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外反母趾にならないハイヒールの選び方ってあるの?

足の親指が体の外側へ曲がってくる外反母趾(がいはんぼし)。ハイヒールのような先のとがった靴をはき続けていると発症しやすいようです。また、こうした社会現象ともいえる現代病に対し、新たな取り組みを見せているメーカーもあるそうです。改めて、外反母趾とハイヒールの関係を、「足と歩行の診療所」の吉原先生に解説いただきました。

監修医師
吉原正宣(足と歩行の診療所 院長)

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関西医科大学卒業。洛和会音羽病院形成外科に勤務中、米国の足病医より指導を受ける。その後、下北沢病院足病総合センターなどの勤務を経た2018年、蒲田駅南口に「足と歩行の診療所」開院。足の病気と歩行の障害の解消に向けて診療を続けている。日本形成外科学会形成外科専門医、日本抗加齢医学会専門医。日本下肢救済・足病学会、日本フットケア学会、日本静脈経腸栄養学会ほか参加学会多数。

 

ハイヒール選びは、一つの観点にすぎない

編集部編集部

ハイヒールを履いている以上、外反母趾は避けられないのでしょうか?

吉原先生

そんなことはありません。ハイヒールを履いていてもならない方がいらっしゃいますし、ハイヒールを履いていない男性やお子さんでも外反母趾を見かけます。また、外反母趾には、骨の形のような足の「構造」や、歩き方といった「癖」が大きく関係しています。

編集部編集部

ハイヒール選びは、あまり重要な論点にならないと?

吉原先生

もちろん、外反母趾になりにくいハイヒールのポイントというものはあります。たとえば、「ヒールの高さが低め」「ヒールそのものが細すぎない」「足首の前の部分にストラップなどのしっかりとした支えがある」「足の形にフィットしている」などです。ただし、これらの条件をクリアしていれば、絶対に外反母趾にならないのかというと、そこまでは言い切れません。

編集部編集部

条件を満たす理想的なハイヒールは、実際に販売されているのですか?

吉原先生

販売されています。足病医とシューフィッターが連携して開発した商品は良いですね。例えば、「ドクターミカ エイチ ニューヨーク」という商品は良いと思います。しかし、履き方やサイズを間違っていたり、“かわいさ”を優先した靴選びをしてしまったりと、「足に良くない」場面がまだまだ散見されます。

編集部編集部

加えて、ハイヒール自体の形も、使っているうちに変わっていきますよね?

吉原先生

変わってしまいます。ですから、「ハイヒール選び」だけで外反母趾を防ぐことは無理でしょう。ほかにもさまざまな工夫や努力が求められます。


 

ハイヒールとの上手な付き合い方

編集部編集部

どうしたら「足に良い」生活ができるのですか?

吉原先生

シューフィッターさんのいるお店に相談するといいでしょう。実は靴って、履いているときと履いて歩いているときで、感覚が異なるのです。履いたときだけの感覚で選ぶと、ミスチョイスを起こしかねません。シューフィッターさんなら、さまざまな観点で靴を選んでくれます。

編集部編集部

逆に、「やってはいけない」靴選びの方法は?

吉原先生

インターネットなどの通販を利用し、見た目やサイズだけで選んでしまう方法です。サイズや「EE」などの幅表示は、実のところ統一しきれていません。メーカーやモデルによって異なるのです。外反母趾を避けたいのなら、「履かずに買う」ことだけはやめましょう。

編集部編集部

履かずに買う人がいるということですか?

吉原先生

いらっしゃいます。そもそも日本には「靴」という文化がありませんでした。室内でも履き続ける欧米と違って、日本は「サンダル」や「ゲタ」感覚なんですよね。フィットという意識が薄いのです。ひも靴でも、緩めに締めて脱着自在にしていることが多いですよね。靴の役割を考えると、本来ありえないことです。

編集部編集部

しかし、“かわいさ”や“シルエット”は、女性にとって欠かせないポイントだと思うのですが?

吉原先生

できれば、複数の靴を、目的や状況によって使い分けていただきたいですね。結婚式やパーティー用なら、デザイン重視でも構いません。その代わり、通勤用や普段使い用は、フィット感で選ぶといった具合です。オフィスであまり移動がないのであれば、それこそ「サンダル」に履き替えてもいいでしょう。


 

治療や自分でできる工夫について

編集部編集部

外反母趾を放置しているとどうなるのでしょうか?

吉原先生

まず「痛み」がでてくるはずです。しかし、そのまま外反母趾が進むと、痛みを感じなくなってきます。そのため、不都合を感じられない方も多いようです。いずれ「親指と人さし指がクロス」するようになったり、歩けなくなったりしかねませんので、早めに対策を取りましょう。

編集部編集部

外反母趾は治るのでしょうか?

吉原先生

自然には治りません。当院の場合、「医療用インソールの使用」と「エクササイズ」によって、症状の改善に努めています。医療用インソールの使用は、靴とのフィット感を高めるためです。エクササイズは、指に筋力をつけ、外力によって曲がってしまうのを防ぐためです。

編集部編集部

もし受診するとしたら、どのタイミングがいいのですか?

吉原先生

痛みがでていなくても、気になった段階でご相談ください。外反母趾は悪化しますので、早い段階からインソールなどを使って防いでいきましょう。

編集部編集部

その他、自分できる「防ぐ工夫」はありますか?

吉原先生

「足の指のグーパー運動」をお勧めします。このとき重要なのは、「上向き」のパーではなくて、「横向き」のパーを心がけること。親指を上げるのではなく、広げるように意識してください。あわせて、タオルを足指でニギニギしながらたぐりよせる運動も効果的です。「上向き」のパーだと、たぐり寄せられません。外反母趾は、足指に筋肉をつけることで悪化をある程度防ぐことができます。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

吉原先生

インターネットなどで、いくつもの外反母趾解消法を見かけます。しかし、「なぜ、それが効果的なのか」という理由や仕組みまで解説しているページは少ないでしょう。専門医なら、そのご説明ができます。正しい情報としっかりとした結果を得るためにも、一度、受診されてみてはいかがでしょうか。治療するかどうかは、その後に決めていただければ結構です。


 

編集部まとめ

ハイヒール選びといった一部分だけではなく、靴を履いた生活全般を見直す必要がありそうです。その第一が、シューフィッターさんや専門医に相談すること。有名百貨店やデパートなら、店員さんでもいいそうです。頼れる物より、頼れる人を選んでみてはいかがでしょうか。


 

医院情報

足と歩行の診療所

足と歩行の診療所
所在地 〒144-0051 東京都大田区西蒲田8丁目1-7 グランタウンビル9F
アクセス JR・東急池上線・東急多摩川線 蒲田駅 南口より徒歩1分
診療科目 形成外科・外科

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