう。
編集部
着色汚れがある場合、白くなりにくいといったことはありますか?
風野先生
着色汚れが付いている場合は、汚れを取り除いてからホワイトニングをした方がより薬剤の浸透がよくなり、白くなりやすいでしょう。また、ヤニや歯石が付いている場合には、ホワイトニングの前にクリーニングを受けることが必要です。
ホワイトニングの効果を長持ちさせるには
編集部
オフィスホワイトニングは、どのくらい効果が持続するのでしょうか?
風野先生
個人差はありますが、効果が定着すれば、3~6カ月間は白さが持続するでしょう。ただし、はじめてオフィスホワイトニングを受ける人は後戻りしやすいことが多い傾向にあります。効果を持続させたい場合には、2~3週間ごとに3~4回のホワイトニングを受けることをおすすめします。
編集部
ホームホワイトニングの場合はどうでしょうか?
風野先生
個人差はありますが、だいたい1年ほど持続するでしょう。ホームホワイトニングでは、オフィスホワイトニングに比べて効果の持続期間は長くなることが多いですね。持続期間で比較すると、オフィスホワイトニングよりホームホワイトニングが優れているように感じるかもしれませんが、ホームホワイトニングは効果が出るまでに時間がかかり、ご自身で毎日トレー装着をおこなわなければならないため手間がかかるといったデメリットがあります。
編集部
デュアルホワイトニングではどうでしょうか?
風野先生
ホームホワイトニングの特徴により、効果の持続期間は1~2年ほどです。また、オフィスホワイトニングの特徴から、歯が白くなるまでの期間も短いケースが多いでしょう。
編集部
ホワイトニングの効果を長持ちさせるにはどうしたらいいでしょうか?
風野先生
色の濃い飲み物や食べ物を多く摂取すると、着色しやすく後戻りの原因になるため注意が必要です。ホワイトニングをしてから24~48時間は、コーヒーや赤ワイン、カレーなどの色の濃い飲食物の摂取を控えていただくのがおすすめです。その後、色の濃いものを口にする際も、ストローを使用したり、飲食後にはうがいをしたりするようにしてください。
編集部
ほかにもあればお願いします。
風野先生
定期的に「タッチアップホワイトニング」を受けることも有効です。タッチアップホワイトニングは、ホワイトニングの効果が落ち始めた時期に追加でホワイトニングをおこなう方法です。ご希望の白さに合わせて、歯科医院で回数などを相談して決めることができます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
風野先生
ホワイトニング効果を長持ちさせるためには、歯の着色の原因に合わせて適切な処置をおこなうことが重要です。ご自身の歯の状態に合わせて、どの種類のホワイトニングがいいのかクリニックでよく相談しましょう。
編集部まとめ
ホワイトニングの効果は、オフィスホワイトニングで2~3回、ホームホワイトニングで2週間程度、デュアルホワイトニングでは1回で効果を実感できることもあるようです。しかし、効果の感じ方には個人差がありますし、食習慣や喫煙習慣によっても異なるでしょう。また、ホワイトニング後の効果を長持ちさせるためには、色の濃い飲食物の摂取を避けるほか、定期的にホワイトニングを受けることが有効です。
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