ランパ療法(RAMPAセラピー)とは?特徴・治療期間・治療対象患者についてご紹介します
小児歯科において、子どもの歯並びや噛み合わせの改善を促すための矯正治療は重要な治療の1つです。
そのため、様々な方法が小児矯正では用意されています。
小児歯科での矯正治療の1つに「ランパ療法(RAMPAセラピー)」があります。これは、数ある矯正治療の中で唯一、上顎骨の形態を整形し、中顔面領域の成長を促すことのできる骨格矯正で、歯並びや噛み合わせが悪くなる要因の一つである「呼吸の問題」にアプローチする方法です。
具体的に、ランパ療法(RAMPAセラピー)とはどういったものなのでしょうか。ここではランパ療法(RAMPAセラピー)の特徴・対象者・期間を交えて説明します。
監修歯科医師:
川上 健太郎(川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵)
北海道医療大学 歯学部卒業
2006年4月
北海道医療大学 臨床研修(協力型)開始
2006年5月
中島歯科クリニック 勤務
2006年9月
北海道医療大学病院 勤務
2006年10月
中西歯科医院 勤務
2007年4月
北海道医療大学 非常勤歯科医師として勤務
2007年4月
南平岸駅前歯科 非常勤歯科医師として勤務
2008年5月
医療法人社団厚誠会歯科 勤務
2012年4月
医療法人社団厚誠会歯科相模大野 院長就任
2014年10月
院長辞任 医療法人社団厚誠会歯科秦野 勤務
2017年2月
川上歯科クリニック 祖師ヶ谷大蔵 開院
目次 -INDEX-
ランパ療法(RAMPAセラピー)とは?
ランパ療法(RAMPAセラピー)は、Right Angle Maxillary Protraction Applianceという上顎を前上方へ牽引する装置と特殊な口腔内装置を用いて行なわれます。この治療法では、上顎の骨を引きながら口腔内を広げて、隣り合った骨から深い部分までを押し広げるように力を伝えることで骨のゆがみなどを改善していきます。
対象となる部分が拡大されると骨のゆがみが開放されますので、空気が通る気道スペースが十分に確保できるだけでなく、歯を正常に並べるためのスペース・舌が正常な位置に収まるためのスペースなども確保できます。
それ以外にも様々な変化を促すことができ、口腔機能の正常化へと導いていきます。口腔だけでなく呼吸も本来の健康的な姿に戻すことができますので、総合的な機能改善に繋がるでしょう。
ランパ療法(RAMPAセラピー・ランパ矯正)の特徴
ランパ療法(RAMPAセラピー)は、専用の装置を使用して、本来の機能を発揮できない歪んだ骨格を矯正する非外科的な整形治療です。
上顎骨とその周囲の骨を拡大させるため、歯並びや噛み合わせの問題の原因を改善するということが大きな特徴です。また、ランパ療法(RAMPAセラピー)は主に成長段階にある子どもに適用さることも特徴の1つでしょう。成長期においては上顎骨がまだ柔軟であるため、成長を正しい方向へ変えることにより、その子本来の正しい成長を促し無理なく安定した結果が期待できます。
また、ランパ療法(RAMPAセラピー)の治療中は調整と管理が必要になります。そのため、定期的に装置の調整を行い、治療の進行を観察します。
歯並びが悪くなった原因にアプローチした治療
歯並びの悪さは様々な要因によって引き起こされます。日常生活における骨格のゆがみや呼吸・姿勢なども歯並びを悪くする原因となります。
骨格のゆがみやズレにより舌の位置や筋肉のバランスが崩れ、呼吸や嚥下などがうまくできなくなると、姿勢も悪くなってきます。その結果、歯並びや噛み合わせも悪くなると考えられます。まずは骨格を治して正しい機能を獲得することが大切です。
上顎を正しい方向へ牽引する装置を用いて深い部分まで拡大力を伝える
ランパは、上顎を正しい成長ができる方向へ牽引する装置です。上顎に固定するプレート状の装置と、特殊なヘッドギアをゴムで接続して、骨に力を伝えます。そして、それぞれの装置を定期的に調整して拡大していきます。
骨格のゆがみとそれに付随する呼吸や姿勢の問題も改善
上述したように、歯並びが悪くなるのには、骨格のゆがみや呼吸・姿勢なども原因となります。
ランパ療法(RAMPAセラピー)によって呼吸や姿勢の問題を解決しながら、歯並び・顎の形態・噛み合わせを改善していきます。また、正しい歯並びや噛み合わせが保たれると、口腔や顔の筋肉のバランスが改善されますので、全体の姿勢にも良い影響を与える可能性が考えられるでしょう。このように、ランパ療法(RAMPAセラピー)は、歯並びが悪くなる原因を改善させることが期待されます。
ランパ療法(RAMPAセラピー)の治療期間は?
ランパ療法(RAMPAセラピー)の治療期間に関しては、患者さんの状態や治療の進行状況によってある程度前後することがあります。
一般的には乳歯があるうちから治療を始めて、永久歯が生え揃うまでみていきます。
治療開始後の通院間隔は、積極的な治療(ランパや口腔内装置を調整する治療)をする間は2〜4週に一回です。積極的な治療が終了して、経過を見ていくようになると1〜3ヶ月に一回の通院となります。
骨格の矯正に2~3年程度
ランパ療法(RAMPAセラピー)による骨格の矯正は症例や治療の進行状況によって変わりますが、通常は2〜3年です。この矯正が終わった後は、歯並びの調整になります。
歯並びの調整は第二大臼歯が生えて噛み合わせが完成するまで経過を見る
歯並びの調整は、骨格の矯正が終わってから第二大臼歯が生えて永久歯列の噛み合わせが完成するまで行われます。この間は、常に経過を見ていくことになるでしょう。
身体の成長に伴い、お口の状態も変化します。そのため、成長に合わせて噛み合わせや歯並びを適切に調整していく必要があります。
ただし、骨格の矯正のみで自然に良い歯並びを獲得できることもあります。
治療後は、姿勢が悪くなったり体形が変わったりすることで噛み合わせが崩れてしまう可能性があるので注意が必要です。
ランパ療法(RAMPAセラピー)の治療対象患者は?
一般的に歯科矯正は子どもから大人まで幅広い年齢層に行われています。しかし、満足できる効果を得るためにはある程度の年齢で行うことが推奨されます。
歯科矯正を始める適切な年齢は個人の状態によって異なりますが、永久歯が生え揃う前後で始めることが多いといわれています。もちろん、成長段階や歯列の問題によっては、それ以前やそれ以後に始める場合もあります。具体的な年齢については、歯科医師に相談して適切なタイミングを決定することが重要です。
5~9歳が適齢
ランパでの矯正に関しては、十分な効果が得られるためには使用時間も重要です。
ランパの装着は、1日12時間以上の装着を継続することが必要なため、学校から帰宅した後に睡眠時間も入れて十分な時間がとれることを事前に確認していただくことが重要です。
このことを踏まえると、5歳から9歳あたりで始めることをおすすめします。
抜歯矯正が必要と診断された人
抜歯矯正は、歯列の調整や噛み合わせの改善のために一部の歯を抜いて行う治療方法です。これらが必要とされるのは、歯の並ぶスペースがない場合や歯列が非常に混雑していて正常な噛み合わせを確立するのが難しい場合になります。
ランパ療法(RAMPAセラピー)では、歯が並ばない原因に対してアプローチしますので、成長していく子どもの歯を抜歯をすることは考えていません。
なぜなら、抜歯矯正では特定の歯を抜くことでスペースを作り歯列を調整しやすくしますが、ランパ療法(RAMPAセラピー)は上顎骨や周囲の骨の拡大によって歯の並ぶスペースを作るためです。
睡眠時無呼吸症候群と診断された人
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まることにより、酸素供給が不足する状態です。歯列矯正においては、下顎や舌の位置が睡眠時無呼吸症候群の症状に影響を及ぼすことがあるとされています。
下顎の後退や舌根が喉に圧迫を与える原因は、上顎の下方成長(ダウングロース)によるところが大きいです。これらを改善すれば、下顎は前方に成長し舌も上がるため、睡眠時無呼吸症候群の症状の改善が期待できます。
慢性副鼻腔炎と診断された人
慢性副鼻腔炎は、副鼻腔の炎症が3ヶ月以上続く状態です。顎の成長が不十分だと鼻の幅が狭くなり、副鼻腔の入口が狭くなることで副鼻腔炎を起こすことがあるとされています。
ランパ療法(RAMPAセラピー)による上顎骨やその周囲の骨の拡大は、鼻・副鼻腔全体をカバーでき、狭くなった副鼻腔を開放するため、慢性副鼻腔炎が改善される可能性があるのです。
骨格性の受け口と診断された人
骨格性の受け口は、上顎が下顎に対して正常な位置よりも後ろに位置している状態のことです。そのため上下の歯が正しく噛み合いません。
その結果、咬合異常や顎関節の問題が引き起こされることがあります。骨格性の受け口の症状を改善するためにランパ療法(RAMPAセラピー)を用いて、上下の噛み合わせを正常な位置に持ってくることができます。
上顎の位置を前に移動させることで、上下の歯の噛み合わせを改善するのです。顔貌の改善にもつながります。ほかの矯正方法は外科的な手術を行わないと受け口を矯正することが難しい場合もありますが、ランパ療法(RAMPAセラピー)は受け口の治療を得意としています。
ランパ療法(RAMPAセラピー)なら川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵へ
日々の生活の中でクリニックに通うことの多い歯科だからこそ、安心して納得できるクリニックを選びたいと考える人は少なくありません。
気軽に頼れるのはもちろんのこと、しっかりとした医療理念も大切です。
川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵は、小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅南口から歩いて8分という便利な祖師谷みなみ商店街に位置しています。
一般歯科診療・矯正歯科・口腔外科と幅広く診療を行っているため、少しでも不安があれば相談でき安心です。
見た目の問題より見えない問題の解決を目指すランパ療法(RAMPAセラピー)を行っている
川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵がランパ療法(RAMPAセラピー)を行っているのには理由があります。
見た目を重要視するのではなく、歯並びが治ることはもちろん、呼吸という生命に直結する機能を改善できれば、医療としてとても意味あることだと考えられているからです。
また、かかりつけ歯科医師として、地域の将来的な健康レベルを底上げするためには健康な子どもを増やすことが必要だという想いから、ランパ療法(RAMPAセラピー)が有効だと判断されているそうです。
子どもの口を正しく育てていくことを大切にしている
子どもにとって歯を守る予防はすでに始まっています。歯を守る予防は、子どもの頃の乳歯の時から重要だからです。
できるだけ早いうちから歯の予防を行うことで、大人になっても元気な歯を長く保つことができます。
だからこそ、川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵では、子どもの健康は未来につながるという想いで、痛みの少ない治療法により子どもの歯医者に対する苦手意識が生まれないような試みをしています。
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川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵 のランパ療法(RAMPAセラピー)や費用についてはこちら
川上歯科クリニック祖師ヶ谷大蔵の基本情報
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参考文献