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糖尿病の症状や原因、治療方法とは

糖尿病(読み方:とうにょうびょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
村松 賢一 医師 (戸塚クリニック 院長) 

糖尿病とは

誰でも食事をすると、一時的に血糖値が高くなりますが、「インスリン」というホルモンがすい臓から分泌されることで、時間とともに正常値に戻ります。ところが、このインスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンが分泌されてもうまく働かなくなったりすると、血糖値が高い状態が続いてしまいます。これが、糖尿病です。

引用:MSD 患者さんのための糖尿病ガイド
http://www.dminfo.jp/pc/basic_info/index.xhtml

戸塚クリニック 院長 村松 賢一 医師監修ドクターのコメント
糖尿病には主に1型と2型、その他に妊娠糖尿病、特定の原因によるものがあります。1型の糖尿病は、膵臓のβ細胞が壊れ、インスリンが分泌されなくなってしまうもので、小さい子供から若年成人に好発しますが 、中高年で発症する場合もあります。
一方、大多数の方は2型糖尿病で、複数の遺伝因子に、運動不足、過食などが加わってインスリン作用不足を生じて発症します。
厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成26年調査によれば、糖尿病の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は 316万6,000人でした。
また、糖尿病予備軍(発症する手前の方、というより、現状の診断基準では糖尿病とは診断できないが、今後糖尿病の診断に近づいていく方)もたくさんいらっしゃるでしょう。初期の糖尿病は症状がありませんから、糖尿病になっていることに気がついていない人も多くいると思われます。

糖尿病の症状

2型糖尿病は、初期の段階では自覚症状がまったくないことが多く、症状があらわれるとしても、非常にゆっくり、少しづつあらわれます。
・疲労感
・皮膚が乾燥して痒い
・手足の感覚が低下する、または、チクチク指すような痛みがある
・感染症によくかかる
・頻尿
・目がかすむ
・性機能の問題 (ED)
・切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい
・空腹感やのどの渇きがひどくなる

引用:日本イーライリリー 知りたい!糖尿病
https://www.diabetes.co.jp/symptom/type.html

戸塚クリニック 院長 村松 賢一 医師ドクターの解説
初期のころは無症状です。血糖値の高い状態が続くと、高血糖の尿がたくさん出るとか、やせるとかといった症状が出てきます。さらに重くなると、体調不良になるとか、意識がもうろうとしてくるといった症状も出てくることがあります。1型糖尿病は比較的急性の経過のものが多いですが、2型の場合、症状は徐々に進行していきます。

糖尿病の原因

糖尿病とは、インスリンの作用が十分でないためブドウ糖が有効に使われずに、血糖値が高くなっている状態のことです。放置すると全身にさまざまな影響が出てきます。
糖尿病は、その原因により4つのタイプに分けられます。

●1型糖尿病
インスリンを作る膵臓の細胞が何らかの原因でこわされることで、インスリンが作られなくなり、糖尿病になります。子どもや若年者に多くみられます。
●2型糖尿病
インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために起こります。おもに中高年以降にみられますが、若年者の発症も増加しています。日本の糖尿病患者さんの約90%が2型糖尿病とされています。
日本人は遺伝的にインスリン分泌が弱い人が多いといわれています。遺伝的な体質に過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が加わり、発症するとされています。このため、2型糖尿病は「生活習慣病」ともいわれるのです。
また、肥満がなくても、内臓脂肪が増える「メタボリックシンドローム」と呼ばれる状態になると発症しやすくなります。
●特定の原因によるその他の糖尿病
遺伝子の異常によるもの、ほかの病気や薬剤に伴って起こるものがあります。
●妊娠糖尿病
妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常のことをいいます。妊娠中はわずかな高血糖でも胎児に影響を与えるため、糖尿病ではなくても「妊娠糖尿病」と呼びます。
妊娠中に胎盤が作るホルモンが、インスリンの働きを抑える作用もあるため、十分なインスリンが作られない場合に血糖が上昇します。肥満、高齢妊娠、家族に2型糖尿病患者がいる、過去の妊娠で高血糖を指摘された場合に起こりやすいとされています。
引用:協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/diabetes/about/

糖尿病の検査法

糖尿病の診断には、血液検査が必要です。次の4項目を測定します。

*HbA1c(ヘモグロビンA1c)
過去1~2カ月の血糖を反映する指標です。糖尿病以外でも高くなることがあります。
*早朝空腹時血糖値
健康な人では、朝食前の血糖値が1日の中で最も低いとされています。
食事から10時間以上あけて測定するため、一般的には前日夜9時以降絶食として、翌朝食事前に採血します。
*75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
糖尿病を最も確実に診断できる検査です。ただし、明らかに血糖値が高いことが推測される場合は、空腹時血糖または随時血糖を測定します。
早朝空腹時血糖値を測定後、75gのブドウ糖溶液を飲み、30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。
なお、糖尿病の診断には2時間後の血糖値を用います。30分後、1時間後の血糖値は、糖尿病の診断に必須ではありませんが、リスクが高い人を見出すのに役立ちます。
*随時血糖値
食事時間とは関係なく測定した血糖値です。
引用:協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/diabetes/about/

戸塚クリニック 院長 村松 賢一 医師監修ドクターのコメント
一般的に行われているのは、
・随時血糖検査(空腹時に限らずに、測ったその時点での血糖の値を検査)
・空腹時血糖値(検査当日の朝食を抜いた空腹の状態で血糖値を測る検査)
・グリコヘモグロビン検査(HbA1c)(グリコヘモグロビンが、ヘモグロビンのなかにどれくらい含まれているかを調べる検査)
・尿糖検査(尿に糖が混ざっていないか調べる検査)
などです。

糖尿病の治療方法

糖尿病治療の目的は、高血糖が引き起こすいろいろな合併症を予防する、または悪化を阻止することです。
そのためには「インスリンの作用不足」を改善し、血糖値をできるだけ正常にしなければなりません。
治療は基本的に食事療法、運動療法、薬物療法の3つを組み合わせて行われます。
まずは食事療法と運動療法、生活習慣の改善を行います。それでも目指すべき血糖の目標に達しないときには、内服薬や注射薬による治療が行われます。
薬による治療を始めた後も、食事療法や運動療法は続けていきます。食事療法や運動療法をやめてしまうと、肥満が進んでしまったり、インスリンの働きが悪くなったりして、治療の効果が弱まってしまいます。

引用:日本イーライリリー 知りたい!糖尿病
https://www.diabetes.co.jp/coexistence/basic.html

戸塚クリニック 院長 村松 賢一 医師監修ドクターのコメント
食生活の乱れや運動不足が主たる原因なので、食生活の改善や運動の励行が第一にあります。それに加えて補助的に薬を使用していきます。ただし症状が重い方の場合、インスリンを使用することもあります。2型糖尿病は遺伝的素因の下に発症する一種の“体質”のようなものですので、その“糖尿病体質”が治るといったことはありませんが、食生活の改善や運動の強化をずっと続けることによって、高血糖を回避して、糖尿病でない方と同じ健康を維持することは可能だと思います。1型の場合は主に自己免疫の下に発症する病態で、“発症の予防”という点では、自身ではどうしようもないところもあります。が、2型の場合先に述べてある通り、調和のとれた食事、適切な運動などを心がけることで、高血糖の出現=2型糖尿病の発症、を抑えることができますから、適切な食生活と定期的な運動はとても大切です。
皆さんが糖尿病であるかどうかは、専門医を受診の後、前述の4つの検査(のうち必要な項目を測定)の結果から診断します。最近、隠れ糖尿病という概念が出ています。空腹時の採血では見逃してしまうからです。その場合糖負荷検査なども追加して糖尿病なのかその予備軍なのか診断していきます。少しでも気がかりであれば、お気軽に専門医にご相談されることをお勧めします。


この記事の監修ドクター

戸塚クリニック 院長 村松 賢一 医師村松 賢一 医師 (戸塚クリニック 院長)

PROFILE

●経歴
平成10年 横浜市立大学医学部卒業
平成10~13年 現マウントサイナイ医科大学病院ベスイスラエル医療センター(米国ニューヨーク市)にて内科インターンならびにレジデント
平成13年〜17年 帰国、横浜市立大学医学部付属病院等で勤務
平成17年〜26年 さいたま赤十字病院循環器科にて循環器救急治療に従事
平成26年9月 戸塚クリニック院長就任
●資格等
日本内科学会 総合内科専門医
アメリカ内科学会 内科専門医(Diplomate of American Board of Internal Medicine)
日本循環器学会 循環器専門医
●所属学会・研究会等
日本内科学会
アメリカ内科学会(American College of Physicians)
日本循環器学会