鼻涙管閉塞の原因・症状・治療方法とは?
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鼻涙管閉塞の原因・症状・治療方法とは? 2018.07.28

鼻涙管閉塞(読み方:びるいかんへいそく)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
水谷 泰之 医師(みずのや眼科 院長)

鼻涙管閉塞とは

涙は上眼瞼にある涙腺より分泌され、眼の表面を流れて角膜・結膜を潤します。その後、涙点という小さな穴を通り、涙小管、涙嚢、鼻涙管、下鼻道を経て排出されます。この涙嚢から鼻涙管にかけての涙道(涙の通り道)が閉塞する疾患を鼻涙管閉塞といいます。

引用:宮原眼科医院
https://www.eyedoctors.jp/ecpmb/disease/d42.html

水谷 泰之 医師 みずのや眼科 院長ドクターの解説
鼻涙管閉塞の患者はたくさんいます。基本的に先天性と後天性に分かれ、先天性は赤ちゃん、後天性だとお年寄りがほとんどです。
先天性の場合は新生児の時から涙や目やにが両目・片目からたくさん出ます。小児科の医師も涙や目やになどがたくさん出ていれば鼻涙管閉塞だとわかるので目薬などで治療を行いますが、一時的なものでしかありません。
鼻涙管は閉塞してしまうと、当然涙が鼻に流れて行かないので、目に涙が溜まることになります。目に涙が溜まると当然涙が目からボロボロとこぼれ落ちるのです。鼻に涙が流れていかなければいけないのが、目に溜まるとその分不潔な状態になってしまいます。
まぶたと外側の上の方から涙が出て鼻に流れるという一定の流れは、まばたきをすることで清潔な状態を保っていますが、鼻涙管閉塞は例えるならば排水溝が詰まってしまっている状態で、涙が逆流して溢れてしまいます。鼻に涙が流れていく場合は川と同じような状況でそれほど汚いというわけではありませんが、沼や池などで滞る場合と同じように涙が流れず溢れてしまったりするとやはり膿んだりします。目やになどが出るため感染症を引き起こす可能性もあり、注意が必要です。

鼻涙管閉塞の症状

涙が吸収されずにあふれ出しますので、常に涙っぽい感じや、泣いてもいないのに涙があふれてきたりします。涙が停滞することにより目やにが増えることもあります。
涙嚢内で感染が生じると涙嚢炎(るいのうえん)といって目がしらの所が赤く腫れてしまうこともあります。

引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPAS
hhttp://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000557.html

水谷 泰之 医師 みずのや眼科 院長ドクターの解説
鼻涙管閉塞の症状はとにかく涙や目やにが両目・片目からたくさん出ます。

鼻涙管閉塞の原因

生まれたときは鼻涙管はまだ開通していないことが多く、そのほとんどはハスナー弁付近で閉塞しています。通常は成長するにつれて開通するものですが、なかにはそのままの状態をとどめてしまう場合があります。これを先天鼻涙管閉塞といいます。鼻涙管の形成異常が原因で、出生直後から常に流涙と眼脂(目やに)が起こります。

後天性のものには大きく分けて2つのタイプがあります。鼻の病気(鼻炎、蓄膿症、ポリープなど)が原因で鼻涙管閉塞を起こすもの。もう一つは目の病気(結膜炎などの炎症が波及する)が原因で鼻涙管閉塞を起こす場合です。
引用:ボシュロム・ジャパン
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/mabutatonamidamichi/biruikanheisoku/

水谷 泰之 医師 みずのや眼科 院長ドクターの解説
後天性の場合はお年寄りに多く、薬などの影響でなったりする人もいます。年齢変化で鼻涙管閉塞になる人はいて、涙の通りが悪くなったり、同じように目やにが出たり涙が溢れ出たりします。

鼻涙管閉塞の検査法

検査は、涙点に生理食塩水などを流し込み、それが鼻やのどの奥まで流れてくるかどうかを調べます。閉塞があると液が逆流します。

引用:ボシュロム・ジャパン
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/mabutatonamidamichi/biruikanheisoku/

鼻涙管閉塞の治療方法

先天性鼻涙管閉塞の治療では、症状が軽度の場合は抗菌薬の点眼と涙嚢部マッサージを行い、自然に開通するまで様子をみます。抗菌薬の点眼と涙嚢部マッサージでも自然に開通しない場合は、涙道ブジーを行います。涙道ブジーとは細い針金のようなものを鼻涙管に通して涙道をふさいでいる膜を破り、鼻涙管を開通させる手術です。

引用:宮原眼科医院
https://www.eyedoctors.jp/ecpmb/disease/d42.html

後天性鼻涙管閉塞の治療は先天性のものとは異なり、涙道ブジーだけではまたすぐに鼻涙管が閉塞してしまう為、細くて柔らかいシリコン性のチューブを上・下涙点から鼻涙管に挿入して鼻涙管内腔を確保して、1カ月ほどそのまま留置しておく、シリコーンチューブ留置術や、閉塞した状態の鼻涙管はそのままにしておき、鼻骨をけずって涙嚢と鼻腔を直接つなぐ、涙嚢鼻腔吻合術が必要になります。

引用:宮原眼科医院
https://www.eyedoctors.jp/ecpmb/disease/d42.html

水谷 泰之 医師 みずのや眼科 院長ドクターの解説
先天性の場合、生まれた時から鼻涙管閉塞の子もいて、昔は首がすわる前に針金のような専用の器具で鼻側の一番奥に張っている膜をプチっと破ればそれだけで鼻涙管閉塞は治ります。
昔は首がすわった子供にその処置をするのが大変だったため、首がすわる前に治療してしまうのが一般的でした。
しかし現代では9割ほどの子供が1歳までに鼻涙管閉塞が自然開通することがわかったため、特に治療などを行わずに感染症予防のために目薬などをさしたりするだけで経過をみる場合がほとんどです。
もし1歳を超えても閉塞したままで開通しない子供は、そこから膜をついて開通させる治療を行います。
その治療は実際に見て行っているわけではなく、ブラインドといって勘に頼って細かいところに無理やり針金のようなものを入れていく処置になります。うまくいけばいいのですが、まれにうまくいかない場合もあり、一旦違うところに入ってしまうと元の位置に戻ることはできなくなってしまいます。したがって、この治療のチャンスは1回きりと言われています。
うまくいけばそれきりで終わるので、目やになどがひどくて早く治してあげたいという場合は1歳まで待たずに膜を破ることもあります。
しかし、先天性の場合は1歳までに自然開通する可能性が高いので、今は無理に治療を行わずに10歳ほどぐらいまで待ってみて、それでもうまくいかなかった場合は眼科経由で涙道専門医を紹介してもらうことをお勧めします。
後天性の場合も治療法は同じです。詰まっているかどうかを確認したら、一度専用の器具でついてみて広がるかどうか確かめます。子供とは異なり、通り道が全体的に狭くなっているだけの場合もあるので、その場合は狭くなっている所を広げるだけです。しかしそれでうまくいかなかった場合は手術をするしか方法はありません。
最近では、盲目的におこなうのではなく涙道内視鏡というものがあるのでそれを使って正確に行うという時代になってきています。現在は涙道専門医がいて、ここ2,3年で涙道学会というものもできており、涙道という分野が発達している真っ最中なのです。


この記事の監修ドクター

水谷 泰之 医師 みずのや眼科 院長水谷 泰之 医師 みずのや眼科
院長

PROFILE

外科医である父の背中を見て育った私は、器用な手先を活かし顕微鏡手術のスペシャリストを目指したいという思いから、眼科医の道を選びました。大学病院や総合病院で実績を積み上げた後、長年在籍した大阪医科大学眼科学教室、最後の勤務先となった高槻病院の近くで開業させて頂きました。
『町の眼医者』として患者様に向き合う上では、「患者様が本当に望んでいることは何か」を正確に把握することが最も大切だと私は感じています。症状やデータだけではなく患者様の思いや希望をしっかりと受け止めた上で、一緒に治療計画を立てるように心がけています。
また当院は近隣の大学病院や総合病院と協力・連携しながら、安全で質の高い眼科医療を提供しています。小さいながらも、設備や治療機器は最新のものを取りそろえています。患者様に心から納得の行く治療を受けて頂ける眼科医院であり続けるため、これからも院長をはじめスタッフ一同切磋琢磨して参ります。