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咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)
渡邊 雄介

監修医師
渡邊 雄介(医師)

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1990年、神戸大学医学部卒。専門は音声言語医学、音声外科、音声治療、GERD(胃食道逆流症)、歌手の音声障害。耳鼻咽喉科の中でも特に音声言語医学を専門とする。2012年から現職。国際医療福祉大学医学部教授、山形大学医学部臨床教授も務める。

所属
国際医療福祉大学 教授
山王メディカルセンター副院長
東京ボイスセンターセンター長

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)の概要

咽頭がんは、咽頭に発生するがんで、咽頭の部位により上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分類されます。咽頭は鼻の奥から喉の奥までの部分で、飲み込む、呼吸する、発声するなどの重要な機能を持っています。

上咽頭がんは発生頻度が低く、主に60代に多く見られますが、若年層にも発症することがあります。中咽頭がんは男性に多く、主な原因として喫煙や飲酒、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が挙げられます。下咽頭がんも男性に多く、進行した状態で発見されることが多いのが特徴です。

各部位の咽頭がんの原因は、主に喫煙と飲酒に関連しており、大量の飲酒はリスクを高める要因とされています。また、上咽頭がんではEBウイルス感染が、 中咽頭がんではHPV感染が重要なリスク要因とされています。

咽頭がんの初期症状は、耳の閉塞感や鼻づまり、のどの痛みや違和感、飲み込みにくさなどがあり、早期発見が難しいため、症状を感じた際には早めの受診が重要です。検査・診断には内視鏡検査や画像検査が用いられ、治療法としては放射線治療、抗がん剤治療、手術が選択されます。

予防には禁煙と節酒が効果的であり、HPVワクチンの接種も推奨されます。リスクの高い方や異変を感じた方は、定期的な健康診断と早めの医療機関受診が重要です。

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)の原因

咽頭は上咽頭(鼻の奥の部分)、中咽頭(口の奥の部分)、下咽頭(喉奥の気管と食道につながる部分)に分かれます。そして咽頭がんはどの部分にできたかによって上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分けられます。

上咽頭がんの原因

上咽頭がんは発生頻度が低く、年間に約750人が診断されています。この病気は主に60代の方に多く見られますが、15歳から39歳の若い世代にも発症することがあります。以下の項目が上咽頭がんの主な原因です。

喫煙と飲酒
日本では、喫煙や飲酒が上咽頭がんの発症に関連していると考えられています。タバコの煙に含まれる有害物質やアルコールが上咽頭の細胞にダメージを与え、がんのリスクを高める可能性があります。

EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)感染
中国南部などの上咽頭がんの発生頻度が高い地域では、EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)への感染がこのがんのリスク要因とされています。このウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、長期間にわたって影響を及ぼすことがあります。

中咽頭がんの原因

中咽頭がんは男性に多く、診断される患者さんの数は女性の4.4倍とされています。また、1年間で中咽頭がんと診断される方は2,300人程度とされています。以下の項目が中咽頭がんの主な原因です。

喫煙と飲酒
喫煙と飲酒は中咽頭がんの主要なリスク要因とされています。特に、喫煙と飲酒のどちらもしていると、そのリスクはさらに高まります。タバコの煙に含まれる有害物質やアルコールが中咽頭の細胞にダメージを与えることが原因と考えられています 。

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
近年では、上記の喫煙と飲酒に加えて、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染も中咽頭がんの重要な原因の一つとされています。

下咽頭がんの原因

下咽頭がんも男性に多く、その数は女性の7.8倍と言われています。下咽頭がんと診断される患者さんの数は年間2,000人程度で60〜80代で発症することが多いとされています。また、がんが進行している状態で見つかることが多いのも下咽頭がんの特徴です。以下の項目が下咽頭がんの主な原因です。

飲酒と喫煙
下咽頭がんの原因も上咽頭がん、中咽頭がんと同様に飲酒と喫煙とされています。また、大量の飲酒が下咽頭がんのリスクを高めるともされています。

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)の前兆や初期症状について

咽頭がんは、咽頭の部位によって前兆や初期症状が異なりますが、いくつかの共通した症状が見られることがあります。初期段階では自覚症状が乏しく、風邪やほかの軽い疾患と間違えられがちです。次に、それぞれの部位に特有の症状について詳しく説明します。

上咽頭がんの前兆や初期症状

上咽頭がんは、耳の近くに位置する上咽頭に発生するがんです。この部位のがんは、耳の症状や鼻の症状が現れやすいです。初期症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 耳の閉塞感や耳鳴り
  • 鼻づまりや鼻血
  • 首のリンパ節の腫れ

中咽頭がんの前兆や初期症状

中咽頭がんは、中咽頭に発生するがんで、口や喉に関わる症状が多く見られます。初期症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • のどの痛みや違和感
  • 声のかすれや変化
  • 口内のしこりや腫れ

下咽頭がんの前兆や初期症状

下咽頭がんは、下咽頭に発生するがんで、食道や気道に関連する症状が多く見られます。初期症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 食べ物や飲み物の飲み込みにくさ
  • 持続的な咳や嗄声
  • 痰に血が混じる

これらの症状がみられた場合、 耳鼻咽喉科を受診して適切な検査・治療を受けることをおすすめします。

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)の検査・診断

咽頭がんの検査・診断では、まず触診を行い、首のリンパ節への転移がないかを確認します。次に、内視鏡を用いて咽頭の状態を詳細に観察し、がんが疑われる部分の組織を採取する生検を行います。がんの広がりや転移の有無を調べるために、超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査、PET-CT検査などの画像検査を実施します。これらの結果をもとに、がんの進行状況を病期(ステージ)として分類し、治療方針を決定します。

上咽頭がんの検査・診断

上咽頭がんの検査では、まず内視鏡(咽喉頭ファイバー)を使用して腫瘍の有無を確認します。確定診断には、腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で組織や細胞を確認する病理検査が必要です。さらに、がんの浸潤や転移の有無を確認するために、CT検査やMRI検査などの画像検査を行います。

中咽頭がんの検査・診断

中咽頭がんの検査では、まず視診や内視鏡(咽喉頭ファイバー)を用いて腫瘍を確認します。がんが疑われる場合、確定診断のために腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で組織・細胞を確認する病理検査を行います。また、がんの浸潤や転移の有無を確認するために、必要に応じてCT検査やMRI検査などの画像検査も実施されます。中咽頭がんの場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染の有無を調べる検査も行われます。

下咽頭がんの検査・診断

下咽頭がんの検査では、内視鏡(咽喉頭ファイバー)を使用して腫瘍を確認します。確定診断には、腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で組織や細胞を確認する病理検査が必要です。がんの浸潤や転移の有無を確認するために、CT検査やMRI検査などの画像検査を行います。これらの検査結果を基に、がんの進行状況を判断し、適切な治療法を決定します。

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)の治療

咽頭がんの治療は、がんのステージや患者さんの状態を考慮して決定されます。咽頭は飲み込む、発声するといった重要な機能を持つ部位であるため、治すことと機能を残すことのバランスが重視されます。治療法は、放射線治療、薬物療法(抗がん剤治療)、手術などがあります。それぞれの部位の咽頭がんに対する治療方法について詳しく説明します。

上咽頭がんの治療

上咽頭がんは手術が難しい部位にあるため、放射線治療が標準的な治療法となります。特にステージⅡ以上の場合は、放射線治療と抗がん剤治療を組み合わせた化学放射線療法が行われます。この部位のがんは放射線治療に対する反応がよいことが多いようです。

中咽頭がん治療

中咽頭がんの治療には、手術と放射線治療の二つの主要な方法があります。早期の中咽頭がんでは、手術や放射線治療のみで治ることが少なくありません。進行がんの場合は、放射線治療と抗がん剤治療を併用する化学放射線療法が中心となります。また、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染がある場合は、化学放射線療法の効果があるとされています。

下咽頭がん治療

下咽頭がんの治療では、がんが下咽頭にとどまっている場合や喉頭に広がっていても軽度の場合は、喉頭を温存した手術や放射線治療が行われます。しかし、がんが進行している場合には手術が主な治療法となり、喉頭の摘出が必要になることがあります。そのため、QOL(生活の質)を保つ観点から、進行がんでも喉頭を温存する手術や化学放射線療法が選ばれることがあります。場合によっては、喉頭と下咽頭の全摘術や再建術も適応となることがあります。

咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)になりやすい人・予防の方法

なりやすい人:
咽頭がんのリスク要因として、喫煙や飲酒が挙げられます。これらの習慣が長期間続くと、リスクが高まります。また、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染も中咽頭がんの重要な原因です。HPV関連のがんは若い世代にも見られます。男性は女性よりも発症リスクが高いです。

予防方法:
予防には禁煙と節酒が効果があるとされています。さらに、HPVワクチンの接種が推奨されており、特に若年層において有効とされています。定期的な健康診断や喉の異変を感じた際には早めの医療機関受診も重要です。


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