ストレス?イヤホン?耳の痛みの原因と対処法について

病気や日常生活によっても引き起こされる可能性のある耳の痛み。

大人と子どもでは症状や発症に違いがあります。

原因や対処法を知って、嫌な耳の痛みを解消しましょう。

この記事の監修医師
小形 章 (おがた耳鼻咽喉科 院長)

耳の構造と痛みについて

一言で耳が痛いといってもその原因やシチュエーション状況はさまざまです。

耳の痛みを放置して悪化させないためには、耳の痛みの原因・症状や耳の構造を知っておくことがとても大切な役割を果たすことでしょう。

ここでは以下にその痛みを感じる耳の構造について説明します。

耳の構造について

耳は外耳・中耳・内耳の3つの部位から構成されています。

外耳

外耳は耳介と外耳道から構成されています。
耳介から鼓膜までの部分を外耳といいます。いわゆる外から見える耳(耳介)および耳の穴と呼ばれる部分です。

中耳

耳の鼓膜から奥の部分を中耳といいます。中耳は鼓膜・鼓室(中耳腔)・耳小骨・耳管から成り立っています。

内耳

耳のもっとも奥にある部分を内耳といいます。蝸牛・前庭・三半規管から構成されています。内耳は痛みを感じないといわれています。

耳の痛みが起こる原因

耳の痛みが起こる原因として、病気によるものや日常生活から考えられるものがあります。

ここでは以下に耳の痛みを引き起こす原因について説明していきます。

病気によるもの

耳の痛みをきたす病気には主に以下のものがあげられます。

外耳炎…外耳部分が炎症を起こす病気です。

中耳炎…鼓膜の内側である中耳部分が炎症を起こす病気です。

咽頭炎…喉が炎症を起こす病気です。喉の痛みが耳に感じてしまうことがあり放散痛とも言われます。

顎関節症…顎の関節がずれると言うよりは「すれる」ことのいたみですことで起こる病気です。噛み合わせの悪さ・歯ぎしり・噛み癖・ストレスなどで顎関節に負担がかかることが原因と言われています。顎関節症が悪化すると顎だけでなく耳の周りにも痛みを感じるようになります。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)…ウイルス感染により耳の下にある唾液腺の耳下腺(じかせん)が腫れてしまう病気です。耳の痛みと同時に高熱・頭痛などの症状も現れます。

三叉神経痛(さんさしんけいつう)…三叉神経とは顔の感覚を脳に伝える神経のことです。三叉神経痛とは、目・顎・頬などを中心とした顔面に激痛があらわれます。その痛みが耳の奥から頭まで及ぶこともあります。
舌咽神経痛‥舌咽神経とは耳の下を走行する神経で頸椎などで圧迫を受けると耳に痛みを感じます。

耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)…帯状疱疹ウイルスが顔面神経や聴神経に感染して起こる病気です。耳介の痛み・頭痛・難聴・めまい・耳介の水ぶくれや顔面の麻痺などを起こします。

耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)…耳管が閉じることで痛みが起きる病気です。耳管は開閉することで中耳と外の気圧差を調整しているのですが、気圧変化や喉・耳の炎症などにより耳管が閉じたままになってしまい耳鳴りや痛みを引き起こしてしまうのです。

過度な耳掃除

耳掃除をやり過ぎのせいで外耳を傷つけてしまうことがあります。傷ついたことにより痛みを感じることのほか、傷ついた部分に細菌が感染し炎症を起こして痛みを感じることがあります。

耳には自浄作用が備わっているため耳掃除はしなくても良いとも、耳掃除は1か月に1回程度で十分であるとも言われています。耳掃除のやり過ぎには注意しましょう。

気圧変化

飛行機の下降時やトンネルの中に入ったときなど外の気圧が急激に変化するとき、通常は外の気圧と同じ状態に保たれていた耳の中の気圧が外の変化についていけずに体の内外に気圧差が生じてしまいます。この気圧差で鼓膜が内側に押し出されてしまい痛みを感じるのです。航空性中耳炎とも言われます。

人によっては台風など激しい低気圧が近づくことで耳の痛みを感じることもあります。

イヤホンの長時間使用

長時間にわたるイヤホン使用により耳の中の湿度が高くなってしまい細菌が繁殖しやすくなります。細菌が繁殖することで耳に痛みを感じるようになるのです。イヤホンの長時間使用は外耳道軟骨の圧迫によって怒るものが多いようです。医師が聴診器を長時間使ったときにも同様の痛みが出ます、書き直して頂いた方が良いと思います。

気温差(寒さ)

寒い日に外へ出ると耳が引きちぎれるような痛みを感じることがあるかと思います。それは耳が冷たい空気に触れることで血行が悪くなるためなのです。

寒い日に外出する際は血行が悪くならないようにマフラーや耳当てなどで耳を冷やさないようにすることが大切です。

耳の痛みと同時に起こる症状について

耳の痛みが生じるとき同時にほかの症状が起こることがあります。ここでは以下に耳の痛みと同時に起こる症状について説明します。

頭痛

耳の痛みに頭痛がともなう病気は主に以下のものが考えられます。

耳せつ(急性化膿性局性外耳炎)…外耳道内にせつ(うみの塊)ができる病気です。つまり、にきびやおできと同じものが外耳道内にできるということなのです。一般的な外耳炎に比べるとかなりの激痛が起こってしまい、頭痛として頭部にまで広がることもあります。

急性中耳炎…症状としては、耳の痛み・頭痛・発熱・耳がつまる感じがする・耳から膿が出るなどがあげられます。

三叉神経痛…顔面の痛みのほか、耳の奥から頭にかけて痛みを感じることがあります。

発熱

耳の痛みに発熱がともなう病気は主に以下のものが考えられます。

急性中耳炎…鼓膜やその周辺が炎症を起こしている状態なので、その炎症のせいで発熱することがあります。微熱が長く続く場合も高熱が出る場合もあります。自分で痛みを伝えられない赤ちゃんは発熱から中耳炎が発見されることがあります。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)…おたふくかぜの原因となるムンプスウイルスに感染し炎症が起こります。そして耳下腺が腫れて痛みを感じたり発熱したりするのです。

咽頭炎…喉が炎症を起こし発熱する病気で耳に痛みを感じることがあります。

聞こえにくい

耳の痛みに聞こえにくいという症状がともなう病気には主に以下のものが考えられます。

外耳炎…悪化して腫れがひどくなると耳の穴が狭くなり軽い難聴や耳が詰まった感じを訴えることもあります。

急性中耳炎…膿がたまったり鼓膜が破れたりすることで聞こえにくくなります。適切な処置をおこなえば聞こえにくさも一時的なもので済み、鼓膜も自然にふさがります。

慢性中耳炎…急性中耳炎が完治せずに慢性の状態に移行した病気です。鼓膜に穴があいた状態になり聞こえにくくなります。さらに鼓室(中耳腔)やその周りに膿がたまって耳小骨が溶けたり動きが悪くなったりするとますます聞こえにくくなります。

耳の痛みへの対処法

つらい耳の痛みは早く解消したいものです。ここでは以下に耳の痛みへの対処法について説明していきます。

薬による対処

すでに耳鼻科を受診して耳の痛みの原因がわかっている場合や痛みが強いけどすぐに病院に行けない場合などは市販の鎮痛剤を使うのがよいでしょう。しかし、鎮痛剤では痛みを抑えるだけで病気を治すというわけではないので早めに耳鼻科を受診するようにしてください。

耳鼻科を受診して外耳炎であると診断された場合は、ステロイド剤や抗菌薬などの塗り薬のほか内服薬や点耳薬などが処方されることもあります。中耳炎の場合は、原因となる鼻水をおさえる薬や抗生剤などが処方されることもあります。

耳を冷やす

外耳炎や中耳炎の場合は冷やすと痛みが軽減します。夜間に突然耳が痛み出したときなどの応急処置としておこなうのがよいでしょう。外耳炎や中耳炎のときは温めると痛みが増してしまうのでくれぐれも注意してください。

耳抜きをする

急激な気圧の変化による耳の痛みは唾液を飲み込んだりあくびをしたりなどして耳抜きをすると軽減するでしょう。

これらの対処をおこなっても耳の痛み・違和感が長く続くようでしたら放置せずに耳鼻科を受診してください。

耳の痛みが起こる部位について

耳の部位によって痛みに違いはあるのでしょうか。ここでは以下に各部位における耳の痛みについて説明していきます。

耳の奥(鼓膜など)の痛み

中耳炎・耳管狭窄症を発症すると耳の奥に痛みを感じます。中耳炎は鼓膜から奥の部分である中耳に炎症が起こるため耳の奥の方に痛みを感じます。耳管狭窄症も中耳にある耳管が閉じたままになって耳の内外で気圧差が生じ鼓膜が内側に引っ張られることで耳の奥の方に痛みを感じるのです。

耳の外側の痛み

外耳炎を発症すると耳の外側に痛みを感じます。耳の入り口付近に炎症が起こっているため、耳の入り口を押したり耳たぶを引っ張ったりすると強い痛みを感じるようになります。

耳の周りからの痛み

咽頭炎・顎関節症・三叉神経痛などを発症すると耳の周りから痛みを感じるようになります。咽頭炎は喉から、顎関節症は顎関節から、三叉神経痛は顔面からの痛みが耳の方まで広がってくるのです。

外耳炎・中耳炎の種類と大人・子どもの違いについて

耳の痛みを感じる人の年齢によって発症の仕方に違いはあるのでしょうか?

ここでは以下に外耳炎・中耳炎の種類や年齢による発症などの違いについて説明していきます。

外耳炎

年齢の違いによる外耳炎の発症の違いについて

外耳炎になる原因は大人も子どもも同じです。耳掃除のやり過ぎなどで外耳が傷ついてしまい、そこから細菌が侵入し感染することで発症することが多いようです。最近は子供の耳かきは余りしなくなっているように思います大人の外耳炎は耳かきが原因と思います。

子どもの皮膚は大人に比べて薄いのでより傷つきやすくなっている上、水泳が外耳炎の原因になっているようには思いませんまた子どもは耳が気になるとつい触ってしまうということも多いので傷つけないように爪はいつも短く切ってあげたほうがよいでしょう。今時の子供には余り関係ないようにもおもいますが。

中耳炎

中耳炎には主に以下の3種類があります。

急性中耳炎…細菌やウイルスが耳管を通って鼓膜の奥に入り炎症が起こる病気です。耳の痛み・発熱・耳だれ・耳の閉塞感・聞こえにくいといった症状を引き起こします。

慢性中耳炎…細菌やウイルスの感染・炎症が慢性化してしまい急性中耳炎が治らないままになっており、鼓膜に穴があいて耳だれを繰り返す病気です。耳だれ・難聴などの症状を引き起こします。長期間放置するとさらに奥の内耳にまで症状が進んでしまい難治性の難聴を発症することもあります。

滲出性中耳炎…鼓膜の奥の鼓室(中耳腔)に浸出液といわれる液体がたまり、音が聞こえにくくなる病気です。耳の閉塞感・難聴・耳鳴りなどの症状を引き起こします。

年齢の違いによる中耳炎の発症・症状の違いについて

中耳炎は大人よりも子どもの方が発症しやすくなっています。それは大人に比べ子どもの耳管(耳と鼻をつなぐ部分)が中耳炎にかかりやすい構造になっているからです。子どもの耳管は大人と比べて太く短いうえに角度も水平に近くなっているため、鼻の奥から細菌・ウイルスが耳に入るリスクが高く中耳炎になりやすいのです。

症状については、子どもよりも大人の方が重症化してしまうことが多いようです。大人の耳管は子どものものと比べて長く傾斜も大きいため鼻の奥から細菌・ウイルスが耳に入るリスクも低く中耳炎にはかかりにくいのですが、一旦かかってしまうと広い中耳にたまる膿が多く鼓膜への圧迫も強くなってしまうので重症化してしまうというわけです。

大人が中耳炎になると耐えられない痛みを感じることも少なくはないようです。

小形 章 医師 おがた耳鼻咽喉科 院長監修ドクターのコメント
耳の痛みは決して珍しい症状ではありませんが、痛みの原因は様々で耳以外の部位が原因で耳の痛みが起きる病気もあります。また痛みとともに難聴や神経の麻痺、喉の炎症など思わぬ合併症がでてしまうこともあります。普段の生活習慣の間違いから起きてくる耳の痛みもあります。耳に痛みを感じたときに医師に相談した方が良いのか様子を見て良いものかの判断のため、また普段の生活習慣を見直すためにも参考になさってください。

 
監修ドクター:小形 章 医師 おがた耳鼻咽喉科 院長