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インプラントと糖尿病は相性最悪!?関係性やリスクを説明

歯並びを治すためにインプラントは有効な治療法です。ただ、インプラントを行う前に聞きたいのですが、あなたは糖尿病ではありませんか?

実はインプラントと糖尿病の相性は最悪。場合によっては糖尿病のせいでインプラントができない、もしくは、治療後に不具合などが起こる可能性があります。

インプラントにとって糖尿病は天敵なのです。今回は糖尿病とインプラントの関係性やリスクについて、岡部歯科医院の院長 岡部京平先生に伺ってみました。

 

この記事の監修歯科医師
岡部 京平 (医療法人岡部歯科医院 院長)


 

糖尿病とインプラントの関係

糖尿病とインプラント治療は無関係のように感じますが、実は深い関係にあるのです。糖尿病で体の免疫力や抵抗力が低下してしまえば、雑菌が繁殖してしまいやすくなります。

そうなると、歯周病のリスクも増加し、インプラントが骨と結合する過程で不具合が生じて、インプラントと骨が上手く繋がらなくなることも。また、最初は上手く言ったように見えても、徐々にインプラント周囲の骨が溶けてなくなってしまい、結果、インプラントが脱落してしまうのです。このように、糖尿病はインプラントに多大な悪影響を与えてしまうことをしっかり理解しておくことが大変重要です。


 

糖尿病とは?

糖尿病がインプラントに悪影響を及ぼす関係性であることがわかりました。ただ、糖尿病という名前は聞いた事があるけれど、どんな病気なのかわからない方もいます。

糖尿病というのは、膵臓が糖を分解しきれず尿として出てしまう病気のことです。血中のブドウ糖濃度が高くなることで引き起こされます。糖尿病の1番怖いところは、放置し続けると合併症をきたす恐れがある点です。合併症は以下の通り。

・創傷治癒遅延
・易感染性
・神経障害

これらが挙げられます。創傷治癒遅延は糖尿病による機能不全によって必要な栄養や酸素が受け取れないことによって起こります。その結果、傷の治りが遅くなってしまうのです。

易感染性は、簡単に言うと免疫力が低下してしまうことを指します。通常、人間は怪我などにより外部からの細菌にさらされた場合でも、白血球が細菌の侵入を防いでくれます。しかし、糖尿病により必要な栄養や酸素が供給されないことで免疫力が低下。細菌を防げずに感染症を生じさせてしまうのです。

神経障害も無縁ではありません。糖尿病は知覚神経にも悪影響を及ぼし、傷に気づきにくくなってしまいます。そうなれば、創傷治癒遅延とあいまって細菌が侵入し、組織が壊死する可能性も十分あります。糖尿病とは非常に危険な病気であり、インプラントにとってもデメリットしかありません。

これらの症状を見て「もしかしたら」と思ったら、インプラントの前に糖尿病の検査をしたほうが良いでしょう。


 

糖尿病のままインプラントを行うリスク

糖尿病は非常に危険な病気です。さらに、インプラントとの相性は最悪。もちろん、糖尿病でもインプラント治療は可能なのですが、それなりのリスクを負うことになります。糖尿病のままインプラントを行うリスクは以下の通り。

・手術の傷が治りにくい
・細菌感染が起こりやすい
・歯周病のリスク

これらが挙げられます。それぞれのリスクの詳細を説明していきます。


 

手術の傷が治りにくいリスク

前の項目でも説明した通り、糖尿病になると栄養や酸素が必要量巡らなくなり、傷の治りも遅くなってしまいます。その結果、手術によってできた傷の治癒も上手く進まず、長期的に傷が残ってしまいます。傷には容易に細菌が入り込んでしまいますので、傷の治癒が遅れるとそれだけ長い期間、細菌に曝されることになります。

加えて口の中にはさまざまな細菌が繁殖しているので、細菌感染を引き起こす可能性も高いです。細菌感染が起これば、インプラントが途中で抜けてしまうなどのトラブルも発生するかもしれません。


 

細菌感染が起こるリスク

前述のように、傷の治りが遅いと、健康な方でも細菌感染の危険性が増します。
さらに、糖尿病の方の場合は細菌自体を殺す免疫力も弱くなっていることが大きな問題です。
これらの悪条件が重なることによって細菌感染の範囲がドンドン広がって、重症化してしまうのです。
細菌感染を起こした部分はインプラント周囲の骨が溶けてなくなってしまうので、最悪の場合インプラントがグラグラになって脱けてしまいます。

 

歯周病のリスク

糖尿病だと免疫力が低下してしまい、歯周病原因菌も繁殖しやすくなっています。それにより、歯周病も重症化しやすい状態になっています。
インプラント周囲に歯周病菌が溜まってしまうと、歯周病と全く同じように周囲骨が溶けてなくなってしまいます。例えば、インプラントの隣に歯周病の歯があると、それに引きずられて周囲骨が溶けてしまい、遅かれ早かれインプラントは抜け落ちます。
従って、インプラント手術を行う前には歯周病をしっかり治しておくことが必須条件となるのです。
そして、歯周病が治れば元凶の糖尿病も治っていくことが細菌の研究で分かっており、実際に私の医院でも数多く経験しています。


 

糖尿病のままインプラントを行う注意点

糖尿病の状態でのインプラント治療には上記したようなリスクがあります。そのため、なるべく糖尿病をしっかりコントロールしてからインプラント治療に臨むのが理想です。

しかし、場合によっては糖尿病のままインプラント治療を行うこともあります。その際、以下のような注意点があります。

・治療時の注意点
・低血糖発作の可能性
・高血糖発作の可能性

注意点は以上となっています。上記の注意点の詳細を説明していきます。


 

治療時の注意点

インプラント治療を行う際、細菌感染に対して弱くなっているということから、抗菌薬の投与を術前に行います。こうしておくことで、細菌が感染しにくい環境を整えることができます。

しかし、糖尿病が進行している状態だと長期間抗菌薬を投与していたとしても、傷の治りが遅いと細菌感染を予防することができなくなります。

加えて、術前の検査結果で空腹時の血糖値が180(mg/dl)以上だった場合、外科手術を中止せざるをえなくなることもあります。これらの注意点を回避するには糖尿病をコントロールしておくことが大切です。


 

低血糖発作の可能性

糖尿病の場合、インプラント治療を行っている最中に動悸や冷や汗など低血糖発作を起こすことがあります。低血糖発作は、最悪のケースだと昏睡状態に陥り、命の危険を招くこともあります。

ブドウ糖点滴などで初期症状に対処することはできるのですが、わずかの間に昏睡状態に陥ることもあるので、必ず安全とは言い切れません。


 

高血糖発作の可能性

ストレスや手術を受けることで、血糖コントロールができなくなり高血糖発作を起こすことがあります。場合によっては昏睡状態もありえるのですが、低血糖発作に比べて徐々に発生するため、緊急性は低いと言われています。

ただ、高血糖発作が発生した場合は、一旦治療を止めて適切な処置をすることになります。


 

糖尿病をコントロールしてからインプラントを行うのが理想

糖尿病とインプラントについて、ここまでをまとめると、

・糖尿病とインプラントの関係は最悪
・細菌感染などのリスクも多く存在する
・発作などの注意点もある

となっています。糖尿病を発症していてもインプラント治療は可能です。ただ、糖尿病の状態のままインプラントを行うのはあまりオススメしません。リスクが非常に多く、低血糖発作が起こってしまえば命の危険もあるからです。それ以外にも、インプラント治療が無駄になってしまう可能性も十分にあります。

そのため、インプラント治療を行う前には、まず、歯周病を徹底的に治し、糖尿病をしっかりコントロールできている状態で臨むことが理想です。
インプラントをするのなら、安全に行いましょう!

岡部 京平 歯科医師 医療法人岡部歯科医院 院長監修ドクターのコメント
私の医院は歯周病専門医院なので糖尿病の方がたくさん来られます。なぜ?と思われるかもしれません。それは、歯周病と糖尿病がお互いにリンクしているからです。簡単に言うと、歯周病が悪くなれば糖尿病も悪くなり、歯周病が良くなれば糖尿病も良くなるということです。これは最近の研究ではっきりと証明されており、医学界ではすでに常識となっています。そして、私の医院でも歯周病患者さんをを治してゆくと、その方の糖尿病の数値がどんどん良くなることを数多く経験しています。歯周病が良くなり、糖尿病が良くなれば、インプラントがあなたに美味しい食事と美しい歯をもたらしてくれます。
 
監修ドクター:岡部 京平 歯科医師 医療法人岡部歯科医院 院長



 

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岡部歯科医院

出典:http://www.nagaoka-perio-implant.com/

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この記事の監修ドクター

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