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ICL手術とは?視力回復のための最新手術を徹底解説!

 公開日:2023/12/14

ICL手術とは、角膜を削らない屈折矯正手術ですが、聞いたことはありますか?
本記事では、ICL手術について以下の点を中心にご紹介します!
・ICL手術とは
・ICL手術の流れ
・ICL手術のメリット・デメリット
ICL手術について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

そもそもICL手術とは

そもそもICL手術とは

ICL手術とは、眼内レンズ手術の一種で、近視や遠視などの屈折異常を矯正するために、眼球にレンズを挿入する手術です。
ICLは”Implantable Collamer Lens”の略で、柔軟なコラマー材料から作られたレンズを使用します。
ICL手術は、角膜を削る必要がなく、眼内レンズを挿入するための非常に小さな切開創が作成されます。
手術は、通常20分程度で完了し、日帰りで受けられます。
ICL手術後の回復期間は、レーシック手術より短く、1週間ほどで視力が回復するとされています。
手術後は、毎日の手入れが必要ないため、非常に便利です。
手術の際には、眼球の表面を小さく切開し、レンズを挿入します。
ICL手術は、角膜形状が不規則な人や、レーシック手術ができない人にも適しています。

ICL手術の流れ

ICL手術の流れ

以下に、ICL手術の流れについて解説します。

適応検査

ICL手術の適応検査は、手術を受ける前に医師が行う詳細な検査です。
これは、ICL手術が患者にとって適しているかどうかを判断するために行われます。
以下は、一般的に行われるICL手術の適応検査の例です。
屈折異常の詳細な検査:
視力検査、眼科検査、眼底検査、角膜トポグラフィー、眼圧測定、角膜厚度測定など、詳細な検査を行います。
眼の健康状態の検査:
網膜、虹彩、水晶体、および眼底の状態を評価する検査を行います。
全身状態の検査:
健康状態を判断するために、身体検査、病歴、および薬剤使用歴の検査を行います。

手術前検査

ICL手術を受ける前には、適応検査のほかにも手術前検査が必要です。
以下は、一般的に行われるICL手術の手術前検査の例です。
角膜厚度検査:
角膜の厚さを測定し、ICLの適正サイズを決定します。
虹彩径検査:
虹彩の大きさを測定し、ICLの適正サイズを決定します。
眼底検査:
網膜の状態を評価します。
眼内圧検査:
眼内圧を測定し、緑内障やその他の眼疾患の有無を確認します。
眼科検査:
視力検査や瞳孔の反応を確認し、ICL手術に適しているかどうかを判断します。
医師の問診:
身体の状態や薬剤使用歴などについての問診を行います。
これらの検査により、ICL手術が適切な治療法であるかどうかを判断し、手術のリスクを最小限に抑えられます

眼内コンタクトレンズの挿入

ICL手術においては、手術前にコンタクトレンズを装着して角膜の形状を変え、ICLのサイズを決定することがあります。

レンズの位置調整

必要に応じて、医師はレンズの位置を微調整できます。
レンズの位置を微調整するために、医師は専用の器具を使用し、レンズの位置を調整します
この手順は、外科手術ではないため、眼科医のオフィスで行われます。

術後処置

ICL手術後、レンズの位置調整が必要な場合があります。
以下は、一般的なICL手術のレンズの位置調整についての説明です。
ICL手術後、眼内に挿入されたレンズが正確な位置に収まっていることを確認するために、定期的なフォローアップが必要です。
フォローアップ中に、医師は以下のようなことを確認します。
レンズの位置:
ICL手術後、レンズが正しい位置に収まっているかどうかを確認します。
レンズが正しく配置されていない場合、視力が低下する可能性があります。
瞳孔の大きさ:
ICL手術後、瞳孔の大きさが変化することがあります。
瞳孔が大きくなると、レンズの端が見えることがあります。
眼圧:
ICL手術後、眼圧が高くなることがあります。
高眼圧が長期化すると、視神経を損傷することがあります。
これらの調査に基づいて、必要に応じてレンズの位置を微調整できます。
レンズの位置を微調整する場合、通常は再び手術する必要はありません。
医師は、眼内に特別な器具を使用して、レンズを調整できます。
ICL手術後のレンズの位置調整は、正確な技術が必要です。
信頼できる眼科医によるフォローアップを受け、必要に応じてレンズの位置調整を行うことが大切です。

ICL手術の費用

ICL手術の費用

ICL手術の費用は、病院やクリニック、または医師によって異なります。
また、手術の種類や検査、手術後のフォローアップにかかる費用も含まれます。
一般的に、ICL手術の費用は、手術の難易度や患者の目の状態によって異なりますが、国内の平均費用は片眼あたり80〜120万円程度と言われています。
ただし、保険が適用される場合もあります。
例えば、眼科医師が近視や乱視による視力の低下を確認し、メガネやコンタクトレンズがうまく適用できない場合には、保険が適用される場合があります。
ICL手術を受ける前に、医師と相談することで、保険が適用されるかどうかを確認できます。

ICL手術のメリット

ICL手術のメリット

ICL手術にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下にメリットを解説します。

強度の近視、乱視にも対応

ICL手術は、近視、遠視、乱視にも対応できる屈折矯正手術の1つです。
ICLは、眼内に挿入されるコンタクトレンズのようなものであり、角膜上皮を削るLASIKや、角膜を削るPRKとは異なる手法で、眼内にレンズを挿入することで屈折矯正を行います。
ICLは、近視の度数が強い方や、乱視がある方、さらには遠視の方にも対応できます。
ICL手術には、度数や角膜の厚さ、虹彩の大きさなどの検査が必要であり、検査結果に基づいて適切なICLの種類や大きさを選択します。
また、手術後には、レンズの位置や瞳孔の大きさなどを調整することで、より正確な屈折矯正を行います。

日帰り手術

ICL手術は、一般的に日帰り手術として行われます。
手術自体は30分程度で終わるため、手術当日は病院やクリニックでの検査や手続きを行い、手術後に1~2時間程度の経過観察を受けた後、帰宅できます。
ICL手術の場合、手術後の痛みや視力低下が軽度で、早期に日常生活に復帰できることが特徴です。
多くの場合、手術翌日には視力が回復しており、仕事復帰も可能です。
ただし、仕事内容によっては、視力が完全に回復するまでに1週間程度かかる場合もあります。
ICL手術後には、医師の指示に従い、運動や水仕事、重い物の持ち上げなどを控えるようにし、手術部位を清潔に保つように注意が必要です。
また、手術後の経過観察には、定期的に眼科医師の診察を受ける必要があります。
ICL手術は、手術後の回復が早く、日帰りで行えるため、多くの方にとって利便性が高い手術と言えますが、手術方法や回復については個人差がありますので、事前に医師と相談することが大切です。

万一の場合はレンズを取り出せる

CL手術後、万一何らかの理由でICLレンズを取り出す必要が生じた場合、医師による取り出し手術が必要になります。
ICLレンズは、眼の中に埋め込まれた状態であるため、一般的な眼鏡やコンタクトレンズのように手軽に取り外せません。
ICLレンズを取り出すためには、専用の手術器具を使用して、角膜や虹彩に微小な切開を施し、ICLレンズを取り出す必要があります。
この手術は、ICL手術と同様に眼内麻酔下で行われます。
ICLレンズを取り出す手術は、ICLレンズを挿入する手術よりも時間がかかる場合があり、ICLレンズを埋め込む前にも検査が必要になる場合があります。
また、手術後の回復にも時間がかかる場合があります。
ICLレンズを取り出す可能性は非常に低いですが、ICL手術を受ける前に、医師と相談してリスクを理解し、適切な判断をすることが重要です。

ICL手術のデメリット

ICL手術のデメリット

ICL手術にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
以下にデメリットを解説します。

手術費用が高い

ICLは、レーシックに比べて手術費用が高い傾向にあります。
ICL手術の費用は、使用するレンズの種類や手術施設によって異なりますが、一般的にレーシックよりも高額になることが多いです。
ICL手術の費用が高額になる主な理由は、レンズを製造するための高度な技術や素材のコストがかかるためです。
また、手術自体も比較的複雑なため、手術にかかる医療スタッフの手数料や施設費用も高くなることがあります。
ただし、ICLはレーシックと比べ、手術後の視力の安定性や、手術の適応範囲が広いなどのメリットがあります。
また、ICLは近視や乱視、遠視にも対応できるため、レーシックと比べてより幅広い範囲の患者に適しているとされています。

手術までの待機時間がある

ICL手術には、手術前に患者の眼の形状に合わせたレンズを用意する必要があります。
そのため、手術までにレンズの在庫がない場合は、レンズの製造に時間がかかるため手術が延期されることがあります。
一般的に、レンズの在庫は比較的少なめであり、手術を希望する患者が増えた場合には、レンズの手配に時間がかかることがあるため、早めに相談し、手術日を決めることが大切です。

適応条件がある

年齢が18歳以上であること:
ICL手術は、目の成長が完了してから行うことが望ましいため、18歳以上であることが条件となります。
眼球の形状が適していること:
ICL手術は、眼球の形状によっては手術ができない場合があります。
具体的には、眼球の前後径が一定範囲内に収まっていること、角膜の厚さが一定範囲以上あることが必要です。
眼の視力が一定の基準を満たしていること:
ICL手術を行うためには、眼の視力が一定の基準を満たしている必要があります。
近視の場合はマイナス0.5以上、遠視の場合はプラス0.5以上、乱視の場合は1.0以上の度数であることが望ましいとされています。
眼の健康状態が良好であること:
ICL手術を行う前に、眼の健康状態を確認する検査が必要です。
特に、緑内障や白内障などの眼の病気がある場合には、ICL手術は適していない場合があります。

合併症が発生する可能性がある

ICL手術は、手術後に合併症が発生する可能性があるとされています。
ICL手術における主な合併症としては、眼圧上昇や瞳孔拡大などが挙げられます。
眼圧上昇が続くと、緑内障になる可能性があるため、定期的な眼圧検査が必要となります。
また、瞳孔拡大によって、眩しさや夜間の視力低下が発生することがあります。
これらの合併症は、治療によって改善されることがありますが、完全に回復することは稀です。

ICL手術のリスクと合併症

ICL手術のリスクと合併症

ICL手術を受ける際のリスクは、発症する可能性のある合併症について解説します。

手術直後のかすみ・まぶしさ・異物感

かすみやぼやけ感:
手術直後は、ICLレンズが眼内に入り込んだことによる影響で、視界にかすみやぼやけ感を感じることがあります。
これは一時的なもので、数日から数週間程度で改善することがほとんどです。
まぶしさ:
ICLレンズが眼内に入り込むことにより、眩しさを感じることがあります。
手術後は、まぶしさを避けるためにサングラスを着用することが推奨されます。
異物感やしみる感じ:
ICLレンズが眼内に入り込んだことにより、異物感やしみる感じを感じることがあります。
これは、手術直後にはよくあらわれる症状であり、時間が経過するにつれて軽減していきます。
充血:
ICL手術後は、一時的に目が充血することがあります。
これは手術中に眼球に触れることによる影響で、通常数日から1週間程度で改善することがほとんどです。

ハロー・グレア

ハロー:
手術後、光源の周りに白い光の輪が見えることがあります。
これをハロー現象と呼びます。
手術直後によく起こる症状であり、1週間程度で改善することがほとんどです。
グレア:
手術後、光源の周りに白い光が見えることがあります。
これをグレアと呼びます。
ハロー現象と同様に、手術直後によく起こる症状であり、数日から数週間程度で改善することがほとんどです。
光のにじみ:
手術後、光が周囲に広がるように見えることがあります。
これを光のにじみと呼びます。
手術後の炎症や、レンズの位置などによって生じることがあります。
多くの場合、数日から数週間程度で改善することがほとんどです。

感染症

ICL術後に感染症が起こる可能性は非常に低いですが、完全にゼロではありません。
手術直後の感染症は、手術時に細菌が感染したことによるものです。
手術後に感染症が起こると、症状としては、目の赤み、痛み、充血、かゆみ、分泌物の増加などがあります。
また、熱が出たり、全身的な不快感を感じることもあります。
ICL手術後の感染症を予防するためには、手術前に目の周りの皮膚を消毒し、手術中には清潔な器具を使用するなどの基本的な感染症予防策を取ることが重要です。
また、手術後には、医師の指示に従って点眼薬を使用することや、手洗いやマスクの着用などの衛生管理に努めることも大切です。
感染症が疑われる場合には、早期に医師の診察を受けることが重要です。
感染症が放置されると、重篤な合併症を引き起こすことがありますので、早期に適切な治療を受けることが必要です。

まとめ

まとめ

ここまでICL手術についてお伝えしてきました。
ICL手術の要点をまとめると以下の通りです。
・ICL手術とは、近視や遠視などの屈折異常を矯正するために、眼球にレンズを挿入する手術である。
・ICL手術は、角膜を削る必要がないので、強度近視の方、角膜の薄い方でも矯正が可能である。
・ICL手術は、近視や乱視にも対応可能というメリットがある一方で、かすみや充血などの症状が出るというデメリットもある。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師

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