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電気性眼炎、雪眼炎とは?その症状や原因と治療法をご紹介

電気性眼炎、雪眼炎(読み方:でんきせいがんえん、せつがんえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
川久保 洋 医師 川久保眼科 院長

電気性眼炎、雪眼炎とは

紫外線に曝露することによって生じる眼障害のこと。電気溶接や殺菌灯などが原因となる職業性の障害が代表的なものである。雪面から反射した紫外線によるものを雪眼炎,いわゆる「雪眼(ゆきめ)」と称し,保護眼鏡なしでスキーなどをした後におこることで知られている。

引用:日本救急医学会
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/1011.htm

川久保洋 医師 川久保眼科 院長監修ドクターのコメント
電気性眼炎は言ってみれば『眼の日焼け』です。紫外線に当たることによって起こります。一般的にはスキー場や海水浴場でかかることが多いですが、溶接などの仕事をしている人の中でも仕事に馴れたベテランの人が顔をガードせずに作業を行なったことで、眼が日焼けしてこの病気になる場合もあります(電光性眼炎とも言います)。問診で原因を特定できることがほとんどです。特徴としては、受傷してすぐに症状が現れるわけではなく、数時間経ってから激痛にみまわれ、来院するケースが多くみられます。

電気性眼炎、雪眼炎の症状

強い紫外線にさらされてから6~10時間程度で、「結膜の充血」、「目がゴロゴロする」、「涙が出る」、「目が痛くてまぶしい」などの症状があらわれます。

引用:千寿製薬株式会社
http://www.senju.co.jp/consumer/note/disease_yukime.html

川久保洋 医師 川久保眼科 院長監修ドクターのコメント
電気性眼炎の症状でもっとも多いのが激痛です。他には、角膜が受傷するので涙が出たり、まぶしさを訴え、程度によっては痛くて目が開けられなくなったりします。さらに角膜が濁ってしまうため、一時的に視力が低下します。コンピューターやコンタクトレンズ、暖房などの使用によっても発症します。症状は強いですが、多くは適切な治療を受ければ短期間で症状は治まります。どんな症状の場合も、電気性眼炎であればその前に必ず強い紫外線や溶接の際のアーク光を浴びているので、因果関係は明確です。

電気性眼炎、雪眼炎の原因

紫外線は波長によって目の中まで入り、白内障を起こしたり、網膜の中心部の炎症(黄斑変性症)が起きるひとつの要因になったりしますが、ふつうは目の表面、角膜で吸収されます。角膜は黒目と呼んでいる透明な膜のことですが、ここでは紫外線の約90%を吸収するため、外からの過剰な紫外線は角膜の細胞を障害します。原因は波長290nm 付近の紫外線です。

引用:池袋サンシャイン通り眼科診療所
http://www.ikec.jp/eye_disease/102/

川久保洋 医師 川久保眼科 院長監修ドクターのコメント
電気性眼炎の原因は、眼が強い紫外線にされたことにより起こります。特に多いのがスキー場や海水浴で、サングラスやゴーグルなどで眼を保護しなかったことで起こるケースです。直接太陽を見なくても、地面からの照り返しによる紫外線量は高く、気づかないうちに眼は日焼けをしています。むしろ照り返しによる日焼けが電気性眼炎の原因の多くを占めています。溶接の仕事をしている人もよくかかる病気で、新人より仕事に馴れたベテランが、短時間の作業だからと眼や顔を護る溶接面をつけずに作業をすることで発症するケースが多く、一種の職業病と言って差し支えないでしょう。短時間であってもアーク光を浴びる紫外線放射は強いので、作業中は必ず眼を護りましょう。また、作業をしない人でも近くで溶接を見ていれば紫外線を浴びるので、同様の注意が必要です。

電気性眼炎、雪眼炎の検査法

検査では点眼麻酔薬で疼痛をとってからゆっくり目を開けてもらい、角膜表面を観察します。角膜表面の反射が乱れ、薄い混濁があり、結膜が充血していたら雪目と診断します。ただし、薬物、薬液が原因の場合もありますので紫外線曝露の有無も確認します。

引用:ボシュロム
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/kyoumakunobyoki/setsuganen/

電気性眼炎、雪眼炎の治療方法

治療は点眼麻酔薬で疼痛をとり、抗菌薬、角膜保護のために眼軟膏を入れ、眼帯、冷湿布をします。鎮痛薬の内服もします。早ければ翌日、遅くとも数日で回復します。

引用:ボシュロム
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/kyoumakunobyoki/setsuganen/

川久保洋 医師 川久保眼科 院長監修ドクターのコメント
この病気は個人差より、曝露された紫外線量によって症状に差が出る病気です。予防は紫外線を浴び過ぎないことで、具体的にはサングラスやゴーグル、溶接面などで防ぐことができます。日本の場合、日常生活で電気性眼炎にかかるほどの強い紫外線を浴びることは滅多になく、大半は白い砂浜や雪といった照り返し(光の反射)があるリゾート地で電気性眼炎になる人が多いです。とはいえ、リゾート地ではなくても、例えばオーストラリアや日本でも沖縄など南国では日差しが強いので、まったくならないとは言い切れません。強い紫外線を浴びそうな時は、帽子や日傘、サングラスなどを利用し、眼を護るようにして下さい。今は眼鏡やコンタクトレンズも99%紫外線をカットできる商品が増えています。
電気性眼炎は紫外線を浴びてから発症までに数時間以上かかり、夜間に来院する人が多い病気でもあります。角膜には多くの神経が存在し、小さな傷でも激痛を伴うので、我慢し切れず駆け込む人が多いからです。症状は重篤ですが、点眼や軟膏など適切な治療を施せば1日〜2日で治ります。


この記事の監修ドクター

川久保洋 医師 川久保眼科 院長川久保 洋 医師
川久保眼科 院長

PROFILE

・さいたま市立病院眼科医長
・駿河台日大病院眼科外来医長
・駿河台日大病院眼科兼任講師